ついでに鈴木宗男氏ブログ

参議院議員鈴木宗男氏の6月7日のブログより。
(【※1】などは引用者が付しました。)

 

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 ロシアのプーチン大統領は5日、サンクトペテルブルグで行われている国際経済フォーラムでの会見で、日露間の平和条約締結交渉について「日本がウクライナ支援を続ける限り条件が整わない」との認識を示し「交渉再開は拒否しない」「日本が米欧と強調し、ロシアの戦略的敗北を求める声に加わっている」と批判している。交渉中断は「日本側の問題だ」とも述べている。
 これに対し林官房長官「日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当で断じて受け入れられない」と述べている。【※1】
 プーチン大統領発言はロシアの大統領として当然の考えである。日本がロシアの立場になって考えればわかることではないか。【※2】
 クリミア戦争の時、安倍晋三総理はオバマ米大統領から「ロシアに経済制裁する。日本も協力してくれ」と言って来たが、安倍総理は「日露間には平和条約交渉、北方領土問題解決という問題がある。アメリカと同じ価値観ではやっていけない。ここは日本独自の判断に任せてほしい」と毅然と話された。
 安倍総理国益を考える判断でその後、日露関係は未来志向で順調に進んだ。【※3】
 (略)
 安倍総理はハッキリ日本の立ち位置を示しながらもアメリカとも良好な関係を構築していた。安倍総理のとった判断をなぜ考えなかったのか不思議でならない。【※4】
(略)
 バイデン米大統領の上から目線、強い者が「善」というアングロサクソン的価値観では通用しない時代である。【※5】
(以下略)
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※1:「日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当で断じて受け入れられない」
 林官房長官は、少なくとも全面的に支持できる政治家ではありませんが、このコメントは日本の内閣として適切です。
 主な理由は前記事で述べたとおりですが、仮に日露双方に言い分があったとしても、日本側の主張に沿った発言をするのは当然。
 鈴木氏が仮に(本心で)ロシア側に理があると考えたとしても、それを日本政府側に伝えるのは非公表の場とすべきで、公開されている(つまりロシア側も読める)場では、「ロシアの言い分もわかるが双方に理屈はあり、ロシアも対日交渉を続けるべき」ぐらいの発言をするのが、国益に沿った発言というものでしょう。

 

※2:プーチン大統領発言はロシアの大統領として当然の考えである。日本がロシアの立場になって考えればわかることではないか。
 上で述べたように、ロシアの立場になって「公表されている場で」発言するのは、たとえそれが正しかったとしても(正しくはないのですが)国益に反するというもの。もっとも、ロシアの立場になって考えれば、ウクライナ侵攻は間違い(ロシアの国益にはならない)と考えられます。

 

※3:日露関係は未来志向で順調に進んだ。
 というはずなのに、ウクライナ侵攻までの1年数か月の間に返還交渉は全く進みませんでした。

 

※4:安倍総理のとった判断をなぜ考えなかったのか不思議でならない。
 「ロシアのウクライナ侵攻でそもそも交渉できる環境ではなくなった。責任は日本ではなくロシアにある」と、安倍氏は指摘しています(2022年3月25日産経新聞。末尾参照)。
 その時点では安倍氏は(自民党内の影響力とも)健在でしたが、対露制裁しないように首相に働きかけた形跡は全くありません。
 余談ですが、この頃の心境を安倍氏に聞いてみたかった。暗殺は本当に残念です。

 

※5:強い者が「善」というアングロサクソン的価値観では通用しない時代
 アングロサクソンという民族的、文化的集団に対するヘイトではないでしょうか?
 バイデン氏個人を批判するのは(鈴木氏の責任において)自由ですが、米国のうちアングロサクソン系の移民の子孫、イングランドの人々等に対するカテゴリー批判は日本の国会議員としてしてほしくないです。「ロシアもベラルーシウクライナも、東スラブ人は残虐な戦争ばかりしている」というような民族、あるいは人種などでひとくくりにする批判が不適当なのと同じです。
 なお、<強い者が「善」>というのは、現在ではロシアや中国の方が当てはまりそうです。アングロサクソン、というか大英帝国が歴史に汚点を残したのは、アヘン戦争や「中東での三枚舌」政策の頃ではないでしょうか。第二次世界大戦後の米英は、ルールを重視する(させる)方向が強まり、当時のソ連とともに国連憲章等をスタートさせました。もちろん両国のルール逸脱はあったでしょうが、両国に逸脱があったことを理由に、ロシアが逸脱してもよい、ということにはなりません。


※4の安倍氏発言(有料会員以外は途中までしか読めません)
自民党安倍晋三元首相は25日、産経新聞の単独インタビューに応じ、ウクライナへの侵攻を続けるロシアが日本との平和条約締結交渉の中断を表明したことについて「ロシアのウクライナ侵攻でそもそも交渉できる環境ではなくなった。責任は日本ではなくロシアにある」と指摘した。その上で「日本の隣国であるロシアは強大な軍事大国だ。北方領土問題を解決し、北方四島の元島民の悲願でもある平和条約を締結する政府方針は今後も変わらないだろう」と述べた。
https://www.sankei.com/article/20220325-K4UAOYHIAVNTNOT2NDYRHDKLAM/