パブコメ回答17~予防サービス

予防サービスについて


まず、私が送った意見です。太字が本来の(ずっと言い続けている)主張のひとつですが・・・報酬改定についてのパブリック・コメントの枠をはみ出すのは明らかなので、それに加えて、国にやる気さえあれば「すぐにできること」としてグリーンの色塗り部分を追加しています。
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介護予防訪問介護・介護予防通所介護
 定額制の両サービスでは、二次アセスメントで必要なサービス回数を明らかにすることとされており、必要なサービスが制限されることはないはずである。が、東京都渋谷区の単独事業について、平成19年9月17日の毎日新聞で「デイサービスは要支援1の区民は週1回しか利用できなかったが、週2回利用できるようにする。」(保険者としては不適切な見解であるが)と報道されたように、現実には担保されているとはいえない。定額制ではなく、介護給付と同様、従量制にすべきである。
 現時点での改正が困難なら、上記のような不適切な見解を自治体が流すことがないよう、適切に指導すべきである。
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現実のパブコメ回答は次のようになっていました。なお、A~Cは、便宜上、こちらで付け加えています。

A)介護予防訪問介護や介護予防通所介護については、要支援認定区分ごとに、月あたりの報酬を設定しているが、利用者負担等を考慮すると、回数当たりの報酬設定とすべきではないか。
B)介護予防通所介護について、原則として、要支援1=1回/週、要支援2=2回/週まで等と明文化すべき。
C)通所介護ご利用者は1回当たりの料金、介護予防通所介護ご利用者は1ヶ月あたりの料金だが、この両極端に疑問。契約料や月額基本料を定め、加えて実際当日ご利用1回あたりいくら、と設定するのはどうか。利用者が増えるに応じていただける報酬体系にしてもらえれば。

○介護予防サービスは、状態の維持・改善可能性の高い方を対象に、できるだけ要介護状態等にならないよう、利用者の状態に応じた目標を定めて自立支援のために必要なサービスを提供するものと位置付けています。
○介護予防サービスについては、
 ①利用者の状態像から見て、ある程度の標準化が可能であり、また、
 ②目標を達成し、一定期間後にその達成具合を評価する目標志向型のサービス
 で、必ずしも時間をかけることが目標の達成に結びつくとは限らず、
  かえって柔軟なサービス提供を妨げるおそれがあること
から、「包括的な定額報酬」としたところであり、回数当たりの報酬設定とすることは適切ではないと考えています。


意見のうち、Aは(理由を別にすれば)ほぼ、私の主張と同じです。
Bは、事業所サイドからは出てきそうな意見です。私は反対ですが、こういう主張が出てきたことについては理解できないこともありません。
Cは、定額部分と従量部分との2段構造です。おもしろい点もありますが、複雑で利用者にはわかりにくいかもしれません。

国の回答については・・・

「利用者の状態像から見て、ある程度の標準化が可能であり」



・・・え? 標準化が容易なら、Bのような意見は出ないのでは?

ある意味、軽度者の方が標準化は難しいところがあると思います。
逆に、寝たきりで要介護4・5という方が、支援方法をある程度、類型化しやすいかもしれません。

・・・渋谷区ですら(アホ自治体かもしれないが)「要支援1=週1回」と言い切っている現実があるのに・・・

・・・で、「上記のような不適切な見解を自治体が流すことがないよう、適切に指導すべき」という私の「きわめて真っ当な主張」を無視しただろう?


このあたりについて適切に答えないと、

予防給付は、やはり、給付抑制のためだけの陰謀だった

と「痛くもない腹」を探られますよ。