では、集中減算の対象は?

前記事で触れた「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)で、
居宅介護支援の特定事業所集中減算の規定(第83号)までの状況を整理してみました。


●:第83号で定義されたサービス
○:第83号より前に定義されているサービス
△:第83号より前に定義されているが、「以下同じ。」という文言がないサービス
×:第83号までに明確には定義されていないサービス

○指定訪問介護
●指定訪問入浴介護
○指定訪問看護
○指定訪問リハビリテーション
○指定通所介護
○指定通所リハビリテーション
○指定短期入所生活介護
○指定短期入所療養介護
○指定特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)
●指定福祉用具貸与
○指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護
×指定夜間対応型訪問介護
○指定認知症対応型通所介護
×指定小規模多機能型居宅介護(利用期間を定めて行うものに限る。)
△指定認知症対応型共同生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)
△指定地域密着型特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)
△指定看護小規模多機能型居宅介護(利用期間を定めて行うものに限る。)


こうしてみると、定義されていないサービス(茶色の太字)は、本体サービスとは異なる短期利用(利用期間を定めて行うもの)が多いことがわかります。
これは「・・・第○条に定める・・・」という形では定義しにくいといえるかもしれません。

残るのは、夜間対応型訪問介護
これは集中減算の対象となるようなことがあるのか疑問ですが(5事業所以上ある地域でないと、「正当な理由」として減算の対象から外すことが可能)、基準省令の構造上、「第○条に規定する・・・」という定義がしにくい、という見方も可能でしょう。
(案外、厚生労働省チョンボかもしれませんが。)

で、前記事の冒頭の話題に戻って、基準該当サービスは、特定事業所集中減算の対象になるか?


八十三 居宅介護支援費における特定事業所集中減算の基準
 正当な理由なく、指定居宅介護支援事業所(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第二条に規定する指定居宅介護支援事業所をいう。以下同じ。)において前六月間に作成した居宅サービス計画に位置付けられた指定訪問介護指定訪問入浴介護(指定居宅サービス等基準第四十四条に規定する指定訪問入浴介護をいう。)、指定訪問看護指定訪問リハビリテーション指定通所介護指定通所リハビリテーション指定短期入所生活介護指定短期入所療養介護、指定特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)、指定福祉用具貸与(指定居宅サービス等基準第百九十三条に規定する指定福祉用具貸与をいう。)、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護、指定夜間対応型訪問介護指定認知症対応型通所介護指定小規模多機能型居宅介護(利用期間を定めて行うものに限る。)、指定認知症対応型共同生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)、指定地域密着型特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものに限る。)又は指定看護小規模多機能型居宅介護(利用期間を定めて行うものに限る。)(以下この号において「訪問介護サービス等」という。)の提供総数のうち、同一の訪問介護サービス等に係る事業者によって提供されたものの占める割合が百分の八十を超えていること。


告示では、指定サービスしか書かれていません。
そもそも、基準該当サービスが8割を超えるぐらい利用者を集めるようなことを国が想定していたとは思えません。

ただ、理由がなく特定の事業所(基準該当サービスだろうが指定サービスだろうが)に誘導するような居宅介護支援が適切とは思えないので、指定権者(現在のところは都道府県や政令市、中核市)の判断により、厳しく指導されることはあり得ると思います。

それはそれとして、この特定事業所集中減算という制度自体については、私は反対です。