祝電はめでたいときに送るもの

政府、祝意を見送り 尖閣「誤ったメッセージ」回避
読売新聞 7月2日朝刊紙面

 加藤官房長官は1日の記者会見で中国共産党が創設100年を迎えたことについて、「安定した日中関係は両国のみならず、地域や国際社会の平和と繁栄のために重要だ」と述べた。
 ただ、日本政府は今回、中国側に祝意を伝えることは控えた。
 中国は沖縄県尖閣諸島で海警船による領海侵入を繰り返している。また、香港や新疆ウイグル自治区での人権問題に国際的な懸念が広がる中、「誤ったメッセージとなるかねない」(外務省幹部)ためだ。
(以下略)
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まあ、そうでしょうね。
政府が優秀、というより、当然の、常識的な対応だと思います。

ところが。

 


公明代表、創建100年の中国共産党祝意
産経新聞 7/1(木) 14:32配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/f36eccf5bdad9e25e8b4ca30f78bc2b7c10a16aa

 

自民、立民、公明…祝賀の“噴飯” 中国共産党100年に主要政党はどう対応 二階氏名義で電報という報道も 選挙協力の立民・共産は対応正反対
夕刊フジ 7/1(木) 16:56配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/491b41a594411067e5f6c7014f44a63b018260ed

 

二階氏ら与野党幹部、中国共産党祝意 志位氏は批判
朝日新聞 2021年7月1日 22時19分
https://www.asahi.com/articles/ASP71775HP71UTFK01T.html


公明党は(中国共産党側からの要請により)山口那津男代表の名前で祝意のメッセージを送ったとのこと。
自民党二階俊博幹事長名で、立憲民主党枝野幸男代表名で、社民党福島瑞穂党首名で送ったと報道されています。

もちろん、選挙の投票先というのはこの一件だけで決めるものではないとは思います。
それは大前提として。

 

朝日記事の、「儀礼的」(立民・枝野代表)とか「送るのが常識。送らない方がおかしい」(自民党関係者)とかいう記事を読むと、(日本の永田町の常識はともかく)国際的な常識感覚には疎い政党が多いことに改めて気づかされます。「一つの政党で100年を迎えるということ自体なかなかない」(公明・山口代表)に至っては、その100年の中で起きた文化大革命天安門事件などでどれだけの人々が亡くなったのか、全く理解していない発言でしょう。今回の新型コロナでも武漢の医師からの警告の声を圧殺するなど、「続かなかった方がよかった」党です。

 

ここまでは中国内部の問題としても、沖縄の漁船の方々が、日本の領海やEEZなのに中国海警局に不当な圧迫を受けていることについて、申し訳ないと思わないのでしょうか?
「中国とパイプがある」と称する政治家は多数存在しますが、たとえば二階氏や公明党が中国要人に働きかけて中国船の侵入が止まったとかいうようなことは聞いたことがありません。
ああ、中国側からの要望だけは伝わるパイプですか。

 

安倍前首相レベルの(概ね)常識的な外交がもてはやされる理由がわかったような気がします。
(もちろん、安倍氏の行動をすべて肯定するわけではありません。)

祝電は、めでたいときに送るものです。