介護報酬パブコメ結果詳細7

評価の適正化・重点化

訪問看護の機能強化については、今回、理学療法士等が行う訪問看護の単位数を減らし、訪問リハビリテーションの報酬を引き上げているが、ケアマネジャーは単位数が少ない方へ依頼してくる可能性があり、ますます理学療法士等が行う訪問看護が増えるのではないか。リハビリテーション中心の訪問看護については減算だけではなく、回数制限や日数制限を設け、薄利多売にならないようにすべき。訪問リハビリテーションは、営利企業によるリハビリテーション中心の訪問看護ステーションからではなく、医師のしっかりした管理のもと行われる医療機関等から行うべき。

 訪問看護の機能強化を図る観点から、理学療法士等によるサービス提供の状況や他の介護サービス等との役割分担も踏まえ、理学療法士作業療法士言語聴覚士が行う(介護予防)訪問看護の評価や提供回数等の見直しを行うこととしています。
 なお、理学療法士等が行う行う訪問看護につきましては、一人の利用者につき週に6回を限度とすることとされており、この点については見直しはありません。
 質の高い訪問看護及び訪問リハビリテーションの更なる普及を図る観点から、それぞれの役割に応じたサービス提供の在り方や看護職員の確保の強化策について、引き続き検討していきます。


訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問が増えているのは、訪問リハビリテーションのニーズの高まっていることの表れなので、理学療法士等による訪問の場合の評価を引き下げないこと。
また、訪問リハビリテーションの供給量がきわめて少なく、訪問看護理学療法士等がなんとか補っている地域も少なくないなか、看護体制強化加算の見直し等も含め、理学療法士等による訪問への評価が厳しすぎる。
さらに、コロナ禍で(主に事業者側の要因により)通所サービスが利用しにくく、ADL等の悪化が危惧される高齢者が多いことを勘案し、単価等について配慮すべきではないか。

 訪問看護の機能強化を図る観点から、理学療法士等によるサービス提供の状況や他の介護サービス等との役割分担も踏まえ、理学療法士作業療法士言語聴覚士が行う(介護予防)訪問看護の評価や提供回数等の見直しを行うこととしています。
 質の高い訪問看護及び訪問リハビリテーションの更なる普及を図る観点から、それぞれの役割に応じたサービス提供の在り方や看護職員の確保の強化策について、引き続き検討していきます。


長期間利用の介護予防リハビリテーションについては、そもそもサービス利用期間とリハビリテーションの必要性との間に相関があるとは考えられないため、減算を行わないこと。事故や疾患などによる機能低下と老化による機能低下は、別々に考えるべきではないか。疾患による障がいのため、継続的なリハビリテーションが必要であるが、医療では制度的に長期的なリハビリテーションの継続ができなくなり、介護保険によるリハビリテーションへ誘導され選択せざるを得ない人もいる。
また、軽度の状態を保つための専門的な訓練や助言は認められるべきではないか。3月ごとの見直しも行われており、減算の必要はない。

 近年の受給者数や利用期間及び利用者のADL等を踏まえ、適切なサービス提供とする観点から、介護予防サービスにおけるリハビリテーションについて、利用開始から一定期間が経過した後の評価の見直しを行うこととしています。


事業所医師が診療しない場合の減算について、事業所外の医師に求められる適切な研修の修了等の猶予を3年間延長することは実態に即しており評価できる。
しかし、そもそも、なぜこの減算があるのか。リハビリテーション事業所で直接診療しなくても、情報提供書(紹介状)を定期的にもらっているにも関わらず、なぜ問題なのか。改定により、これまで他院に主治医がいた場合、主治医に加え、わざわざリハビリテーション事業所の医師への受診も必要になる。これではリハビリテーション事業所の業務が増えるほか、患者・利用者の経済的・労力的負担が増えてしまうのではないか。
また、コロナ禍により診察が難しくなっていることや、現在の20単位の減算でもこれにより撤退した事業所が少なからず存在していることを理解してほしい。

・訪問リハビリテーションについて、リハビリテーション計画の作成にあたって事業所医師が診療せずに「適切な研修の修了等」をした事業所外の医師が診療等した場合に適正化した単位数で評価を行う診療未実施減算について、事業所の医師の関与を進める観点から、見直しを
・また、事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、令和3年3月31日までとされている適用猶予措置期間を3年間延長するととともに、未実施減算の単位数の見直しを
行っております。


居宅療養管理指導における通院が困難なものの取扱いの明確化については、現在、家族の迷惑にならないように少ない年金の中からタクシー代を出したり、介護サービスのお金を捻出できないために事故の危険があっても独歩や自転車で通院されたりしている方もいるなか、「通院が困難なもの」を明確化してしまうことで、これらの方々が「独歩で家族・介助者の助けを借りずに通院ができるもの」に該当しそうである。
個別の事情について深く検討されることなく、サービスが利用できなくならないよう、十分な補足説明をしてほしい。

 居宅療養管理指導について、在宅の利用者であって通院が困難なものに対して行うサービスであることを踏まえ、適切なサービスの提供を進める観点から、診療報酬の例を参考に、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができる者などは、通院は容易であると考えられるため、これらの者については算定できないことを明確化することとしておりますが、個別事情の考慮等についてお示しすることを検討します。


居宅療養管理指導は、サービス利用者と同じ建物に複数の対象者がいるかどうかで、療養上の管理や情報提供の手間などに違いは生じないので、同一建物居住者の人数による減算そのものを廃止すべきで、少なくとも、「10人以上の場合」の報酬を引き下げないこと。
また、移動時間については、訪問診療料などで既に評価されており、居宅療養管理指導で移動時間を勘案すべきではない。

 居宅療養管理指導について、サービス提供の状況や移動時間、滞在時間等の効率性を勘案し、より実態を踏まえた評価とする観点から、単一建物居住者の人数に応じた評価について見直しを行うこととしております。


介護療養型医療施設の基本報酬を下げないでほしい。病床転換は関連機関との調整などで時間がかかるため、病院の意思だけで簡単にできず、調整には多くの時間がかかる。改修工事が必要な場合は助成金の申請など、県や厚生支局との調整も必要となり、加えてコロナ禍の影響もあり、来院の制限等がある中、なかなか転換を進めていくことができなかった事情もある。これでは介護医療院に転換できない施設は経営が立ち行かなくなる。現に入所している利用者に必要なサービスを保証するためにも引下げは行うべきではない。

 令和5年度末の廃止期限までに介護医療院への移行等を進める観点から、令和2年度診療報酬改定における医療療養病床に係る評価の見直しも踏まえ、基本報酬の見直しを行うこととしています。
 なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、介護医療院の開設許可申請等の手続きに追加の期間を要する場合にあっては、特例的な対応を行うこととしています。


介護医療院の移行定着加算の廃止について、移行当初の様々な負担があることから、廃止すべきでない。また、介護医療院への移行促進、移行後の費用負担の軽減を考えた場合、一律の期限設定ではなく、各施設の開設時期にあった期限設定(開設後1年の間等)にすることが望ましいと考える。

 移行定着支援加算については、平成30年度介護報酬改定において、介護医療院が新たな制度として始まることを踏まえ、移行前後におけるサービスの変更内容を利用者及びその家族や地域住民等に丁寧に説明する等の取組みに対する加算として新設され、介護医療院の認知度が高まると考えられる令和3年3月末までの期限が設けられたものであり、現在の介護医療院の開設状況を踏まえて、期限どおり廃止することとしています。


介護職員処遇改善加算(IV)・(V)を廃止しないこと。

 介護職員処遇改善加算(IV)及び(V)については、上位区分の算定が進んでいることを踏まえ、令和3年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業者について、1年の経過措置期間を設け廃止することとしております。介護職員処遇改善加算等の取得促進支援事業などにより、引き続き、上位区分の算定について支援してまいります。

 

(つづく)