サブカル作品に見るチーム指向

気分的には「日本人はチーム競技が好き」という話の続きですが、そんなに科学的根拠のある話ではなく、主観的な雑談です。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/09/26/222451

 

特撮もアニメも原作マンガ連載もごっちゃになっていますが、カッコ内は初登場の年(西暦)です。左側は主人公が孤独なヒーロー、右側はチームで戦うイメージです。

 

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アメコミ系(スーパーマンバットマンスパイダーマン)は、恋人や助手がいたとしても、敵と戦うのは基本的に主人公のみ。一方、スーパーマンに何らかの影響は受けていると思われるウルトラマンは、変身後は単独で対するのが原則ですが、変身前の仮の姿では科学特捜隊に属し、ときには共同で怪獣や宇宙人と戦います。

パーマンのように、ややギャグの要素が入り低年齢向きになると、パーマン2号、3号以下の仲間が増え、チーム化の傾向が見られます。ウルトラマンシリーズも、「帰ってきた・・・」以降はウルトラ兄弟など、チーム戦も出現するようになります。

 

水島新司作品でも、「男どアホウ甲子園」では主人公が突出している印象が強いのですが、「ドカベン」では、主人公以外の何人かのキャラが主人公をときに凌ぐぐらいに個性的で、野球マンガという以上にチームとしての色彩が強いように思います。

 

特筆すべきは「リングにかけろ」で、週刊少年ジャンプへの連載初期は「姉弟のきずな」のスポ根ボクシングマンガだったはずなのに、途中、おそらく日米対決の頃から、5対5の団体戦が基本となり、さらに(へ)理屈でも説明がつかない必殺技(スーパーブロー)が飛び出すようになりました。この頃から少年ジャンプは、戦うたびに仲間が増える(あるいは敵が味方になる)ことと併せて、チーム戦的な傾向が強くなってきたように思います。

 

上図全体では、古い時代、アメリカ文化などの影響が強かった頃は単独で戦っていた主人公が、時代が進むにつれて日本化され、チームで協働して戦うようになってきたという傾向が現れていると思います。

ただ、比較的早い時期から、「忍者部隊月光」(タツノコプロを作った吉田竜夫氏の連載が原作)や、「サイボーグ009」のような石ノ森章太郎(当時は石森章太郎。「レインボー戦隊ロビン」にもキャラクターデザイン等で参加)氏の作品のように、チーム性が強いものもあります。手塚治虫氏の作品の主人公が単独性が強いのと対照的で、なかなか興味深いところです。

また、「洋物」でも、「サンダーバード」のように、主役側兄弟がそれぞれの個性や役割をもち(登場回数こそ差があるものの)全員が活躍する英国作品がありますし、ハンナ・バーベラシリーズ(上図では「ゴースト」「シャザーン」「スーパースリー」だが知らない人が多いかも)でも、「スーパースリー」のように主役3人の能力や個性が、ほぼ平等に拮抗して設定されたものもあります。

 

最下段に、現在の人気作品を掲げていますが、こちらについては、また機会があれば、まとめてみたいと思います。

まあ、他の作品についても、個人的な印象のみで書いた、まとまっていない文章ですが。