MDの投げ順

日本ミックスダブルスカーリング選手権が終わりました。
ミックスダブルスについては、これまで混合複などと略していましたが、今回はMDと略してみます。
理由は、何といっても文字数が少ないから。

 

さて、MDの投げる順番(投げ順)。
1エンドのデリバリーは各チーム5投ずつですが、男女のどちらかが1・5番目を投げ、もう片方が2~4番目を投げるルールになっています。
エンドによって、その順番を変えてもかまいません。

 

投げ順など、ミックスダブルスのルールの概要については、こちら。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/02/18/215508

 

昨季の世界MD選手権などのときは、女子が1・5投というのが多かったような記憶がありますが、今回の日本MD選手権では男子1・5投も目につきました。
2次予選リーグ進出者では、概ね次のようでした。
(全局面を確認していないので、だいたいの傾向というぐらいに考えていただいた方がよいかもしれません。)

 

<女子1・5投>
SC軽井沢クラブ(上野美優・山口剛史)
松村・谷田(松村千秋・谷田康真)
札幌国際大学(三浦由唯奈・佐々木彩斗)

 

<男子1・5投>
小野寺・前田(小野寺佳歩・前田拓海)
小穴・青木(小穴桃里・青木豪)
中島・臼井(中島未琴・臼井槙吾)

 

4人制のスキップ(フォース)経験者の女子は<女子1・5投>を選択し、<男子1・5投>チームはそうでない女子選手が多い、ような印象です。
松村選手はオールラウンダーという方が近いかもしれませんし、小穴選手も何でもできそうな雰囲気はありますが。

 

あと、優勝したSC軽井沢クラブは上野選手がコール、山口選手がスイープ(自分が投げるときを含めて)という、適材適所というのがぴったりの役割分担でしたが、小野寺選手はけっこうスイープしていたような記憶があります。
山口選手も小野寺選手も「筋肉部」として有名ですが。
4人制でフロントエンドが長い中島選手も、よくスイープしていたのではないかと思います。

投げ順を含めて、そのチームごとに最適と考える選択をしているのでしょう。

 

おまけ。
2次予選リーグのSC軽井沢クラブvs小野寺・前田戦、第5エンド。
2-4と劣勢だったSC軽井沢クラブが第4エンドに3点取って逆転した直後のエンドです。

 

 

図の左側:先攻のSC軽井沢クラブ(黄)の最終投で、上野選手は9時方向の黄に絶妙の角度で当て、その右下の赤(おそらくNo.1ストーンだった)をずらすことに成功しました。

この右側の場面から、小野寺・前田の最終投で、前田選手はスピンを思いきりかけたストーンで、画面右サイドから逆転ショットを狙いましたが、思ったほどは曲がらずスルー。
右上(1~2時方向)の黄がNo.1、No.2は3時方向の赤と9時方向の黄の対決となりましたが、測定の結果、黄がNo.2で、SC軽井沢クラブの2点スチールとなりました。

 

上野選手のドローショットには定評があるところ。
たとえば、2022-23シーズンでは、こんな記事を書きました。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/09/04/210811

 

テイク系では、パワーショットは小野寺選手の方が力を感じますが、こういう微妙なタッチのショットは、上野選手は凄いなと思いました。