もともとは、カーリングの日本選手権やオリンピックなどの成績を簡単に記録し、それに選手のチーム間移動などもつけ加えられれば、と思っていたが、書くべき情報がどんどん増え、長くなってしまった。
文字数を減らすために「オリンピック」を「五輪」に変え、パシフィックアジア選手権その他の大会を割愛し、シムソンズなどチーム名の由来、若い選手の親族と思われる選手名が過去の日本選手権などで見られる件、某五輪中継で「寿司食いてえ」などの音声が流れた件など、重要な話もそうでない話もできる限り省略した。
小笠原さんや本橋さんの著作物も紹介しなかったし、それを事前に読むことも(先入観を避けるために)自粛した。
それでも、オリンピアンとなった北海道出身の、特に北見市常呂町関係の人物が主になってしまい、長野県や山梨県などの人々についてあまり触れることはできなかった。他意はありません。触れた人も、触れていない人も含めて、嫌いな人はいない。
いや、そうですね。知那美さんがソチの選手村にいる間に戦力外通告をしたという某コーチのやり方だけは肯定も弁護もできない(「やり方」への批判であって、個人に対する批判ではない)。もちろん、私個人の意見など、どうでもよい話だが。
もう少し個人的意見を追加するとすれば、オリンピック代表チームについて。単独チームではなく、長野五輪のような日本選抜チームにすべきではないか、という意見がときどき出てくる。たとえば、ビジネス界などから。
「カーリング日本代表の選抜方法を変えるべきではないか」(2022.3.21ダイヤモンドオンライン)
https://diamond.jp/articles/-/299490
北京五輪で英国が選抜チームで金メダルを取った(正確には完全な選抜制ではなさそうだが)、ということが影響を与えているようだが、私は、少なくとも現在の日本女子カーリングにおいて選抜制に変えるべきではないと考えている。
そもそも、平昌、北京と2大会連続で五輪メダルを取った国は、スウェーデン(金・銅)と日本だけだ。英国(4位、金)も含めて、もっとも成功しているグループといってよい。両五輪とも予選リーグ(ラウンドロビン)で5勝4敗、運が味方して辛うじて準決勝に進出したのではないか、という声もありそうだが、英国も同星だった。自力で5勝しておかないと「運が味方するかどうか」というステージにも立てない。平昌五輪では競争相手は4勝以下だったし、北京五輪についてはカナダ戦に勝っておいたのが大きかった。
英国の選抜制について情報を集めることは必要と思うが、選抜チームの長野五輪で2勝(5敗)だったところから、4勝、5勝と少しずつ、ときに後戻りしながらも前進してきた意味を、カーリング界の外の人間には考えていただきたい。
また、選手の選抜方法も技術的に難しい。
小笠原さんが北京五輪の準決勝・スイス戦の後、読売新聞に寄稿している(2022年2月20日付け朝刊)。
「第5エンドで4点を奪ったショットは素晴らしかったが、感心したのはその前のプレーの選択だ。藤沢は1投目で、セオリー通りにハウス中心付近の相手の石を気にしていたが、吉田知が別の選択肢を提示した。結局、相手に重圧がかかるショットをさせてミスを誘い、大量点につなげた。」
さすが小笠原さんという視点(私のような素人がいうのもなんだが)。ショット成功率には出てこない、こういう知那美さんのような貢献を正確に評価できる業界外の人間が、どれぐらいいるのだろうか。サードとしては知らないが、バイススキップとしての彼女は日本トップ、世界でも有数の存在ではないかと思う(本当に、私のような素人がいうのもなんだが)。さらに、(以前の)中部電力のように、フォース以外がスキップを務めるチームもある。個々の選手ではなく、チームで比較するしかないのでは?
最後に、放送メディアやその分野に関する日本カーリング協会の方々に対して。
カーリングはテレビや動画配信などと相性の良いスポーツだと思う。試合時間が長いのは長所でも短所でもあるだろうが、天井方向からの映像はわかりやすいし、一瞬で勝負がついたことがわかる(他の冬季競技のようにタイムの比較や審判の採点などを要しない)。選手の表情も、チーム内で話し合っていることもわかりやすい。
視聴者から見てほとんど唯一の欠点が、民放におけるCMでリードの1投目や、ときに2投目が放送されないことだろう。これを改善するために、たとえばCMをごく短時間で切り上げ、その代わりに画面の四隅にでもスポンサー名や商品名を表示するというような方法を検討いただけないだろうか。ストーンを投じるときに選手が大写しになるときも、スイープのときも、ハウス内でのストーンの激突のときも、画面の四隅の広告表示なら、それほど邪魔にはならないと思われるので。