「喧嘩両成敗」を主張するが

前記事をまとめるにあたって(まあ、それほどまとまっていませんが)、鈴木宗男氏のブログを読み直してきました。
最近、「喧嘩両成敗」という言葉がよく使われていますが、その主張に微妙な変化が出てきているようです。

 

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2022-10-13
 子供の頃、先生から「ムネオ、喧嘩両成敗だ。だけど先に手を出した方が悪い。あわせてその原因を作った方にも責任があるぞ」と言われたことをいつも頭に入れながら、私は私の信念で一にも二にも「停戦」「双方、銃をおけ」と声を出して行きたい。

2024-06-03
 戦争には双方言い分がある。子供の頃、学校で喧嘩をしたら先生は「喧嘩両成敗だ。先に手を出した方が悪い。もっと悪いのはその元を作った方だ」とよく言われた。

2024-06-05
 (前日のブログにコメントした人の名)さん、戦争には双方言い分があります。子供の頃、学校で喧嘩をしたら先生が「喧嘩両成敗。先に手を出した方が悪い。もっと悪いのはその元を作った方だ」と良く教えられました。この教えからすれば元を作ったのはウクライナです。この事実を踏まえないといけません。だから私はロシアの言い分が正しいと言っているのです。

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一昨年の10月、ロシアが侵略を開始してから数か月後の時点では、
「先に手を出した方が悪い。あわせてその原因を作った方にも責任がある」
(つまり、先に手を出したロシアが悪い。原因を作った(と鈴木氏たちが主張する※)ウクライナにも責任がある)
でした。

今年の6月3日では、
「喧嘩両成敗だ。先に手を出した方が悪い。もっと悪いのはその元を作った方だ」
(つまり、ロシアは悪い。元を作った(と鈴木氏たちが主張する※)ウクライナがもっと悪い
に変わってきました。

6月5日では、「3日の理屈」に加えて、
「だから私はロシアの言い分が正しいと言っている
という「結論」まで導き出しています。

 

喧嘩した鈴木君たちを諭した先生は複数存在したのかな?
それとも、鈴木君の記憶が変わった?

まさか、ロシア側の指示が変わった、とは思いたくないし、そんな証拠も見つかっていないし。

 

さて、鈴木氏は私より相当程度年上です。
でも、戦後生まれのはずだから、北海道ではあっても、近畿で通学した私たちとそれほど異なる教育を受けたわけではないだろうとは思います。
そいう観点に立てば、鈴木氏の(たぶん)恩師は、双方がだいたい同じような年齢(同級生)で、個人同士、あるいは同程度の人数で「堂々と」喧嘩した場合を指して指導したのだろうと推測できます。
上級生が下級生を殴ったり、多対一で(つまり、いじめのような形で)攻撃したり、というような事態なら、喧嘩両成敗とはいわなかっただろう、と。

 

今の教育界では、いじめは加害者が悪い、ということで徹底されているはずです。
「喧嘩両成敗」的な対応の学校も、たまに報道されますが、もちろん批判を浴びています。
特に被害者側が自殺、自傷行為などに追いやられた場合には。

 

今の時代には合わないね、鈴木君。
国際問題はもちろん、教育問題にも口を出さず、政界を引退してくれたまえ。

 


※なお、ウクライナが原因を作った、という鈴木氏の主張には、私は同意していません。
2014年の当初のロシア側の侵攻(クリミア等への)時から、少なくとも、双方に原因があったか、ロシア側が工作してウクライナ側を挑発したか、でしょう。
仮に、ウクライナ側がウクライナ国境内で行った行為を、ロシア側が不快感を持ったとしても、それを解決するのは安全保障理事会のような議論、言論の場とすべきです。