パトリオットは有効らしい

参議院議員鈴木宗男氏の12月30日のブログより。

 

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 一昨年10月23日、ウクライナが自爆ドローンをロシア人の居住地域に飛ばしてから緊張が高まり、昨年2月19日OSCE(ヨーロッパ安全保障協力機構)でのゼレンスキー大統領のブタペスト覚書の再協議、核を戻せとも取られる発言でロシアは19日、国家安全保障会議で24日特別軍事作戦の開始を決定した。
 ウクライナが挑発しなければこんなことにはならなかったのである。
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相変わらず「事実とは異なること」を書いていますね。
親露派側が(少なくとも、親露派側も)ミンスク合意に違反していた可能性はきわめて高いし、ブダペスト覚書(しつこいようだけど「ブタペスト」ではない)を破ったのは2014年クリミアを侵略したロシアの方です。
なお、仮にウクライナが(ウクライナ国内で)挑発したとしても、国境線を越えて侵攻すれば、ロシアの方が悪いとされるのが国際法上のルールです。
「挑発」を理由に、民間人を殺し、幼女を含めて少なからぬ女性をレイプし、多数の児童を誘拐したのだから、プーチン氏が国際指名手配されるのも当然のこと。

 

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(鈴木氏のブログ)
 ロシア外務省のザハロハ報道官は27日、日本が地対空誘導弾パトリオットミサイルアメリカに輸出を決めたことに対し「明らかにロシアへの敵対行為で日本は2国間関係で重大な結果を負う」厳しい警告をしている。
 輸出したミサイルがウクライナに渡れば日本も参戦国と見られる。たしかにミサイルがウクライナに渡る可能性は排除できないのでロシアの懸念は当然である。無用な軋轢を作るだけでも賢い外交とはいえない。
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ザハロハ報道官(一般的な報道では「ザハロワ」報道官のようですが)は知ってて発言していると思いますが、鈴木氏はパトリオットミサイルのことをちゃんと理解しているのでしょうか?


パトリオットは地対空ミサイルです。
つまり、地上から空の敵(航空機やミサイル等)を攻撃する防御兵器です。
ロシアの一般国民を攻撃するような性質のものではありません。

 

もちろん、日本からウクライナに直接輸出するようなことは、日本のルールではあり得ないこと。
ですが、日本が米国に提供して、米国内の余剰がウクライナに回されたとしても、ロシア国民に直接被害をもたらすことはありません(プーチン氏に強要されてウクライナ攻撃に従事する兵士を除く)。

 

蛇足ですが・・・


ロシア「ウクライナ側の誤射」 安保理で主張、欧米は非難
共同通信 12/30(土) 9:13配信

【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は29日、ロシアによるウクライナ全土への一斉攻撃を協議する緊急公開会合を開いた。ロシアは民間施設に被害を与えたのは「ウクライナ側のミサイル誤射だ」と主張した。欧米や日本は産科病院や商業施設を標的にしたとしてロシアを相次いで非難し、ウクライナ支援を改めて表明した。

 国連のグテレス事務総長は報道官を通じた声明で、一斉攻撃を強く非難し「民間人や民間施設への攻撃は国際人道法違反で容認できず、直ちにやめなければいけない」と訴えた。

 ロシアのネベンジャ国連大使は「ウクライナの防空ミサイルが軌道を外れ、住宅や民間施設を直撃した」と持論を展開した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c1c9481c9ac923ea8da3045dbafffab7e757d1ed

 


ネベンジャ氏は、もしも閻魔様の前に行くようなことになれば、舌が何枚あっても足りないでしょうが、それはともかく。
先の報道官の発言を勘案すれば、やはりパトリオットミサイルシステムというのは、ロシア側の「ウクライナ民間人攻撃」にとって、相当に脅威なのでしょう。
露軍自慢の極超音速空対地ミサイル「キンジャール」とかいう代物が、あっさり撃墜されてしまうぐらいですから。

ウクライナも苦境ですが、ロシアもかなり参っているのかな、鈴木氏がブログに書くぐらいなら。