化石燃料の広告規制

化石燃料の広告規制を」 国連事務総長が異例の呼びかけ
毎日新聞 6/6(木) 0:03配信

 国連のグテレス事務総長は5日、深刻化する気候変動への対応の一環として、化石燃料産業の広告を規制するよう全ての加盟国に求めた。報道機関やIT企業に対しても、化石燃料に関する広告を掲載しないよう呼びかけた。「世界環境デー」に合わせた米ニューヨーク市での特別演説で語った。

 グテレス氏は「化石燃料業界の多くは、ロビー活動や法的な脅し、大量の広告キャンペーンで気候変動対策を遅らせようとする一方で、恥知らずにも(環境に配慮していると見せかける)グリーンウオッシュを行ってきた」と指摘。「(化石燃料業界は)広告会社やPR会社に支援され、けしかけられて狂気をあおってきた」とも述べ、広告を巡る構造的な問題への批判を展開した。

 そのうえで、多くの国が健康に害を与えるたばこの広告を規制していることに触れ、「地球の破壊を助長する」として化石燃料の広告規制にも踏み切るよう促した。実際、フランスは既に、化石燃料に関する広告を法律で規制している。

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える目標を掲げる。しかし、国連の世界気象機関(WMO)は最新の予測で、2028年までの5年平均で1・5度を超過する可能性が47%と試算している。グテレス氏は「もし1・5度を超えたとしても、私たちは引き戻すことができる」と述べ、二酸化炭素(CO2)を吸収する森林や湿地、海を守る必要性を説いた。

 またCO2を回収・貯蔵する技術の進展に期待感を示しつつ、「これらの技術は化石燃料の段階的な廃止を遅らせる口実にはならない」と強調。「1・5度への闘いは20年代に勝敗が決する。全ては指導者たちの決断にかかっている」と述べ、主要7カ国(G7)と経済協力開発機構OECD)の加盟国は30年までに石炭火力発電を全廃すべきだとした。【ニューヨーク八田浩輔】
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd851a6e2f0c629892a5865cf4e25b92c44ba511

 


お気持ちはわかりますが、少なくとも日本レベルでは、「広告禁止」によるCO2削減効果は見込めないように思います。
実生活で、広告を見て化石燃料関連商品を購入することって、どれぐらいありますか?

支出ベースで大きいのは、電気、ガス、車のガソリン、公共交通機関などの燃料、といったあたりでしょうか。
電気には再生可能エネルギー原子力(これはこれで廃炉や使用済燃料などの社会的・環境的コストがどれぐらいか確定していない)なども入っていますが、太陽光パネルなどの作成・設置のために消費する化石燃料なども考慮する必要はあります。
で、これらの燃料やサービスは、事業主体側が広告を出さなかったとしても、やはり同じぐらいのレベルで購入してしまうだろうと思います、私の場合。減らせるのはガソリンぐらいでしょうか。

 

そして、これら以外にも、電気を使った商品は出回っています。
インターネットなどもそうでしょうが、やたら電力を使うのがビットコインなどの仮想通貨とされています。
ビットコインがらみで消費される電力のうち、化石燃料相当部分がどれぐらいの割合かは別にして、仮想通貨の広告規制も行うのなら、国連事務総長の求めは、もう少しはインパクトがあったかもしれません(反感も大きくなるかもしれませんが)。

 

気候変動への影響という点では、戦争(特に火力)というのも馬鹿になりません。
ロシアはもちろん、中東の当事者などにも、強く言ってやってください(言っても聞かないでしょうが)。
ただ、これらは広告禁止には(ほぼ)無関係です。

あと、地球温暖化フェイクニュースとか主張している米政治家も、事務総長から釘を刺しておいてください(言っても聞かないでしょうが)。

 

人々の生活や産業に関することでなら、安価で性能のよい蓄電装置(あるいは蓄電システム)が望まれます。
この手の開発が進めば、再エネ等をもっと効率よく使えると思うのですが。
化石燃料による発電に比べると、太陽光や風力は自然環境に左右されやすく、原子力は(安全性やエンドコストは別の問題としても)出力を柔軟に変えるのには向いていないので。
蓄電池だけでなく、揚水発電などもエネルギーを貯める効果がありますが、日本では新たな適地を見つけるのが困難なのが残念です。
リチウムイオン電池などを超えるものが開発されれば、と思うのですが。