北京五輪デンマーク戦1

早い梅雨明けで猛暑とか、台風が温帯低気圧になっても豪雨をもたらすとか、不快な季節ですが、目を背けて冬のスポーツの話を続けます。


前記事の参考に、と、北京五輪の女子カーリング準決勝スイス戦について調べていて、次の記事に当たりました。

 

カーリング女子「究極のベストシーン」は?メンバー&最大のライバル&データ分析プロに聞いた
S-PARK 2022年3月2日 水曜 午前6:20
https://www.fnn.jp/articles/-/318505

カーリング女子日本代表は20日行われた北京五輪の決勝でイギリスに敗れたが、平昌大会の銅メダルを上回り日本のカーリング史上過去最高成績となる銀メダルを獲得した。カーリング界の歴史を塗り替えた女子日本代表、その選手たち自身や“最大のライバル”、さらに“データ分析のスペシャリスト”に今大会を通して生まれた究極のベストシーンを選んでもらった。

まず取材したのは北海道銀行フォルティウスのメンバーで北京五輪日本代表の座を最後の最後まで争った最大のライバル吉村紗也香選手(30)。
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北海道銀行フォルティウス」とありますが、北海道銀行のスポンサー契約は昨年11月までで終了しているので、単に「フォルティウス」が正しいです。今は「北海道銀行」を称するチームは、「新道銀」とも呼ばれる、愛称「リラーズ」ということになります。もちろん、ロコ・ソラーレについて吉村選手に取材すること自体は間違っていないと思いますが。

 

「準決勝のスイス戦ですね。スイスに予選で負けて、次の日に同じ相手と対戦ということで、気持ちを切り替えた」
「日本代表決定戦で戦って私たちが2勝してから負けたら次がないという中で、ロコソラーレって笑顔が多いチームだと思うんですけど、流れをチームに持ってくる力があると思うので、この大会でもそういった場面が出ていたと思うので、土壇場での勝負強さというのはスゴいなと思っていました」


というのが、吉村選手の言葉として紹介されています。

 

また、北海道大学の山本雅人教授も準決勝スイス戦を選んだそうです。
山本氏は、こちらの記事で紹介したカーリング戦略AI「じりつくん」の開発者です。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/06/20/223304

 

山本氏によると、「じりつくん」は第8エンド修了時の日本の勝率を82.3%と算出していました。
ところが、9エンドではスイスのショットが冴え、藤澤選手の1投目直前では54%まで低下しました。
それが、藤澤選手が連続でダブルテイクアウトを成功させ、68%(1投目の後)→91%超(9エンド終了時)と上昇したとのこと。

 

では、ロコ・ソラーレのメンバー自身はどのシーンを選んだかというと・・・

 

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リードの吉田夕梨花(28)、セカンド鈴木夕湖(30)、サード吉田知那美(30)、スキップの藤澤五月(30)、石崎琴美(43)のメンバー5人が相談のうえ藤澤はこう挙げた。

「第3戦のデンマーク戦。最終エンドでの私の最終ショット、ダブルテイクアウトです」

(略)日本は2点を追いかける最終第10ラウンド。藤澤のラストショットは、相手のストーンを2個弾き出すダブルテイクアウトに。一気に3点を奪い、劇的勝利を収めた。

このシーンを挙げた理由について、サード吉田知那美はこう話す。

「オリンピックは1勝をあげるのがすごく難しいと覚悟して臨んだ。あの試合も普通であれば負けていたが、オリンピックというのもあって最後まで絶対に諦めたくなかった。最後の最後まで劣勢でも集中力を切らさずに形を作り続けて、最後にあのショットが回ってきてしっかり決め切れたというのは4年間の成長を感じられた。あのショットは一番印象深い」

セカンド鈴木夕湖は、喜びを隠し切れない。

「(最後のショットが決まって)私はすごいはしゃいでいた。『さっちゃんナイス』って」

藤澤五月は、こう振り返る。

相手がショットを投げ終わった時に、私は最後決めれば3点取れるというショットとは違うショットのことを考えていた。そのときに知那が『あ、これで3点取れるよ』ととっさに言ってくれて、『あ、確かに』と思った。前の試合の中盤で同じショットを投げていたので、イメージはすごくあって、私が投げたらあとは知那がうまくコールとスイープをしてくれて、決めるだけだったので、あそこは自信を持って投げられた」

リードの吉田夕梨花は、こう続ける。

「さっちゃん(藤澤)のオーラ的にもチームの雰囲気的にも、皆それぞれの仕事を行えば、これは決まるという感じだった。さっちゃんなら今日は大丈夫だと思っていたら、本当にその通りにいったので、あれはナイスゲームだった」

リザーブ石崎琴美(43)の目にはこう映ったという。

「今大会でもキーになるような試合だったと思う。最後の最後まで劣勢に立たされた中、よく粘って最後とったなという思いがある試合だった」
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たしかに、予選リーグとはいえ、ゲーム自体は劇的でした。
実は、このデンマーク戦直後に、藤澤選手の最終投の画像にちょっと落書きして、仲間うちのラインに載せたものがあるので、それをちょっと修正して<と書いていましたが、2022/08/10作り直した画像に修正>、次の記事で振り返りたいと思います。