侵略開始前後の読売記事1

鈴木宗男氏の2023年12月10日のブログへのコメント

 

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「一般市民に犠牲を出さない事が重要だ」

これ、誰の発言だと思いますか?

なんと、独裁者プーチンの発言ですよ。
イスラエルハマスの戦闘についての発言ですよ。どんな頭づくりしているんでしょうかね。

ウクライナ全土にミサイル攻撃し、ブチャ住民を虐殺し、ウクライナの子供達を連れ去り、国際指名手配されている、あの独裁者プーチンの発言ですよ。
どう思いますか?
是非、意見を聞かせて下さい。
ウクライナ2023-12-11 06:11:26
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これに対する2023年12月11日の鈴木氏のブログ

 

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 ウクライナさん、一昨年10月23日、自爆ドローンを飛ばし、昨年2月19日OSCE(欧州安全保障機構会議)でブタペスト覚書の再協議等、挑発したのはゼレンスキーではないですか。昨年4月15日ウクライナが提案した和平案にロシアはサインしようとしましたら、取り下げたのはウクライナですよ。歴史の事実を踏まえることが大事です。
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12月10日コメントの「ウクライナ」氏がどんな人かわかりませんが、仮に鈴木氏の12月11日の書き込み内容が正しかったとしても(まあ、正しくはないのですが)、
ウクライナ側が挑発したのなら「ウクライナ全土にミサイル攻撃し、ブチャ住民を虐殺し、ウクライナの子供達を連れ去り」という国際法違反の蛮行が行われても仕方がない、と鈴木氏は主張しているということになります。


ふ~ん。

 

さて、ロシアのウクライナ侵攻開始に際し、読売新聞の当時の記事を確認してみました。
ネット上にもあるものは、なるべくそれから拾ったので、日付は実販売日の前日であるものが多いです。
また、リンクが貼り付けてないものは、ネット上に見つからず、紙ベースの記事(切り抜き)を確認したものです。
なお、※印は私のコメントです。

 

2022/02/17
 ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部の親露派武装集団の支配地域に関し、「今、起きているのは(ウクライナ軍による)ジェノサイド(集団殺害)だ」と発言した。米欧は、ウクライナ侵攻の口実にするのではないかと警戒している。
 発言は、15日にショルツ独首相と会談した後の共同記者会見で飛び出した。ショルツ氏は会見場では反応しなかったが、その後、「集団殺害という表現は間違いだ」と不快感を示した。
 米国務省のネッド・プライス報道官も16日の記者会見で、「真実に基づく根拠が何もない。ロシアは侵略前、常に口実をでっち上げてきた」と語った。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220217-OYT1T50261/

 

※それまで、独露関係はそれほど悪くなく、だからショルツ氏もプーチン氏と会談したのでしょうが、少なくともこの頃から西欧の比較的穏健な政治家がロシアに対して警戒を強めていくことになったと思います。

 

2022/02/18
 ウクライナ東部で続く同国政府と親ロシア派武装集団との紛争を巡り、ウクライナ軍と親露派は18日、ともに停戦合意の違反となる砲撃を受けたとして、互いを批判した。露軍が侵攻の口実とする懸念が高まっている。
 ウクライナ軍は18日、東部ルガンスク、ドネツク両州で、24時間の間に60件の砲撃を受けたと発表した。うち43件は、東部紛争の解決に向けた「ミンスク合意」が禁止する迫撃砲対戦車ミサイルなどからの発砲だった。幼稚園や学校、民間人の住居、送電線、ガスパイプラインなども被害を受け、民間人少なくとも5人が負傷したという。
 露インターファクス通信などによると、親露派も18日、ウクライナ軍によるミンスク合意の違反が、ドネツク州で78件、ルガンスク州で29件あり、民間人の住宅19軒や変電所などが被害を受けたと主張した。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220218-OYT1T50276/

 

2022/02/19
 タス通信などによると、ウクライナ東部で政府軍と紛争を続ける親ロシア派武装集団の支配地域で18日夜から19日未明、複数の爆発が発生した。親露派は政府軍側の犯行だと主張している。(略)
 18日には、親露派幹部がビデオ声明を出し、「政府軍による攻撃開始が近く予想される」との理由で、支配地域の住民を隣接するロシア南部に避難させると発表した。声明は16日に撮影されていたとの情報もある。(略)
 一方、ウクライナ外務省は18日の声明で、政府は親露派地域での「破壊活動を行っておらず、計画もしていない」と関与を否定した。「政府が東部で攻撃的な作戦を開始するとの主張は、現実とはかけ離れている」とも強調した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220219-OYT1T50304/

 

※以前から「ミンスク合意についてはウクライナ政府側だけでなく親露派側も違反していたのではないか」と私は書いてきましたが、この18日、19日の記事を読むと、よけいにそう思います。
ロシアのやり口(対ウクライナだけでなく)を勘案すると、相手側の違反を引き出すために、親露派側に挑発させた(親露派側の違反を奨励したか、少なくとも止めはしなかった)可能性が高いと考えられます。また、19日の記事の後段は、いわゆる偽旗作戦的なニオイが濃厚です。

 

(つづく)