さいたま市職員に業務妨害

11時間断続的に役所に電話か 59歳の容疑者逮捕 さいたま
NHK 2024年2月14日 13時45分

通院のための交通費が支給されないという、さいたま市からの電話に腹を立て、11時間にわたって断続的に電話を続け、市の職員に対応させて業務を妨害したとして59歳の容疑者が逮捕されました。調べに対し、容疑を否認しているということです。

逮捕されたのはさいたま市西区の無職江連義勝容疑者(59)です。

警察によりますと、去年1月、さいたま市西区役所の福祉課とおよそ11時間にわたって断続的に電話を続け、職員3人に対応させたとして、偽計業務妨害の疑いが持たれています。

容疑者は市からの電話で、同じ日に病院と自宅を何度も往復した交通費は支給されないと言われたことに腹を立てたとみられ、いったん電話を切ってみずからかけたり、職員にかけ直させたりしていました。

電話では「地獄を味わわせる。今からそっちに行こうか。別に警察沙汰になってもいい」などと言っていたということです。

さいたま市からは同じような電話に関する相談が十数件寄せられていて、警察が関連を調べています。

調べに対し、「間違いです。黙秘します」と容疑を否認しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240214/k10014357921000.html

 


【速報】「地獄を味わわせる」区役所に夜通し11時間電話し業務妨害か 59歳の男逮捕 埼玉県
日テレNEWS NNN 2/14(水) 10:47配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4a2e60204f8c2d25b5b8b42128386adb53a58ed


↑こちらの日テレの記事の情報で補足すると、

 

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「地獄を味わわせる。手を上げるかもしれないけど。警察沙汰になってもいいぞ」などと文句を言って、午後5時ごろから翌日午前4時ごろまでのおよそ11時間にわたり断続的に電話し続け、区役所の業務を妨害した疑いがもたれています。

江連容疑者が申請した医療移送費の申請内容に不備があったため、職員が費用を支給できない旨を伝えたところ、江連容疑者はこの日から区役所などに対し執拗に難癖をつけ始めたとみられています。

江連容疑者が、事件以降も、ほかにも十数回電話をかけてくることを受け、去年9月、区役所が警察に相談し、発覚したもので、警察は江連容疑者が繰り返し同様の犯行に及んでいたとみて詳しく調べています。
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とのこと。

 

で、どちらの報道も、「交通費」とか「医療移送費」などとしながらも、生活保護(医療扶助)の通院移送費ということについては、少なくとも明確には触れていません。
生活保護受給者に対する差別意識を助長してはいけない、という意図があるのかもしれませんが、わかる人にはわかるし、この事件の重要なポイントだと思われるので、こういう取扱いは疑問です。

もちろん、この容疑者のような受給者はごく一部、というか例外的でしょうが、保護を受けていようがいまいが犯罪は犯罪、でよいと思います。

 

ちなみに、医療扶助の移送費については「最小限度の実費の額」とされていますから、「同じ日に病院と自宅を何度も往復した交通費」は支給されないというのは当然です。
もし、たとえば検査の(病院側の)都合などで午前と午後に病院まで行く必要がある、といった特別の事情があったのなら、病院側が意見書か何か出しそうなものですし、そうではないがどうしても不支給に納得できないというのなら、事務的に申請書を書いて、不支給決定書をもらって、そこに不支給の理由が書いてあるはずですからそれを見て不服申立て(審査請求等)の手続きをするなり、各種団体に相談するなりすればよいだけ。
まあ、どこに相談しても「これは無理ですね」といわれそうですが。

 

蛇足ですが、その担当福祉課にも苦言を。
「午後5時ごろから翌日午前4時ごろまで」の電話対応は、十分に非常識です。
たとえば真面目過ぎる若いケースワーカーなどが困っていたとしたら、他の職員(SVともいわれる査察指導員や、単なる先輩・同僚でも)が切らせるか、代わって切るかするものでしょ?
「上司と相談して明日電話します、では切ります(ガチャン)」でもいいじゃないですか?
この容疑者、おそらくは以前から長電話か長苦情かだったのでは?

 

まあ、今回の事件が報道されたから、他の自治体も含めて、偽計業務妨害などについて警察に通報しやすくなっただろうとは思います。
公務員は全体の奉仕者であって、一部の特異な個人の奉仕者ではありませんから。