老健(10) 退所時指導等加算

ニ 退所時指導等加算

(1)退所時等指導加算
 (一)退所前後訪問指導加算 460単位
 (二)退所時指導加算 400単位
 (三)退所時情報提供加算 500単位
 (四)退所前連携加算 500単位
(2)老人訪問看護指示加算 300単位

注1 (1)の(一)については、入所期間が1月を超えると見込まれる入所者の退所に先立って当該入所者が退所後生活する居宅を訪問し、当該入所者及びその家族等に対して退所後の療養上の指導を行った場合に、入所中1回(入所後早期に退所前訪問指導の必要があると認められる入所者にあっては、2回)を限度として算定し、入所者の退所後30日以内に当該入所者の居宅を訪問し、当該入所者及びその家族等に対して療養上の指導を行った場合に、退所後1回を限度として算定する。
  入所者が退所後にその居宅でなく、他の社会福祉施設等に入所する場合であって、当該入所者の同意を得て、当該社会福祉施設等を訪問し、連絡調整、情報提供等を行ったときも、同様に算定する。

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(16)退所時指導等加算について
 ① 退所前後訪問指導加算
  イ 退所前の訪問指導については、入所期間が一月を超えると見込まれる入所者の退所に先立って、入所者が退所後生活する居宅を訪問して退所後の療養上の指導を行った場合に、入所中一回に限り加算を行うものであるが、入所後早期に退所に向けた訪問指導の必要があると認められる場合については、二回の訪問指導について加算が行われるものであること。この場合にあっては、一回目の訪問指導は退所を念頭においた施設サービス計画の策定及び診療の方針の決定に当たって行われるものであり、二回目の訪問指導は在宅療養に向けた最終調整を目的として行われるものであること。
  ロ 退所前訪問指導加算は退所日に算定し、退所後訪問指導加算は訪問日に算定すること。
  ハ 退所前後訪問指導加算は、次の場合には算定できないものであること。
   a 退所して病院又は診療所へ入院する場合
   b 退所して他の介護保険施設へ入院又は入所する場合
   c 死亡退所の場合
  ニ 退所前後訪問指導は、医師、看護職員、支援相談員、理学療法士又は作業療法士、栄養士、介護支援専門員等が協力して行うこと。
  ホ 退所前後訪問指導は、入所者及びその家族等のいずれにも行うこと。
  ヘ 退所前後訪問指導を行った場合は、指導日及び指導内容の要点を診療録等に記載すること。

 2 (1)の(二)については、次に掲げる区分のいずれかに該当する場合に、所定単位数を加算する。
  イ 入所期間が1月を超える入所者が退所し、その居宅において療養を継続する場合において、当該入所者の退所時に、当該入所者及びその家族等に対して、退所後の療養上の指導を行った場合に、入所者1人につき1回を限度として算定すること。
  ロ 退所が見込まれる入所期間が1月を超える入所者をその居宅において試行的に退所させる場合において、当該入所者の試行的な退所時に、当該入所者及びその家族等に対して、退所後の療養上の指導を行った場合に、入所中最初に試行的な退所を行った月から3月の間に限り、入所者1人につき、1月に1回を限度として算定する。

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 ② 退所時指導加算
  イ 退所時指導の内容は、次のようなものであること。
   a 食事、入浴、健康管理等在宅療養に関する指導
   b 退所する者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う体位変換、起座又は離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練の指導
   c 家屋の改善の指導
   d 退所する者の介助方法の指導
  ロ 注2のロにより算定を行う場合には、以下の点に留意すること。
   a 試行的退所を行うに当たっては、その病状及び身体の状況に照らし、退所して居宅において生活ができるかどうかについて医師、薬剤師(配置されている場合に限る。)、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等により、退所して、その居宅において療養を継続する可能性があるかどうか検討すること。
   b 当該入所者又は家族に対し、趣旨を十分説明し、同意を得た上で実施すること。
   c 試行的退所中の入所者の状況の把握を行っている場合にあっては、外泊時加算を併せて算定することが可能であること。
   d 入所者の試行的退所期間中は、当該入所者の同意があり外泊時加算を算定していない場合は、そのベッドを短期入所療養介護に活用することが可能であること。
   e 試行的退所期間中は、指定居宅サービス等の利用はできないこと。
   f 試行的退所期間が終了してもその居宅に退所できない場合においては、介護老人保健施設で療養を続けることとなるが、居宅において療養が続けられない理由等を分析した上でその問題解決に向けたリハビリ等を行うため、施設サービス計画の変更を行うとともに適切な支援を行うこと。
  ハ ①のハからヘまでは、退所時指導加算について準用する。

Q&A2
(問36)試行的退所サービス費が廃止されたが、試行的に退所し、退所時指導加算を算定する場合に、居宅サービス事業者との契約等により居宅サービスを提供した場合、その分の報酬を算定できるのか。
(答)
 試行的退所期間中は、提供した居宅サービスによる報酬の算定は認められていない。

 3 (1)の(三)については、入所期間が1月を超える入所者が退所し、その居宅において療養を継続する場合において、当該入所者の退所後の主治の医師に対して、当該入所者の同意を得て、当該入所者の診療状況を示す文書を添えて当該入所者の紹介を行った場合に、入所者1人につき1回に限り算定する。
   入所者が退所後にその居宅でなく、他の社会福祉施設等に入所する場合であって、当該入所者の同意を得て、当該社会福祉施設等に対して当該入所者の診療状況を示す文書を添えて当該入所者の処遇に必要な情報を提供したときも、同様に算定する。

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 ③ 退所時情報提供加算
  イ 退所後の主治の医師に対して入所者を紹介するに当たっては、事前に主治の医師と調整し、別紙様式2の文書に必要な事項を記載の上、入所者又は主治の医師に交付するとともに、交付した文書の写しを診療録に添付すること。また、当該文書に入所者の諸検査の結果、日常生活動作能力、心理状態などの心身機能の状態、薬歴、退所後の治療計画等を示す書類を添付すること。
  ロ ①のハを準用する。

 4 (1)の(四)については、入所期間が1月を超える入所者が退所し、その居宅において居宅サービス又は地域密着型サービスを利用する場合において、当該入所者の退所に先立って当該入所者が利用を希望する指定居宅介護支援事業者に対して、当該入所者の同意を得て、当該入所者の診療状況を示す文書を添えて当該入所者に係る居宅サービス又は地域密着型サービスに必要な情報を提供し、かつ、当該指定居宅介護支援事業者と連携して退所後の居宅サービス又は地域密着型サービスの利用に関する調整を行った場合に、入所者1人につき1回を限度として算定する。

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 ④ 退所前連携加算
  イ 5の(18)の③イ及びロを準用する。
  ロ ①のハ及びニを準用する。

 ③ 退所前連携加算
  イ 退所前連携加算については、入所期間が一月を超える入所者の退所に先立って、指定居宅介護支援事業者の介護支援専門員と連携し、退所後の居宅における居宅サービスの利用上必要な調整を行った場合に、入所者一人につき一回に限り退所日に加算を行うものであること。
  ロ 退所前連携を行った場合は、連携を行った日及び連携の内容の要点に関する記録を行うこと。
  ハ  ①のハ及びニは、退所前連携加算について準用する。
  ニ 在宅・入所相互利用加算の対象となる入所者について退所前連携加算を算定する場合には、最初に在宅期間に移るときにのみ算定できるものとする。

 5 (2)については、入所者の退所時に、介護老人保健施設の医師が、診療に基づき、指定訪問看護(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第59条に規定する指定訪問看護をいう。以下同じ。)が必要であると認め、当該入所者の選定する指定訪問看護ステーション(同令第60条第1項第1号に規定する指定訪問看護ステーションをいう。以下同じ。)に対して、当該入所者の同意を得て、訪問看護指示書を交付した場合に、入所者1人につき1回を限度として算定する。

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 ⑤ 老人訪問看護指示加算
  イ 介護老人保健施設から交付される訪問看護指示書(様式は別途通知するところによるものとする。)に指示期間の記載がない場合は、その指示期間は一月であるものとみなすこと。
  ロ 訪問看護指示書は、診療に基づき速やかに作成・交付すること。
  ハ 訪問看護指示書は、特に退所する者の求めに応じて、退所する者又はその家族等を介して指定訪問看護ステーションに交付しても差し支えないこと。
  ニ 交付した訪問看護指示書の写しを診療録等に添付すること。
  ホ 訪問看護の指示を行った介護老人保健施設は、指定訪問看護ステーションからの指定訪問看護の対象者についての相談等に懇切丁寧に応じること。