2月22日読売記事

ちょっと興味深い記事を見つけました。

読売新聞2月22日[ウクライナ難民のいま]ポーランドから<下>

この記事は会員向けで、一般公開されていないのですが、ポーランドウクライナ難民を支援している教会の牧師、オレ・シドルチュクさん(57)の話が出ていました。

自身も難民で、ウクライナ東部ドネツク州の村を出て9年になるそうです。
以下、同紙の記事より。

 

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ロシアによるクリミア併合(2014年)を機に起きた紛争が原因だ。村はロシアの実行支配下に置かれ、親露派武装集団の手で地下シェルターに5日間監禁された。あばら骨を5本折る激しい暴行を受けた。
 「私はいつ死んでもおかしくなかった。同じ境遇の難民を助けることが、異国で生き延びた私の務め」。紛争で後から逃れてくる同胞の支援を細々と始めた。
(引用ここまで)**********

 

さて、日本維新の会参議院議員である鈴木宗男氏。

 

24日でウクライナ侵攻1年 鈴木宗男氏「ロシアを非難しても収まらない」 北朝鮮への政府対応にも苦言
スポニチ 2023年2月20日 16:22

 ロシア通で知られる日本維新の会鈴木宗男参院議員(75)が19日に更新した自身のブログで、ロシアによるウクライナ侵攻への見解をつづった。
 24日で侵攻が始まってから1年となる。ドイツ・ミュンヘンでのG7外相会合でロシアの核使用への懸念が話し合われたことについて、「なぜ停戦させようという声が出ないのか不思議でならない。ウクライナ紛争でロシアの非難はするが、何故こうした事態になったのかの話も出てこない。過去のミンスク合意、ブタペスト覚書を否定し、守らなかったのはどちらなのか」とした。

 その上で「歴史的、地政学的、民族的、さまざまなことが絡んでいる。ロシアを非難しても収まらない。話し合い、停戦に向け、G7は考えるべきではないか」と要望する。また、ミサイル発射の北朝鮮に対する政府の対応にも苦言。「その度に『断じて容認できない』と政府は決まり文句のように述べている。北朝鮮は国連加盟国である。これも非難、批判するだけでなく、国際社会に引き出す努力をし、話し合いの場をつくることが重要ではないか」とつづった。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2023/02/20/kiji/20230220s00042000408000c.html


>過去のミンスク合意、ブタペスト覚書を否定し、守らなかったのはどちらなのか

はい、ブタペスト覚書を否定し、守らなかったのは、明らかにロシアです。
過去にも書いています。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/09/12/212058

 

核兵器を手放す国(ベラルーシカザフスタンウクライナ)の独立と主権と既存の国境を尊重する。
・これらの国に対する脅威や武力行使を控える。
・これらの国に政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える
・これらの国が侵略の犠牲者、核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう場合、支援を差し伸べるため即座に国連安保理の行動を依頼する。
・これらの国に対する核兵器の使用を控える
・これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う。

 

このブダペスト覚書の合意を、2014年のクリミア侵攻等で、見事に?ロシアが破っていますね。
安保理にかけた西側諸国の対応は、まさにこの覚書の精神に則った行為です。
北朝鮮」でさえ「国連加盟国」なのに、常任理事国のロシアならよけいに「話し合いの場をつくることが重要」なのは当然ですが、ロシアは理屈にならない理屈を振り回し、拒否権を行使しています。

 

ミンスク合意(ミンスク議定書、ミンスク2)は、ドンバス地域における戦闘の停止について合意した文書ですが、双方に合意違反があったと推測されました。
ただ、読売記事のオレ・シドルチュクさんに対する監禁暴行傷害が、ミンスク合意の前か後か、どの時期に起きたかは記事ではわかりませんでしたが、親露派武装集団というものが、いかに非人道的な存在か、如実にわかるエピソードです。
親露派やロシア政府(及び、鈴木宗男氏も、か)が主張している、ウクライナ側のミンスク合意違反というのも、親露派やロシア政府の挑発やでっち上げの部分が多くありそうに思います。
2022年2月以降のウクライナ侵攻後のロシア側のでっち上げの数々を見ていれば、よけいに。

 

それぐらいは、鈴木氏が本当の「ロシア通」なら、すぐにわかりそうなものですが。