前記事の余談

前記事で落書きした兵庫県の記者会見資料の要件ですが、通常の県ウェブサイトにも掲載されました。
申請方法など詳細はまだですが、今後、このページにアップされていくものと思われます。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf28/koronairoukin.html

 

5万円支給の要件は
感染症対策に一定の役割を担ったとして(前記事の)要件を満たす施設・事業所」
です。

要件は、前記事に書いたように、普通に満たしてしまうと思います。
(このあたりは、馬鹿な発言をフォローすべく担当者レベルで工夫されたのだろうとは思います。)


ですが、もしも介護や障害福祉関係の施設・事業所(医療機関は絶対に満たすと思う)で、要件を満たしているかどうか自信がない、というような方があったとしても、気にせずに申請されたらよいと思います。

国の要綱等では、何か要件を満たしたか、ではなく、
[1]重症化リスクが高い利用者との接触、[2]継続して提供することが必要な業務、[3]施設・事業所での集団感染の発生状況 を踏まえ
「相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していること」に対しての給付です。
兵庫県の要件を満たしているかどうか迷って時間を費やすことは、おそらく知事以外の関係職員は望んでいないと思います。


さて、前記事の最後の方で触れた謎について。

 

1)あのように酷い井戸発言が発生したのはなぜか?

 

「国が言うように、何にもしていないのに、なんで慰労金を出すのか。まったく説明がつかないような税金の使い方は兵庫県としてはやる気はない」という井戸知事の発言。

国の要綱等を見れば、「何かをしていること」に直接立脚するのではなく、「相当程度心身に負担がかかる中・・・業務に従事していること」に着目しての慰労金であることは明白です(かつ、この状態で勤務すれば通常の仕事以外に何かをしないではいられないのも明白です)。
こういうことの理解ができないのなら、「井戸氏は悪い奴だ」というよりも、「井戸氏には理解する能力がない」という方が正しいように思います。

ただ、それがなぜか、は、やはりわかりません。認知症なのか、その他の精神疾患なのか。でも、たとえば記者会見の記録(県作成ですが)を見ると、その他の案件ではそれほどトンチンカンなやり取りにはなっていないようで、疾患系統に理由を求めるのは難しそうです。

ちなみに、井戸氏は中央官庁(旧自治省)出身の割に、失言の類はいろいろ報道されてきました(東日本大震災のときの「チャンス」発言とか)。大阪の維新系首長との反目(というか見解の相違など)が報道されることもありますが、たとえば本年3月の連休前の「大阪・兵庫の往来自粛問題」では、記者の質問の仕方や、大阪府知事側の問題など、井戸氏を責められない要素もありました(「諸悪の根源」は、厚労省が非公表前提で両府県に重大資料を送った、ということではないかと)。


2)県幹部や担当職員が井戸発言を止められなかったのはなぜか?

 

これは、ある程度は推測できます。
レクチャーかヒアリングか何かの機会に、知事に十分な説明をしなかったのか、説明したが知事が理解しなかったのか。
(「そもそも担当職員などが理解していなかった」というのはないと思います。)

首長に「お言葉ですが・・・」といって首長の意に反する説明を行うのは、勇気がいるだろうし、機嫌を損なうことを恐れてそういう説明をすること自体を止める幹部職員がいるかもしれません(下っ端の職員からしたら「君側の奸」みたいな幹部職員ですが)。多選(井戸氏は5期目)しているうちに、幹部職員の中にそういう風潮が生まれたのかもしれませんが、そうでないかもしれません。

もし、官民問わず、トップが機嫌を損ねるようなことを耳に入れない風潮が生まれたとしたら、それはその組織にもトップにも不幸なことですが、そういう風潮を作ってしまった責任の多くはトップに帰するものだろうと思います。

中央官庁でも、その地方機関でも、トップの意向を忖度する風潮はあります。そういう風潮を生み出さないようにするためには、少なくとも人格的に自信のない人は長期間トップにつくのはやめた方がよいのでしょう。


3)謝罪や撤回のないのはなぜか?

 

実質的に国の要綱と同様、感染者(陽性判明者)にサービス等を提供しなかった機関にも5万円支給するようになったので、先の「何もしていないのに・・・」という知事発言を撤回し、医療や介護、障害福祉関係従事者に謝罪すべき、という考え方も、当然あると思います。
これは、少なくとも井戸氏のようなタイプでは無理だろうと思います。性格の善悪というより、スタイルというべきでしょうか。
別のスタイルの政治家だったら、あっさり謝罪して見せるでしょう。性格の善悪というより、「間違いを認めて公表する」という率直さを演じ、それで売る能力がある、というべきかもしれません。

余談ですが、私は(もちろん政治家ではないし、その能力もありませんが)「ネットプレーヤー」としては、後者に近いと思っています。
(世の中には、そうでないタイプのBBS管理者などもいたりしていますが、本件には直接関係ないので、この記事ではここまでにしておきます。)

 

ともかく、井戸氏はどうであれ、世の中の多くの人々は、慰労金5万円の従事者に対しても感謝しているだろうし、知事以外の兵庫県職員もそう思っているだろうと思います。