北方領土問題、プーチン氏「交渉続ける状況ではない」…日本のウクライナ支援を理由に
読売新聞オンライン 6/6(木) 22:18配信
ロシアのプーチン大統領は5日、露西部サンクトペテルブルクで各国の通信社と会見した。露大統領府の発表によると、プーチン氏は日本との北方領土問題を含む平和条約交渉について、ロシアが侵略するウクライナに対する日本の支援を理由に「交渉を続ける状況ではない」と述べた。
プーチン氏は「日本側が(交渉を)再開できる状況を作る必要がある」と主張した。現時点で北方領土を訪れる計画はないとしたが、「ロシアが主権を持つ領土であり、訪問しない理由はない」と含みを持たせた。
ロシアは2022年3月、ウクライナ侵略を受けて対露制裁を発動した日本への報復として、平和条約締結に向けた交渉の中断を発表。北方領土問題を含め日露間の対話は停滞している。
また、プーチン氏は会見で、ウクライナ侵略で核兵器を使用する可能性に言及し、ウクライナを支援する米欧を威嚇した。プーチン氏は「なぜか西側諸国はロシアが(核兵器を)使用しないと信じている」と指摘した上で、ロシアの主権や領土が脅かされた場合には「あらゆる手段を用いることができる」と強調した。
米欧が供与した武器でウクライナが露領内を攻撃することには「ロシアに対する戦争への直接的な参加であり、我々も同じ行動を取る権利がある」と反発。西側諸国を攻撃するため、他国に長射程の兵器を渡す可能性があると警告した。ウクライナでの戦闘停止には「(西側が)兵器の供給をやめればいい」と主張した。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6511e35ff85d03f02022fbf68cde2d976f8fd31f
以前の記事でも触れましたが、ロシアは「領土の割譲禁止」を憲法で定めました。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/02/08/213515
ウクライナ侵攻前(当然、日本が対露制裁するより前)の2020年7月のことです。
鈴木宗男氏は、その月の16日のブログでラブロフ外相のへ理屈を並べていますが、少なくともこの時点で二島でさえ返す気がないのは明らかです。
実際、2022年2月のウクライナ侵攻まで、日本は対露制裁していませんが、返還交渉は1ミリも進んでいません。
もともと返す気がないところ、ロシアの明確な国連憲章違反などのために日本も制裁を決めたから、これ幸い(?)と「日本が悪い」と責任転嫁したということです。
それにしても、なぜこの時期に、こんな発言をしたのでしょうか?
ヒントがありました。
プーチン大統領「ウクライナに武器供給しない韓国を高く評価」
中央日報日本語版 6/7(金) 15:55配信
「韓国がウクライナに武器を直接供給しないことを高く評価する」。
ロシアのプーチン大統領が5日(現地時間)、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)を機に世界主要ニュース通信社の代表らと会った席でこのように述べた。
6日のタス通信によると、プーチン大統領は韓ロ関係に関する質問に対し、「イタリアと同じく韓国の指導部が仕事をする時、ロシア嫌悪の雰囲気がないというのが分かる」とし「(韓国はウクライナなど)紛争地域に武器を直接提供していない。我々はこれを高く評価する」と話した。イタリアはウクライナ戦争以降もロシアと友好的な関係を維持してきた国に挙げられる。
またプーチン大統領は「ロシアと韓国の関係が退歩しないことを期待する」とし「(これは)朝鮮半島全体に関連する両国関係発展への我々の関心を意味する」と述べた。続いて「韓国側の協力の多くの領域で伝えられた問題があり、非常に残念だ」とし「これは我々の選択でなく韓国指導部の選択だ。我々はチャンネルが開かれていて、準備ができている」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6755879a97cfb6d8fd3652200c6898ae2d45a29e
私が批判することではありませんが、韓国は間接的にはウクライナに武器が渡るような支援を行っています。
旧ソ連製武器の在庫のある国に韓国製武器を送り、その国が旧ソ連製武器をウクライナに渡しやすくなるような行為です。
ロシア側もそれを把握したうえで、韓国に揺さぶりをかけている、というところでしょうか。
西側の欧米から、高度な科学技術の産品が入らなくなったりしたので、けっこう困っているのかもしれません。
国民が生きていくだけなら、それなりの食料やエネルギーは確保できるはずなので困らないのでしょうが、近代兵器の生産には(北朝鮮レベルの技術では)支障があるのでしょう。
もっとわかりやすく、二島の返還交渉を裏でするから助けてくれ、とか(外交筋で)言い出すのなら、支持率低空飛行の内閣の揺さぶりはできるかもしれませんが、さすがにそれはできないのでしょうね。
こんなことなら、日本との交渉をもう少し進めておいた方がよかった(返還すると明言しない程度に)、と後悔しても、もう遅い。