豪雨被災者への対応

事務連絡
平成24年7月6日

福岡県保健医療介護部 御中

厚生労働省老健介護保険計画課
高齢者支援課
振興課
老人保健課

7月3日からの大雨被害により被災した要介護高齢者等への対応について

1 保険者である市町村においては、地域包括支援センター、在宅介護支援センター、介護支援専門員、介護サービス事業者、民生委員・児童委員、ボランティア等に協力を依頼する等の方法により、その状況や実態の把握に努めていただくとともに、避難対策及び介護サービスの円滑な提供について、柔軟な対応をお願い致します。

2 居宅サービスは居宅において介護を受けるものとしておりますが、自宅以外の場所(避難所や避難先の家庭、旅館等)で生活している場合でも必要なサービスを受けられるよう、保険者である市町村においては、介護サービス事業者や居宅介護支援事業者等に協力を依頼するなど柔軟な対応をお願い致します。

3 介護保険施設、短期入所生活介護、短期入所療養介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護通所介護及び通所リハビリテーションについては、災害等による定員超過利用が認められているところです。その際の介護報酬については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所定単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、通所介護費等の算定方法にかかわらず所定の介護サービス費の対象とします。また、特定施設入居者生活介護についても同様と致します。なお、被災のため職員の確保が困難な場合においても、同様に所定単位数の減算は行わないこととします。

4 被災のため居宅サービス、施設サービス等に必要な利用者負担をすることが困難な者については、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第50条または第60条に基づき、市町村の判断により利用者負担を減免できます。
 また、被災のため第1号保険料の納付が困難な者については、法第142条及び市町村の条例に基づき、保険料の減免又はその徴収を猶予することができます。
 なお、市町村によるこれらの利用者負担額、保険料減免額(特別調整交付金の算定基準に該当するもの)が一定以上となった場合、当該市町村に対しては特別調整交付金を交付することとなります。

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<引用者注>
 福岡県あての通知しか見つけられなかったのですが、もちろん他の被災自治体にも通知されているでしょうし、同様の考え方に基づいていると思います。
 補足するとすれば、まず2に関連して、避難先を居宅とみなせるので、

・通所や短期入所サービスの送迎を避難先と事業所との間で行うことが可能
・居宅介護支援や介護予防支援で義務づけられている居宅への訪問業務は、避難先で行うことが可能
・通所リハビリのPT等が居宅を訪問して計画作成や見直し等を行った場合の加算も、避難先の訪問で可能

と考えられます。
また、4と同様、障害福祉サービスや保育料などについても利用者負担が軽減される場合があります。
障害者自立支援法第31条、児童福祉法第21条の5の11、第24条の5など)
さらに、

要介護(支援)認定の更新の特例
 災害その他のやむを得ない理由により認定の有効期間内に更新申請ができなかった場合は、その理由のやんだ日から1月以内に限り、要介護(支援)更新認定の申請をすることができます。
介護保険法第28条第3項・第33条第3項)

障害福祉サービス等の支給の特例
 東日本大震災では、支給決定の有効期間が延長されるなどの特例がありました。
 それ以外の災害では、同様の特例についての情報は把握していませんが、
 支給決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由によりサービスを利用したとき
 (たとえば、災害で、すぐには市町村に申請手続きできないが、サービスが必要なとき)には、
・特例介護給付費や特例訓練等給付費(障害者自立支援法第30条関係)
・特例障害児通所給付費(児童福祉法第21条の5の4関係)
等を市町村は支給することができます。

税金の減免、申告や納付の猶予など
 税金によって何らかの対応が可能な場合があります。
 他の公租公課(国民健康保険後期高齢者医療保険料など)も、同様の取扱いの場合があります。
(各自治体の条例など)
 <主な相談先>
  ・国税所得税など):税務署
  ・都道府県税:都道府県税事務所
  ・市区町村税:市区町村の税務担当課

公的手数料の免除
 住民票や納税証明書などの発行手数料が免除になる場合があります。

なお、公的機関が作成したものではありませんが、「被災地のケアマネジメントQ&A」の考え方も参考にしていただければ、と思います。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/20966967.html