文化勲章、文化功労者

文化勲章長嶋茂雄氏ら9人、野球界から初選出…文化功労者には富野由悠季氏ら21人
読売新聞オンライン 10/26(火) 11:32配信

 政府は26日、2021年度の文化勲章受章者としてプロ野球読売巨人軍終身名誉監督長嶋茂雄氏(85)ら9人を発表した。野球界からの選出は初めて。政府は受章理由について「プロ野球史上に偉大な功績を残し、野球界の普及発展に尽力するなど、スポーツ振興に果たした功績は誠に顕著だ」と説明している。

 長嶋氏は1958年に立教大から巨人入りし、翌年の天覧試合で劇的なサヨナラ本塁打を放った。プロ野球が生んだ国民的ヒーローとなり、「ミスター・プロ野球」と呼ばれた。引退後は2度にわたり巨人の監督を務め、リーグ優勝5回、日本一に2回導いた。

(略)

 スポーツ選手が文化勲章に選出されるのは、08年度に受章した水泳の古橋広之進氏(09年死去)以来となる。このほか、文化勲章は今年のノーベル物理学賞に決まった気象学・気候学の真鍋淑郎(しゅくろう)氏(90)、洋画の絹谷幸二氏(78)、歌舞伎の尾上菊五郎氏(79)、バレエの牧阿佐美氏(87)ら。牧氏は今月20日に死去しており、同日付の受章となる。

 文化功労者には、俳優・歌手の加山雄三氏(84)やアニメーションの富野由悠季氏(79)ら、文化勲章と同時顕彰の真鍋氏を含めて21人が選ばれた。

 文部科学省によると、初の受章・顕彰分野は文化勲章のバレエ、文化功労者の表面科学、遺伝医学・ゲノム医学、児童文学、日本語学。女性は過去最多の計7人となった。文化勲章親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」で行われる。

最終更新:10/27(水) 12:35
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb60df4ddc727e58b0b61443e26072390e0ccb36

 


「文化」って何?・・・というと複雑になりすぎるので、とりあえず根拠法令を見てみましょうか。

 

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文化勲章令(昭和十二年勅令第九号)
 文化勲章ハ文化ノ発達ニ関シ勲績卓絶ナル者ニ之ヲ賜フ
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文化功労者年金法(昭和二十六年法律第百二十五号)

(この法律の目的)
第一条 この法律は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者(以下「文化功労者」という。)に年金を支給し、これを顕彰することを目的とする。

文化功労者の決定)
第二条 文化功労者は、文部科学大臣が決定する。
2 文部科学大臣は、前項の規定により文化功労者を決定しようとするときは、候補者の選考を文化審議会に諮問し、その選考した者のうちからこれを決定しなければならない。

(年金)
第三条 文化功労者には、終身、政令で定める額の年金を支給する。
2 前項の規定により年金の額を定めるに当たつては、文化の向上発達に関する功績に照らし、社会的経済的諸事情を勘案して、文化功労者を顕彰するのにふさわしいものとなるようにしなければならない。
3 第一項の規定による年金の支給方法については、政令で定める。
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よくわからん(笑)

文化ノ発達ニ関シ勲績卓絶ナル者(文化勲章
文化の向上発達に関し特に功績顕著な者(文化功労者

抽象的ですが、文化功労者には、このような方々が選ばれています(以下、敬称略)。
文化勲章は、故人を除き、文化功労者の中から選ばれるという原則があります。)

 


野球
 川上哲治(1992)、長嶋茂雄(2005)、王貞治(2010)

サッカー
 岡野俊一郎(2012)、川淵三郎(2015)

水泳
 兵藤秀子(旧姓・前畑、1990)、古橋広之進(1993)

ゴルフ
 樋口久子(2014)

スキー
 笠谷幸生(2018)

アニメ
 宮﨑駿(2012)、富野由悠季(2021)

漫画
 横山隆一(1994)、水木しげる(2010)、ちばてつや(2014)、萩尾望都(2019)、大島弓子(2021)

将棋
 大山康晴(1990)

囲碁
 坂田栄男(1992)

古典落語
 三代目桂米朝(2002)

漫才
 西川きよし(2020)


科学、小説、俳優、映画関係などは多数なので、スポーツやサブカルチャー関係から抜粋。

野球は巨人軍関係ばっかりですね。(9連覇当時の)人気という点では文句なしなのでしょうが、野球という文化への貢献という意味では、野村克也氏が(捕手・監督としてのみならず技術面などの解説や著作物等を含めて)入っていてもおかしくはないと個人的に思います。

他の分野も、人によって異論(これらの人々が不適格という意味ではなく、他にもふさわしい人がいるのではないかという観点で)があるかもしれませんが、キリがないので、ご覧になった方でご判断ください。

でも、富野氏は凄いかも。
宮﨑氏は国際的なアニメ関係の受賞が多数で、いわば芸術としてのアニメーションということがわかりやすい作風ですが、富野氏のガンダムは、1979年当時「巨大ロボットもの」という、「男の子以外には見向きもされない」と思われがちだった世界で、スポンサーなどとの難しい制約(メカの合体や戦闘シーンが何分以上とか)の中で始まった作品でしたから。

富野氏はもちろん偉いが、あの文部科学省がよく選んだなあ。