入院時情報連携加算の起算日

今春の介護報酬改定のパブリックコメントの際、私は居宅介護支援の入院時情報連携加算について、次のような意見を送りました。

入院時情報連携加算における情報提供までの日数の起算日は入院日か、その翌日か。高齢者では深夜の救急入院等も多く(介護支援専門員が知り得るのは早くても翌日の朝)、入院翌日を1日目としないと3日目までの情報提供は難しい場合がある。
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/35584053.html

パブリックコメントの結果発表では、このような記述になっていました。

入院時の情報提供が3日以内となるが、週末や祝日を挟むと要件を満たすことが難しい。
3日とした根拠はあるのか。
居宅介護支援事業所に対する調査の結果、利用者が入院した場合に3日以内に医療機関へ情報提供している割合が7割を超えている実態を踏まえ、医療機関における早期の退院支援に資するよう、3日を要件としています。
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/35619925.html

私がせっかく起算日の取扱いに誤解が生じないように質問部分(太字)を織り込んで送ったのに、厚労省は期間の短さとその根拠についてのみにしか触れていません。

私自身は、民法第140条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
により、何も注釈がない場合には入院当日は含まれない、と解釈しています。

つまり、本日(6月17日)に入院したら、本日は参入せず、翌日(6月18日)を1日目として起算します。
この結果、6月20日までに情報提供したら加算(I)が算定可能です。
(なお、6月17日午前0時ちょうどに入院したとしたらその日が1日目になりますが、ちょっとレアなケースだろうとは思います。)


ところが、narisawaさんのブログの情報によると、仙台市の集団指導では入院初日を含める解釈が出されているようです。
http://www.city.sendai.jp/shidodaichi/jigyosha/fukushi/fukushi/koresha/syuudanshdou/201805.html

(I)の「3日以内」の考え方について:居宅サービス単位数表に関する通則事項に倣い、入所等した日及び退所等した日の両方を含むものとする。
例:10月13日に入院した場合→10月15日までに情報提供を行えば、算定可能。

う~ん、どうでしょうか?

たしかに、
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)の第二-1には、
(2)入所等の日数の数え方について
 [1] 短期入所、入所又は入院の日数については、原則として、入所等した日及び退所等した日の両方を含むものとする。
とあるのですが、これは介護保険施設などの費用の算定において、入所(入院)日も退所(退院)日も算定対象になる、というきわめて当たり前のことを指しているのに過ぎません。

つまり、
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月1日老企第36号)
で居宅介護支援について書かれていることではなく、
これ(施設や短期入所等の通則)を理由として初日参入とするのは間違いである、と私は考えます。

まあ、仙台市を責めるつもりはありません。

悪いのは、パブリックコメントで指摘されているのに、それを無視したか気がつかなかった厚生労働省ですから。


※念のため。
この入院時情報連携加算は、今回の報酬改定前からありました。
ただ、これまでは「利用者が入院してから遅くとも7日以内」(老企第36号)ということ(のみ)だったから、それだけ期間があれば、初日算入でも不算入でも要件を満たすのは難しくない(というより、当然に満たすべき)と思っていましたから、特にパブコメ等でも触れていませんでした。