「維新の躍進」について1

前記事で紹介したニューズウィーク日本版の「<衆院選>それでも日本人は新自由主義を選んだ」より。

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大阪府は人口当たりのコロナ死亡率が全ての都道府県の中で最も高い。全国に先駆けて第三波が大阪で到来したのは、コロナ禍にも拘わらず強行した都構想住民投票のせいともいわれているし、第四波、第五波では、いわゆる「自宅療養」によって、多くの感染者が放置され亡くなった。それにも拘わらず、吉村知事のコロナ対策への評価は6割以上もある。
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「吉村知事のコロナ対策への評価は6割以上」
については、私はそのデータがどこから来たものか、正確かどうかは知りません。

「全国に先駆けて第三波が大阪で到来したのは、コロナ禍にも拘わらず強行した都構想住民投票のせい」
については、そういう可能性はあるとは思いますが、それについて検証した資料も知りません。

ですが、大阪府は人口当たりのコロナ死亡率が全ての都道府県の中で最も高い」というのは事実です。

 

新型コロナウイルス感染症の陽性者数と死亡者数の、10月30日時点の累計数を、2020年10月の国勢調査に基づく人口で割ってみました。
10月30日というのは、今回の衆院選の投票日前日ということになります。
なお、各国比較での数値には人口100万人あたりの死亡者数を用いて記事を書いていますが、人口100万人未満の県もあるので、人口10万人あたりの数値で比較しています。

 

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陽性者・死亡者の実数は東京都が1位ですが、人口あたりの死亡者数は大阪府がダントツですね。
陽性者数は感染自体の広がりを表しているのでしょうが、死亡者数は医療ひっ迫度(というより「医療崩壊」度というべきかもしれません)の影響が大きいように思います。

もちろん、ワクチン接種が進むまでは高齢者の死亡率が高かったので、高齢者施設などでクラスターが起きたところは高くなる傾向があるでしょう。4位の兵庫県はその要素が強いのではないでしょうか。もっとも、兵庫県の、特に阪神間や神戸市など大阪府に近い地域は大阪府側からの感染の広がりが大きかったと思われるので、気の毒な面はあります。

グラフ化するとこんな感じ。オレンジ色の棒グラフが人口10万人あたりの死亡者数で、上端の目盛に対応しています。青色の折れ線グラフは、同じく人口10万人あたりの感染者数で、下端の目盛に対応しています。

 

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(つづく)