昨年8月、「フォルティウスとリラーズの明暗」という記事を書きましたが
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/08/23/211913
結局、新型コロナ感染のため、フォルティウスは日本選手権出場がかかる北海道大会に出場できなくなり、北海道銀行(リラーズ)は日本選手権に出場したものの5位で、プレーオフ進出を逃しました。
ということで、この時期に両チームについて触れることは縁起がよくないかもしれませんが・・・(笑)
今季の初戦・どうぎんカーリングクラシックでは、フォルティウスが優勝、北海道銀行が準優勝というスタートを切りましたが、大差(7-2)になった決勝戦よりも、予選リーグ(ラウンドロビン)での対戦の方がおもしろかったので、その第6エンドの勝負どころを見ていきます。
第5エンドに北海道銀行が3点取って追いつき、4-4の同点になりました。次はフォルティウスが有利な後攻とはいえ、ムードは北海道銀行の方がよくなっています。
第6エンド、後攻のフォルティウスのフォース・小谷優奈選手の第1投がガードにチップしてしまい、その直後の北海道銀行の最終投で、田畑百葉選手はガードを置き直しました。
ハウス中央付近に北海道銀行(赤)のNo.1ストーンが鎮座し、スチールのチャンスとなっています。
フォルティウスは、フォース(スキップ)の小谷選手と、バイススキップの小林未奈選手が意見を交わし、そこに近江谷杏菜選手が、少し後に小野寺佳歩選手が加わりました(下の画像)。
配信解説の鈴木夕湖選手の声が大きいこともあり(夕湖さんが悪いのではありません。同じような状況でもマイクに入ってしまうロコ・ソラーレの選手の声が特別に通るというべきだろうと思います)、フォルティウスの会話内容はよくわかりません。
が、当初は小谷・小林の両選手は隙間を通し、ハウス中央を目指す(できれば赤のNo.1ストーンを少し押して自石をNo.1にする)ことを主に話しているように思えました。
ここからは推測ですが、近江谷選手が控え目に11時方向の黄を指したようにも見え、小野寺選手も同じ石からハウス中央へのコースを指し示したようにも見えました。いずれも確信はありませんが。
結局、小谷・小林両選手も、その11時方向の黄を使う方向で一致したようです。
その黄の向かって左側(センターライン側)にシューター(投げた石)を当てて、シューターを中央に飛ばす方法もあったと思いますが、小林選手は向かって右側(センターラインの反対側)をはっきり示し、その11時方向の黄自体を中央に飛ばすことを明確にしました。
実際、画像左上の画面にあるように、オレンジ色のコースに石が投げられ、11時方向の黄がNo.1になり、中央付近の赤がハウス外に出ました。
12時方向の黄がNo.2で、フォルティウスが2点獲得です。
流れはフォルティウスの側に戻り、結局、フォルティウスが2点差で勝ち切りました。
小林選手は昨季からリード兼バイススキップとして出場するようになりましたが、今季の方が(言い換えれば吉村紗也香選手がスキップをしていたときよりも今の方が)、自分の意見を出しているように思えます(スキップの交代だけでなく、彼女自身の経験値のアップというのもあるかもしれません)。
また、近江谷・小野寺両選手も、どの程度のことをしゃべっていたか詳細はわかりませんが、やはり昨季よりもこういう場合の作戦についてかかわりが多くなってきた感じはあります(あくまで私個人の印象ではありますが)。