ヤミ金収入と生活保護

ヤミ金収入33万円を隠して生活保護費受給 45歳の男を逮捕

(産経WEST 2015.7.29 07:52更新)

 生活保護費を不正受給したとして、兵庫県警生活経済課と東灘署などは28日、詐欺容疑で、韓国籍で神戸市東灘区魚崎北町の無職、康貴人容疑者(45)を逮捕した。同課によると、康容疑者は容疑を認めているという。

 逮捕容疑は平成26年4~5月、無登録で営む貸金業の収入があるにもかかわらず、市に無収入を装った申告書を提出するなどし、自身と両親の計3人分の生活保護費計約46万円のうち、貸金業で得た利益分計約33万円をだまし取ったとしている。

 県警によると、康容疑者は24年6月に受給を始め、27年3月までに計約815万円を得たといい、詳しく調べている。
http://www.sankei.com/west/news/150729/wst1507290017-n1.html


いろいろツッコミどころはありますが、当ブログ的には「韓国籍」とかいうのは、あまり着目するところではありません。

まず、貸金業法

第三条 貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2~3 略

第十一条 第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
2~3 略

第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一 不正の手段によつて第三条第一項の登録を受けた者
 二 第十一条第一項の規定に違反した者
 三 略

上限が懲役10年、罰金3千万円(こちらは納付困難でしょうが)というのは、刑罰の中でも軽い方ではないと思います。
(今回のような犯罪に対して重すぎるというつもりは全くありません。)
ちなみに、生活保護費の不正受給についての生活保護法第85条の規定では、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
どのような判決が出るかわかりませんが、しっかり償っていただきたい。
なお、収監されている間は(必要ないので)生活保護費は支給されません。


さて、私が一番気になったのは、
無登録で営む貸金業の収入があるにもかかわらず、市に無収入を装った申告書を提出するなどし、自身と両親の計3人分の生活保護費計約46万円のうち、貸金業で得た利益分計約33万円をだまし取った
という部分です。

貸金業を営むには、貸すための金が必要なはずです。
その金は、どうやって手に入れたか。

「24年6月に受給を始め」とのことだから、そのときに金を隠し持っていたのなら、その時点で不正受給。
平成26年4月のヤミ金開始までに(第三者からの援助等で)入手したのに申告しなかったのなら、やはり不正受給。
贈与ではなく借り入れで入手したのだとしても、借金も収入とみなされるので、やはり不正受給。

だから、利益が33万円だったとしても、不正受給として認定とすべき金額は、もっと高額になる可能性があると思います。

それにしても、わかりにくい、謎の多い報道・・・