同盟国でも投票行動は分かれる

前記事を見ると、各国の立ち位置に微妙な(あるいは明確に)差があるのがわかります。

米国、イスラエル以外にも、太平洋の島嶼国に反対が多いのは、米国というよりもイスラエルか、ユダヤ系企業か何かの影響でもあるのでしょうか、私にはわかりませんが。

米国の同盟国、友好国(NATOなど)の中でも、日本同様に賛成票を投じた国がけっこうあります。

 

ウクライナ侵攻におけるロシア非難票が140か国レベルにあるのに比べたら少ないように見えますが、それでも124か国の賛成は大きいものがあります。

ちなみに私も賛成です。

イスラエル国内や、国外のユダヤ系の人々の中でも、現政権の方針よりは、こういう決議の趣旨に近い考え方の人は少なくないだろうと思います。

直近のヒズボラがらみの通信機爆発は、子どもを含む一般住民にも被害が出た時点で、テロと同じだろうと考えている人もいそうです。

 

なお、ロシアや、その立場を代弁しているように見える参議院議員などは、日本は米国の言いなり、みたいなことを主張しますが(末尾の記事)、日本は国連総会でも安保理でも、米国とは異なる票を投じることが普通にあります。

主権国家だからそれぞれの国で判断して票を投じますが、少なくともウクライナに対するロシアの所業だけは完全に非難に値する、というのが、人権と民主主義を重視する諸国の中では当然のコンセンサスなのでしょう。
米国の圧力とか、米国への忖度からではなく。

 

ロシアがこういう主張をするのは、ロシア自身が周辺国、影響国に「無条件の服従」を強いてきた歴史があるからでしょうか。

 

<参考>
ロシア外相、米国が同盟国に「無条件の服従」要求していると非難…国連安保理の会合で
読売新聞 2024/07/17 23:19

【ニューヨーク=金子靖志】ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は16日の国連安全保障理事会の会合で、米国が同盟国に「無条件の服従」を要求していると非難した。ロシアは7月の安保理議長国で、ラブロフ外相が「多国間協力」をテーマにした会合を主宰し、議長を務めた。

 ラブロフ氏は「米国の覇権主義的な政策は何十年も変わらず、欧州の安全保障上の取り決めを優位に主導してきた」との主張を展開した。これに対し、米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使はロシアについて、「国連憲章に違反してウクライナを侵略し、食糧を武器化して世界中の何千万人もが苦しんでいる」と指摘した。日本の山崎和之国連大使は「ロシアは何よりもまず、ウクライナからすべての軍隊を即時かつ無条件で撤退させるべきだ」と強調した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240717-OYT1T50218/