原発被災地、「要介護」急増

[震災8年]原発被災地 「要介護」急増…11市町村 避難 体調に影響

(読売新聞 2019/03/03 05:00)

 東京電力福島第一原発事故による避難指示が出された福島県の11市町村で、要介護認定を受ける人が急増している。最も増加が顕著な葛尾村は、65歳以上の高齢者に占める要介護者の割合(認定率)が8年前から10ポイント余り増え、全国1位の29・2%となっている。長期化した避難生活の影響で体が弱ったり、同居の家族と離れ離れになったりしたことが背景にある。介護サービスの利用が膨らみ、介護保険の保険料も、6町村が全国の上位10位に入るなど高騰している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190303-OYT1T50040/

この後も記事は続いていますし、全国平均の他に、原発事故で避難指示が出た11市町村の変動の資料も記載されていますが、「無断転載禁止」という無粋な表記(当たり前ではありますが)もあるので、ここでは掲載しません。
(関心のある方はリンク先の記事をご確認ください。)


さて、実は「統計から被災地の介護保険を見る」というシリーズを過去に書きました。
(この記事から1~5)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31894244.html


これらは原発事故関連の自治体ではなく、岩手・宮城・福島の3県と、規模別に3市町をピックアップして比較しました。


先の読売記事では、
介護利用急増について、葛尾村の担当者は「避難先で農作業などができず、体を動かす機会が減った。3世代同居などの一家がバラバラに避難し、独居や老夫婦だけの世帯が増えたことも影響している」とみる。
という記述があります。

私も、「統計から被災地の介護保険を見る5」で、
過去に報道されてきたように、避難所や仮設住宅など避難生活環境の制約により、要介護(支援)度が重度化した人々は、やはり少なくないと思われます。
生活の変化だけでも、高齢者の心身に影響を及ぼします。
特に、これまで役割があった人々(農林水産業、孫などの養育支援、地域活動など)が、活動の場を失ったことは、心身の機能を維持する上で大きなマイナスになったことでしょう。
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31897710.html

と書いています。
まあ、以前から予想されていたことではあるのですが、ならばその対応策として何ができるか、何をすべきであったのか、これから何ができるか、ということについては、私は今も明確に示すことができないでいます。

それにしても、少なくとも金銭的損失(直接被害だけでも介護保険財政の圧迫とか介護保険料の負担増などがあります)については、やはり東京電力が負担すべきではないでしょうか。