【利用料の還付について】
問1 住家の全半壊等により、利用料の免除に該当する被災者が、介護サービス事業所において利用料免除の申立てをせず利用料を支払った場合、利用料は返還されるのか。
(答)
猶予・免除の要件に該当している者が利用料の支払いを行った場合、被保険者が市町村に申請を行うことにより、支払った額の還付を受けることができる。
問2 利用料の還付手続きにはどのような書類が必要になるか。
(答)
利用料の免除の要件に該当する者がすでに介護サービス事業所に支払ってしまった利用料の還付手続きに当たっては、被保険者がお住まいの市町村に還付申請書(様式1を参考)を提出する必要がある。還付申請書を提出する際には、以下の書類を併せて提出する必要がある。
・住家が全半壊、全半焼、床上浸水又はこれに準ずる被災をした方の場合
罹災証明書(長期避難世帯については必要としない)
・主たる生計維持者が死亡した場合
死亡診断書、警察の発行する死体検案書
・主たる生計維持者が重篤な傷病(※)を負った方の場合
医師の診断書 ※1ヶ月以上の治療を有すると認められるものをいう。
・主たる生計維持者の行方が不明である方の場合
警察に提出した行方不明の届出の写しなど
・主たる生計維持者が業務を廃止・休止した方の場合
公的に交付される書類であって、事実の確認が可能なもの(税務署に提出する廃業届、異動届の控え等)
・主たる生計維持者が失職し、現在収入がない方の場合
雇用保険の受給資格証、事業主等による証明
具体的な運用の詳細については、各保険者において適宜判断していただくこととなる。
※上記取扱いについては、利用料免除証明書の交付が完了していない期間(利用料免除証明書の発行の受付を開始していない期間を含む。)における取扱いとする。免除証明書の交付が行われた場合には、上記の書類に代えて、
[1] 利用料免除証明書(市町村からの免除証明書の交付を申請していないときには、免除申請書とその添付書類)
[2] 介護サービス事業所等が発行した領収証等、支払った利用料の額が確認できる書類
の両方を提出する必要がある。
問3 還付額は、領収証に記載されている金額を還付するのか、それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか。
(答)
領収証により利用料の金額を確認して還付していただくことになる。
問4 領収証の紛失、または介護サービス事業所が被災した場合等により、対象の被保険者が負担した利用料の金額の確認が取れない場合はどうなるのか。
(答)
領収証を紛失した場合であっても、可能な限り、領収証の再発行等により支払った利用料の金額が確認できる書類を求める必要があるが、介護サービス事業所が廃業している等の理由により、支払った利用料の金額の確認が困難である場合は、介護サービス事業所等に電話することやレセプト情報等により市町村において利用料の金額を確認して還付していただくことになる。
問5 免除の対象となる利用料はいつ時点からか。
(答)
令和6年能登半島地震による災害に係る災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された日以降の利用料が対象となる。
また、特別調整交付金の財政支援についても、災害救助法の適用された以降の利用料について実施することとしている。
問6 高額介護サービス費の自己負担限度額以上の負担をした者から還付申請が行われた場合、利用料の免除と高額介護サービス費の支給のどちらが優先されるのか。また、審査支払機関から請求され既に高額介護サービス費として支出している場合は振替が必要なのか。
(答)
利用料の免除が優先される。また、既に高額介護サービス費が支給されている場合は、利用料の免除として振り替えれば、財政支援の対象とする。
【利用料免除に係る免除基準について】
問7 住家の全半壊のみならず、一部損壊の場合でも猶予・免除してよいか。
(答)
災害救助法が適用された市町村の被保険者であって、「住家の全半壊、全半焼、床上浸水又はこれに準ずる被災をした旨」の申し立てをした者については、免除・猶与の対象とすることとしており、「これに準ずる場合」については、対象となる住家の被災状況に鑑み、市町村において、個別に判断いただくことになる。
問8 長期避難世帯は利用料免除の対象となるのか
(答)
被災者生活再建支援法に基づく長期避難世帯に認定された場合、免除要件である「住家の全半壊、全半焼、床上浸水又はこれに準ずる被災をされた方」の「これに準ずる被災をされた方」に該当するため、利用料免除の対象として差し支えない。
また、長期避難世帯と認定されていない場合においても、長期にわたり自らの住居に居住できない事実その他の事情を勘案したうえで、保険者において免除が必要と判断する場合は、利用料免除の対象として差し支えない。
問9 要件の[1]で、「住家」となっているが、特養の施設入所者の住家は対象になるか。
(答)
免除の対象とするか否かは、生活の本拠としていた住宅について、全半壊やそれに準ずる被害を受けた場合と同程度の被災状況であるかについて、被保険者の経済的損失と生活環境の劇的な変化の観点から、各市町村において判断されたい。
問10 災害救助法適用地域の施設入所者が、入所する施設が被災したことにより、別の施設に入所することになった場合にも対象となるか。
(答)
免除の対象とするか否かは、生活の本拠としていた住宅について、全半壊やそれに準ずる被害を受けた場合と同程度の被災状況であるかについて、被保険者の経済的損失と生活環境の劇的な変化の観点から、最終的には各保険者において判断いただくこととなるが、被災した介護保険施設等の入所者が、一時的に別の介護保険施設等に避難している場合についても、対象となり得る。
問11 「主たる生計維持者が失職し、現在収入がない旨」の申し立てをした者については、猶予・免除の対象とすることとしているが、「収入」には何が含まれるのか。失業給付は含まれるのか。
(答)
「現在収入がないもの」とは、失職前の給与収入が失われ、従前所得を保障するための失業給付や傷病手当金等も受給していないことを意味する。したがって、義援金や、子ども手当、児童扶養手当、家賃収入、年金収入等は「収入」には含まれないが、失業給付は含まれる。
なお、収入金額や扶養家族の人数等を勘案し、十分な収入がないと保険者が判断する場合は、当該基準に準ずるものとして柔軟に対応しても差し支えない。
また、失業給付の受給期間が終了した場合は、収入がなくなったと認められるので、免除の対象となる。
問12 被災による直接の被害はないが、被災した取引先が倒産したことにより、結果的に業務を廃止せざるを得なくなった被保険者は、免除の対象となるか。
(答)
今回の被災と廃業等との間に個別具体的な因果関係があると判断できる場合は、免除として差し支えない。
問13 主たる生計維持者が兼業農家であり、被災によって農業収入は無くなったが、雇用は継続しているため給与収入がある場合は免除の対象となるのか。また、失職して給与収入は無くなったが、事業は継続しており事業収入がある場合も同様か。
(答)
いずれの場合も免除の対象となる。
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(様式1)介護保険利用料還付申請書(略)