世界ジュニアカーリング選手権で、金メダルが手の届くところまで来ていた決勝を、見直しています。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
日本 0 0 2 2 0 2 0 1 0 0 7
スコットランド 0 3 0 0 1 0 0 0 3 2 9
まず、日本が3点リードで迎えた第9エンド。
先攻の日本(赤)の最終投は、黄のストーン(たぶんNo.2)を押し下げ、No.1とNo.2を確保しました(上図右側)。
スコットランドの最終投は、12時方向の赤のガードを使ったランバック。
ガードの赤をハウス内12時方向の黄に当て、その黄が赤のNo.1とNo.2を弾き出し、自らはハウス中央でNo.1に。
一挙に3点を獲得し、同点になりました(上図左側)。
世界レベルでも、ジュニアではほぼ起こりえないようなスーパーショットではないでしょうか。
彼女たちの先輩、イブ・ミュアヘッド選手のジュニア時代でも実現できるかどうか、運の要素もかなりあったとは思いますが(たとえば7時方向の黄が出たり、バックガードになって赤が残るという可能性も)、狙った人だけが幸運をつかむことができるのも確か。
そして、第10エンド。
先攻のスコットランドは、最終投のドローショットでNo.1を作ってきました(下図右側)。
(それまで、黄のセンターガードを置いて、払って、という繰り返しがありました。)
日本は最終投で、これまで使ってこなかった向かって左側のコースを使いましたが、ドローはハウスに届かないショート(下図左側)。スコットランドの優勝が決まりました。
ネット上のあちこちでは、第三者たちが勝手に反省会というか将棋の感想戦みたいなのを繰り広げているようです。
黄のどちらかに当ててヒット&ロールみたいな狙いとか、狭くてもこれまで使っていて状態を把握できている右側からのドローとか。
素人の私が、それについて何が正しいとかいえる立場ではありませんが、ちょっとおもしろいな、と思ったのは、スキップの1投目(実際にはガードを潰しにいっている)から左からのドローを投げておく、という意見です。
それでうまくいかなくても、最終投で精度の高いショットを投げることができるのでは、という考え方です。
なるほどね。
まあ、それだとセンターガードが残っているし、相手の最終投の選択も変わってくるし、それで必ず勝てるというものではないでしょうが。
決勝の第9~第10エンドを通じて、逆転勝ちしたスコットランドをほめるしかないな、というのが私の正直な感想です。
ちなみに、一番くやしかったのは、日本ではなく、予選リーグ全勝ながら3位決定戦でもノルウェーに敗れたスイスでしょう。
(北京五輪のスイスが、予選1位通過で4位に終わったのと似てますね。)
でも、そういうことを含めてカーリングなのでしょう。