介護保険最新情報Vol.881(2)

(施設への立ち入り)
○ 委託業者等についても、物品の受け渡し等は玄関など施設の限られた場所で行うことが望ましく、施設内に立ち入る場合については、体温を計測してもらい、発熱{や咳などの呼吸器症状等}が認められる場合には入館を断ること。
○ 業者等の施設内に出入りした者の氏名・来訪日時・連絡先については、感染者が発生した場合に積極的疫学調査への協力が可能となるよう記録しておくこと。
{○ 委託業者等が施設内に立ち入る場合は、マスク着用と手指消毒を実施すること。}

{(外出)
○ 「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和2年5月25日変更))(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)三(3)1)[1]において、外出の自粛が促される状況であっても、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外とされていることから、入所者の外出については、生活や健康の維持のために必要なものは不必要に制限すべきではなく、「三つの密」を徹底的に避けるとともに、「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策を徹底し、自らの手で目、鼻、口を触らないように留意すること。
○ 感染が流行している地域では、人との接触機会の低減の観点から、外出を制限する等の対応を検討すべきである。}

(2)職員の取組

感染症対策の再徹底)
○ 職員、利用者のみならず、面会者や委託業者等、職員などと接触する可能性があると考えられる者含めて、マスクの着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒等により、感染経路を断つことが重要であり、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版」{、「介護現場における感染対策の手引き」}等を参照の上、対策を徹底すること。
○ 職員は、各自出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められる場合には出勤を行わないことを徹底すること。なお、過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後24時間以上が経過し、咳などの呼吸器症状が改善傾向となるまでは同様の取扱いとする。なお、このような状況が解消した場合であっても、引き続き当該職員の健康状態に留意すること。
 該当する職員については、管理者に報告し、確実な把握を行うよう努めること。
 ここでいう職員とは、利用者に直接介護サービスや障害福祉サービス等を提供する職員だけでなく、事務職や送迎を行う職員、調理員等、当該事業所のすべての職員やボランティア等含むものとする。
○ 発熱や呼吸器症状等により感染が疑われる職員等については、「「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」{の改訂}について」(令和2年{5月11日}厚生労働省子ども家庭局総務課少子総合対策室ほか連名事務連絡)を踏
まえて適切に対応すること。
○ 職場はもとより、職場外でも感染拡大を防ぐための取組を進めることが重要であり、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避ける等の対応を徹底すること。
○ 職員が感染源となることのないよう、症状がない場合であっても利用者と接する際にはマスクを着用すること。食堂や詰め所でマスクをはずして飲食をする場合、他の職員と一定の距離を保つこと。

(3)リハビリテーション等の実施の際の留意点

○ 社会福祉施設等においては、利用者の廃用症候群防止やADL維持等の観点から、一定のリハビリテーション又は機能訓練や活動を行うことは重要である一方、感染拡大防止の観点から、「3つの密」(「換気が悪い密閉空間」、「多数が集まる密集場所」及び「間近で会話や発声をする密接場面」)を避ける必要があることから、リハビリテーション等共有スペースで実施する場合は、以下に留意するものとする。
 ・リハビリテーション等の実施に当たっては、可能な限り同じ時間帯、同じ場所での実施人数を減らす。
 ・定期的に換気を行う。
 ・利用者同士の距離について、互いに手を伸ばしたら手が届く範囲以上の距離を保つ。
 ・声を出す機会を最小限にすることや、声を出す機会が多い場合は咳エチケットに準じてマスクを着用することを考慮する。
 ・清掃を徹底し、共有物(手すり等)については必要に応じて消毒を行う。
 ・職員、利用者ともに手指衛生の励行を徹底する。

2.新型コロナウイルス感染症に感染した者等が発生した場合の取組
 社会福祉施設等の利用者等(当該施設等の利用者及び職員等をいう。)に新型コロナウイルス感染症に感染した者が発生した場合には、保健所の指示に従うとともに、協力医療機関にも相談し、以下の取組を徹底する
 なお、特段の記載(【 】の中で記載しているもの。)がない限り、新型コロナウイルス感染が疑われる者※が発生した場合も同様の取扱いとする。その際、以下の記載のうち「濃厚接触者」は「感染が疑われる者との濃厚接触が疑われる者」と読み替えるものとする。
※「新型コロナウイルス感染が疑われる者」:
 社会福祉施設等の利用者等であって、{息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある者、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状等が続く者(高齢者・基礎疾患がある者・妊婦である利用者等については発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状等がある者})、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑う者であって、PCR陽性等診断が確定するまでの間の者。

 

(つづく)

介護保険最新情報Vol.881(1)

令和2年10月15日付け事務連絡(介護保険最新情報Vol.881)

各 都道府県/指定都市/中核市 民生主管部(局) 御中

厚生労働省健康局結核感染症
 子ども家庭局家庭福祉課/母子保健課
 社会・援護局保護課/福祉基盤課/障害保健福祉部企画課/同部障害福祉
 老健局高齢者支援課/認知症施策・地域介護推進課/老人保健課

 

社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)
(一部改正)

 

 社会福祉施設等は、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、十分な感染防止対策を前提として、利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要です。
 このため、感染拡大防止のための留意点について、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)(以下「4月7日付事務連絡」という。)等において示しているところです。
 今般、4月7日付事務連絡の別紙を一部改正し、別紙のとおり示しますので、必要な対応を行うとともに、管内の施設・事業所に対しての周知をお願いします。
 なお、4月7日付事務連絡からの改正部分を別添参考として添付します。

 

引用者注:{色付き文字}は改正又は追加箇所

 

別紙
社会福祉施設等(入所施設・居住系サービス)における感染防止に向けた対応について

 

1.感染防止に向けた取組
 感染防止に向けた取組を徹底する観点からは、日頃から以下のような感染防止に向けた取組を行うことが重要である。

(1)施設等における取組

感染症対策の再徹底)
○ 感染の疑いについてより早期に把握できるよう、{管理者が中心となり、毎日の検温の実施、食事等の際における体調の確認を行うこと等により、}日頃から利用者の健康の状態や変化の有無等に留意すること。
{○ 管理者は、日頃から職員の健康管理に留意するとともに、職員が職場で体調不良を申出しやすい環境づくりに努めること。
○ 無症候又は症状の明確でない者から感染が広がる可能性があり、人と人との距離をとること(Social distancing:社会的距離)、外出の際の常日頃からのマスク着用、咳エチケット、石けんによる手洗い、アルコールによる手指消毒、換気といった一般的な感染症対策や、地域における状況(緊急事態宣言が出されているか否かや、居住する自治体の情報を参考にすること)も踏まえて、予防に取り組むこと。}
○ 介護保険施設においては、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会の開催等により、感染拡大防止に向けた取組方針の再検討や各施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針に基づく取組の再徹底を行うこと。
○ 感染防止に向け、職員間での情報共有を密にし、感染防止に向けた取組を職員が連携し取組を進めること。
○ 感染者が発生した場合に積極的疫学調査への円滑な協力が可能となるよう、症状{出現2日前から}の接触者リスト、利用者のケア記録(体温、症状等がわかるもの)、直近2週間の勤務表、施設内に出入りした者等の記録を準備しておくこと。
○ 入国拒否の対象地域から帰国後症状がある職員等がいる場合、施設長は、すみやかに市区町村に対して、人数、症状、対応状況等を報告するとともに、発熱等の症状により感染が疑われる職員等がいる場合は、保健所に報告して指示を求めること。また、最新情報を収集し、職員等に情報提供すること。
{○ 厚生労働省で開発を進め令和2年6月19日付でリリースされた「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA:COVID-19 Contact-Confirming Application)」について、本アプリは利用者が増えることで感染防止の効果が高くなることが期待されており、下記URLに掲載されている資料も参考にしつつ、本アプリの活用について、職員に周知を行うこと。面会者、業者等の施設内に出入りする者にも周知を行うことが望ましい。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html }

{(面会を実施する場合の留意事項)
○ 面会者に対して、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には面会を断ること。
○ 面会者がのどの痛み、咳、倦怠感、下痢、嗅覚・味覚障害等の感染症が疑われる症状を有する場合やその他体調不良を訴える場合には面会を断ること。
○ 面会者の氏名・来訪日時・連絡先については、感染者が発生した場合に積極的疫学調査への協力が可能となるよう記録しておくこと。
○ 面会者は原則として以下の条件を満たす者であること。
 ・感染者との濃厚接触者でないこと
 ・同居家族や身近な方に、発熱や咳・咽頭痛などの症状がないこと
 ・過去2週間内に感染者、感染の疑いがある者との接触がないこと
 ・過去2週間以内に発熱等の症状がないこと
 ・過去2週間以内に、政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域等への渡航歴がないこと。
 ・人数を必要最小限とすること。
○ 面会者には、面会時間を通じてマスク着用、面会前後の手指消毒を求めること。
○ 面会者の手指や飛沫等が入所者の目、鼻、口に触れないように配慮すること。
○ 寝たきりや看取り期以外の場合は居室での面会は避け、換気可能な別室で行うこと。
○ 面会場所での飲食は可能な限り控えること。大声での会話は控えること。
○ 面会者は施設内のトイレを極力使用しないようにすること。やむを得ず使用した場合はトイレのドアノブも含め清掃及び必要に応じて消毒を行うこと。
○ 面会時間は必要最小限とし、1日あたりの面会回数を制限すること。
○ 面会後は、必要に応じて面会者が使用した机、椅子、ドアノブ等の清掃又は消毒を行うこと。}

 

(つづく)

「社会への貢献」って何でしょう?

前記事の関連で、もう少しだけ。

 

橋下徹氏のツイッターの中で、

「社会に対して何の貢献をしているのかわからん仕事でも学問の自由の名目で許される。」

という一文があります。


部分的に切り出して発言者を論じるのは不適当な場合があるので、これは橋下氏への批判というわけではありませんが、

「社会に対して貢献をしている学問」

というのは何でしょうか。

 

自然科学分野では、比較的わかりやすいですね。
たとえばノーベル賞を受賞した青色LED。
IPS細胞も、素人にはわかりにくい面がありますが、解説されれば、凄いなあ、という感じは伝わります。

 

同じノーベル賞グループでも、経済学賞(これは正式にはノーベル賞ではなく「アルフレッド・ノーベル記念なんとか賞」とかいうらしいのですが)には日本人の受賞者がないのですが、受賞理由の解説文を読んでも自然科学分野に比べたら(私には)理解が難しいものが多いです。

アベノミクスに限らず、いろいろな経済対策が(少なくとも一般の国民的には)必ずしも成果が上がっていないように見えて、経済学って社会の役に立つのかな、と疑問に思うことはあります。

 

社会科学系の中でも、社会学(隣接の社会人類学などを含めて)などは社会に貢献し得る学問だと個人的には思いますが、日本に限らず政治家はあまり活用していない感もあります。

 

人文科学系(これは本来の意味=狭義での人文系)では、心理学など他の分野(自然科学系など)と関連が強い分野には、社会への貢献が見えやすいものがありますが、文学部に伝統的な分野では、「経済効果」などは縁が薄いかもしれません。

 

でも、そもそも「社会に対する貢献」って、誰が判断しているのでしょうか?

 

自然科学分野でも、たとえば新型ウイルス(コロナに限らず)に効果がある物質を探す研究を行ったとします。

最初に候補となった物質Aは、研究の結果、対ウイルス効果がほとんどないことがわかりました。
その結果を参考に、別の研究者が、物質Bについて、効果は多少あるが、副作用(副反応)もあることを発見しました。
また別の研究者が、物質Cについて、効果かあり、副作用も少ないことを発見しました。
さらに、別の研究者が、物質Dについて、効果等はCと同じだが、量産がしやすいという結果を出しました。

貢献の度合いを結果から見れば、
Dの研究>Cの研究>Bの研究>Aの研究
ということになりますが、先行する研究結果から次の研究のきっかけが生まれた、ということなら、AもBもCも必要な研究、社会に貢献する研究ということになります。
(科学では、「○○は効果がない」ということを確認するのも、必要な研究です。)

 

また、過去にノーベル賞を受賞した人物の研究が、後になって誤りであったことが判明したこともあります。
その当時のノーベル委員会がわからなかったことが、今の私たちのような素人が知っている、というのも人類の進歩の成果、ともいえますが。

逆に、今は評価が低い学問(自然科学系でも社会科学系でも人文科学系でも)が、のちの世で評価される、ということがあるかもしれません。

 

老子荘子など道教で使われる言葉に「無用の用」というものがあります。
役に立っていないように見えるものが、実は大事であったり、必要不可欠であったりすることがあります。

こういう哲学か宗教学か中国文学か何かわからないような分野(失礼)の言葉というのも、ストレスにさらされたコロナ禍の現代人にとっては、癒しになるかもしれません。


最後に蛇足です(この「蛇足」も古代中国の故事からの言葉ですが)。
社会に貢献している学者であったとしても、間違ったこと(たとえば、前記事のPCR検査にからむ橋下氏への批判)を過激な表現で言っても許される、というわけではありません。
逆に、社会に貢献していない(ように見える)人間だからといって、正当な言論活動を行ってはいけない、ということでもありません。

橋下氏の「人文系学者」批判について

橋下氏 人文系学者は「自分は賢い!一般国民はバカ」…学術会議応援されない原因と
デイリースポーツ 10/11(日) 12:32配信

 橋下徹弁護士が11日、ツイッターに新規投稿。人文系学者について「謙虚さが微塵もない」と批判し、「学術会議に対して国民の圧倒的応援が生まれない原因だと、もうそろそろ気付けよ」とツイートした。

 橋下氏は「日本の人文系の学者の酷さが次から次へと出てくる。こやつらは『自分は賢い!一般国民はバカ』という認識が骨の髄まで染みている」と批判した。

 「税金もらって自分の好きなことができる時間を与えてもらって勉強させてもらっていることについての謙虚さが微塵もない」「しかも社会に対して何の貢献をしているのかわからん仕事でも学問の自由の名目で許される。もう少し謙虚になれ」と記した。
最終更新:10/11(日) 15:21
https://news.yahoo.co.jp/articles/29df6f676e84aeb5329164877bfdfc6ce02f6868

 


関連のツイッターを見てみますね。


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金子勝
【世田谷方式の地道な努力】区議会において圧倒的多数で始まった介護士と保育士の社会的検査を進める世田谷区で、次々と無症状の介護士の感染者が見つかった。高齢者施設は死につながりやすい中で防衛戦になっている。反対し妨害だけの自分だけPCR橋下徹と維新の会はクズだろう。
午前6:08 · 2020年10月11日

橋下徹
学者を名乗るならもう少し勉強してから発言しろ。あんたのような学者が、学者に対する国民の信頼を落としている。俺はハイリスク者、ハイリスク地域にPCRをどんどんやるべきとの主張は以前からやっている。それを超えて無差別に検査をやるのは無意味だと言っている。
午前9:39 · 2020年10月11日

橋下徹
世田谷もハイリスク者、ハイリスク地域に一回限りの検査しかやらないなら意義が薄い。ここは定期にやるべき。俺が検査を受けた経緯も少しは調べろ。2週間待機後、亜急性甲状腺炎の症状が引かず検査をした。現在も治療中や。世間のクソの役にも立たないクズ学者が。ボケッ!
午前9:39 · 2020年10月11日

橋下徹
日本の人文系の学者の酷さが次から次へと出てくる。こやつらは「自分は賢い!一般国民はバカ」という認識が骨の髄まで染みている。こやつらの共通点は、税金もらって自分の好きなことができる時間を与えてもらって勉強させてもらっていることについての謙虚さが微塵もないこと。
午前9:54 · 2020年10月11日

橋下徹
しかも社会に対して何の貢献をしているのかわからん仕事でも学問の自由の名目で許される。もう少し謙虚になれ。その謙虚さがないことが、学術会議に対して国民の圧倒的応援が生まれない原因だと、もうそろそろ気付けよ。
午前9:54 · 2020年10月11日

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個人的意見としては、PCR検査の件については橋下氏に賛成です(これは、同氏が検査を受ける前後ぐらいから、ほぼ変わっていません)。

ただ、「日本の人文系の学者の酷さが次から次へと出てくる」については、二つの観点で疑問があります。

 

その1:「人文系」という言葉について。
一般的には、文学部関係の学問分野が入ります。文学部には心理学など自然科学分野に関連が深い分野もありますし、社会学など社会科学に分類される分野も入っていますから、一概には言えませんが。
ただ、広義には、自然科学に対比して、社会科学分野(法学、政治学、経済学、経営学社会学など)も含めて人文科学という場合もあります。どちらかといえば、この広義の方は一般的ではないし、橋下氏が批判している金子勝氏は経済学者、関連ツイッター上で批判が出ていた川勝平太静岡県知事も経済学者で、文学系の学者には分類されないでしょうから、「人文系」というくくり方は適当ではないと思います。

(文学部系の学者を批判している形跡も見当たりません。)

 

その2:学者、学問分野をカテゴリーで批判することについて。
では、「社会科学系の学者」として批判するのがよいか、というと、こういうカテゴリーひとくくりにして批判することは避けた方がよいと思います。
たとえば維新系の議員には、わざわざ北方領土まで行って国際的な恥をかいてきた丸山穂高氏など、除名級の不祥事を起こした人物が複数いますが、「維新の議員はクズばっかりや」というのは適当ではないでしょう。もちろん、維新に対する好き嫌いとは別です(離党だけでほぼ済ませる自民に比べたらマシ、という考え方も可能かもしれません)。同様に「公務員はさぼってばっかり」「政治家は私腹を肥やしてばっかり」「生活保護受給者はパチンコ入りびたりばっかり」なども、不適当と思います。

 

なお、竹中平蔵氏も経済学者に分類されます。
国政上の「悪名」のほか、たしか、日本維新の会衆院選候補者を選定するための公募委員会の委員長にも就任したことがある人物です。
こういう人物ばかりだったとしたら、「経済学者の酷さが・・・」と言われたら、個人的には賛成してしまうかもしれません。

「オンライン面会もない」のが普通ではない

けさ(10月10日)、NHKの7時台だったと思いますが、
「コロナ禍での面会制限 家族の絆は…」
という特集みたいなものの放送がありました。

 

介護施設新型コロナウイルス感染防止のため、入所者と家族との面会は禁止、オンライン面会もやっていない、とのことで、入所者(男性)の妻が自宅の猫の写真などを持って施設に行き、施設の職員も入所者の様子を妻に伝える、という内容のようでした。

 

猫は入所者にかわいがられていたようで、猫とお年寄りは一般的には相性が良いだろうとは思います。
子どもと違ってお年寄りは動作が緩やかだし(猫を驚かすような急な動きが少ない)、
尻尾をつかんだりヒゲを引っ張ったりもしないし、
大声を出さないし(これは例外あり)。

 

それはともかく・・・

 

オンライン面会もやってない、って何ですか?
国が面会制限を呼びかけてから何か月が経っていると思っているのですか?(※注)

 

それから、入所者の妻と施設の職員とが、施設内のホールのような場所で立ち話している映像も流れましたが、二人ともマスクはしていたものの、2メートル程度の距離で、間にアクリル板を立てているようには見えませんでした。

 

いや、一般的には、こういう短時間の会話なら濃厚接触には当たらないということになりますし、問題があるとはいえませんが、こういう施設職員を介した間接接触を行うぐらいなら、もう少し距離を空けるとか屋外で行うなど対策を取ったうえで入所者に直接会ってもらう方がよいように思うのですが。

「面会を禁止している」ということだけにこだわっていて、感染防止と面会実施との合理的両立を図るというような姿勢が全く見えない施設のように思ってしまいました。

 

NHKの姿勢(取材対象の選定等)にも疑問を感じないわけではありませんが、あの放送をご覧になった方々が、オンライン面会すら実施していない施設が普通だ、と思われることがないように願っています。

 


※注:参考事務連絡から一部抜粋。なお、< >内は私のコメントです。

 また、この当時よりは、新型コロナウイルスについてわかってることが増えていることにも留意した方がよいと思います(たとえば「3密」は3月以降に周知された)。


介護保険最新情報Vol.768(R2.2.24)
社会福祉施設等(入所施設・居住系サービスに限る。)における感染拡大防止のための留意点について」
 面会については、感染経路の遮断という観点で言えば、可能な限り、緊急やむを得ない場合を除き、制限することが望ましい。少なくとも、面会者に対して、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には面会を断ること。
<「禁止」ではなく、「制限することが望ましい」であり、「緊急やむを得ない場合」は除外されていることにも留意。>

介護保険最新情報Vol.834(R2.5.15)
 高齢者施設等におかれては、新型コロナウイルスの感染経路の遮断という観点から、緊急やむを得ない場合を除き、面会の制限をいただいているところですが、こうした事態下においては、利用者の方とそのご家族等との間で、ご家庭にいながらオンライン面会(テレビ電話システムや Web アプリのビデオ通話機能等のインターネットを利用する面会)を行っていただくことが望ましいです。
<LINE、Zoom、Skypeをそれぞれ利用してオンライン面会を実施している施設の紹介あり。>

やはり原発は高いですよね?

「核ごみ」調査に北海道2町村 最大交付20億円
FNNプライムオンライン 10/9(金) 13:06配信

原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐり、北海道・寿都(すっつ)町が選定の第1段階となる「文献調査」に応募し、選定のプロセスが動き出すことになった。

寿都町の片岡町長は、NUMO(原子力発電環境整備機構)を訪れ、文献調査に正式に応募した。

文献調査は、地域のくわしい資料で活断層の有無などを調べるもので、応募は2007年の高知・東洋町以来、13年ぶりとなる。

北海道・寿都町 片岡町長「正しい判断ができるよう、進めていければ」

梶山経産相「大変うれしく思っているし、感謝申し上げる」

一方、北海道・神恵内(かもえない)村には、9日午後、経産省の幹部が訪問し、文献調査を申し入れる予定で、村は、これを受け入れる形で応募を決める見通し。

選定プロセスでは、「文献調査」の実施で、自治体が、最大20億円の交付金を受けられる。

2段階目の「概要調査」に進む際には知事の同意が必要だが、北海道の鈴木知事は、道内への受け入れに反対している。

長年停滞してきた選定プロセスが最終的な決定に至るかどうか、不透明な情勢。
最終更新:10/9(金) 14:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/5861be190ecc0b4696d64cc1beed277c701c5799

 

 

財政の厳しい中、北海道の2自治体が「核ごみ」処分場の文献調査に手を挙げたことについては、私が論評する話ではなく、その議会や住民等でご判断いただくことだろうと思います。

また、それに対して、北海道知事が(近隣自治体等の意見も勘案したりして)反対なり別の見解を述べたりすることも、またあり得ることだろうと思います。

 

気になるのは、この最初の文献調査の段階で、最大20億円の交付金が出るということ。

「最大」だから、いろいろ要件を満たさないと満額にはならないのかもしれませんが、今の時点で北海道内だけで40億円レベルの国庫負担が生じる可能性があるということですね。

こういうの、経済産業省は、原子力発電のコストに入れて計算していますか?

 

もともと、経産省関係のコスト計算には疑わしいところがあるのですが、

 

<参考>
まだ「原発が安い」って言ってる人々
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-1876.html


「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」
(平成27年 5月発電コスト検証ワーキンググループ)
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/pdf/cost_wg_01.pdf

 

f:id:jukeizukoubou:20201009211754g:plain

この資料の「政策経費」は「2014年度予算ベース」で計算しているから含まれていないはずですし、「核燃料サイクル費用」の「バックエンド処理」(高レベル廃棄物)にも含まれていないことが濃厚です。

 

この文献調査の次に「概要調査」もあって、こちらは最大70億円ということですが、こういう費用まで入れると、ますます原子力発電のコストは高くなるはずと思いますが。

 

まあ、すでに核廃棄物がある以上、何らかの方法で処分しなければならないことはたしかなのですが、「原子力発電が安い」というようなセリフは、経産省も電力会社も、もうやめにしませんか。

知事の公用車でもレクサスで十分やん

兵庫県知事と議長の公用車が最高級車の「センチュリー」に格上げリース料は2倍以上高く
読売テレビ 10/9(金) 8:45配信

兵庫県知事と県議会議長の公用車が、最高級車の「センチュリー」に格上げされ、リース料が2倍以上高くなっていたことがわかった。

兵庫県によると、去年8月、井戸知事と原県議会議長の公用車を、これまでのレクサスから最高級車のセンチュリーに更新した。その結果、2台の年間のリース料がおよそ270万円から2倍以上のおよそ600万円に上がったという。県の担当者は、「安全性や出席する公務の品格などを総合的に考え、妥当な判断」としている。

県は、議長の車は次の更新時に議会と相談するとしているが、知事の車については決まっていないという。

最終更新:10/9(金)19:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/d1b117219f7b5793615a43c2f22aaf4d011e1a5f

 


去年8月の「格上げ」ということだから、新型コロナウイルス関係の税収落込みについては関係なかった頃ではあります。
ただ、その頃でも兵庫県の財政は楽ではなかったはずと思いますが。

 

ところで、10月5日の知事記者会見資料によると、

 

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令和2年度における事業見直しと経費の節減
 令和2年度の県税収入は、新型コロナウイルス感染症の影響による消費の低迷や景気の悪化により、法人関係税や地方消費税をはじめ、税目全般にわたり当初予算額を大きく下回ることが懸念される。現時点で、当初予算比で1,000億円を超える税収減を見込んでおり、本県を取り巻く財政環境はこれまで以上に厳しさを増している。
 ついては、これまで以上に効果的・効率的な予算執行に努める必要があることから、全庁的に今年度予定していた事業の見直しを行うとともに、事務的経費の節減を行う。

1 令和2年度事業の見直し
 ○ 見直し事業数及び効果額:89事業、712億円(うち一般財源5.4億円)

 (引用省略)

2 事務的経費の節減
 (1) 節減率 △14%(効果額:約12.5億円)
 (2) 内容
  効果的・効率的な事務執行や在宅勤務の推進等による事務的経費(職員旅費等)の節約
https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/documents/g_kaiken20201005_03.pdf

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とのことなので、今からでもリース契約の変更について交渉されたらいかがですか?
大衆車レベルなら違約金が相対的に高くつくのかもしれませんが、センチュリーからせめてレクサスに戻せば、この高級車レベルなら、諸々の費用を引いたとしても百万円単位の節減が期待できると思うのですが。