8月からの変更(介護保険2)

介護保険最新情報 Vol.670(平成30年7月30日)

第2 改正の内容

1 長期譲渡所得及び短期譲渡所得に係る特別控除額を控除する見直し
 介護保険制度においては、特定入所者介護(予防)サービス費の所得段階の判定に、所得を測る指標として合計所得金額を用いている。この合計所得金額は、土地を譲渡した場合に生じる売却収入等に対する税法上の特別控除が適用されていないため、被災地の防災集団移転促進事業や土地収用等で土地等を譲渡した場合、譲渡した年の翌年の所得が急増し、介護保険に係る自己負担額が高額になる場合がある。
 土地の売却等には災害や土地収用等を含む本人の責めに帰さない理由による場合もあることから、そのような土地の売却収入等を所得として取り扱わないこととするよう、介護保険の特定入所者介護(予防)サービス費の所得段階の判定に、現行の合計所得金額等から、租税特別措置法昭和32年法律第26号)に規定される長期譲渡所得又は短期譲渡所得に係る特別控除額(※)を控除して得た額を用いることとする。

※具体的には、以下の(1)~(7)となる。
(1)収容交換等のために土地等を譲渡した場合の5,000万円(最大)
(2)特定土地区画整理事業や被災地の防災集団移転促進事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円(最大)
(3)特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円(最大)
(4)農地保有の合理化等のために農地等を売却した場合の800万円(最大)
(5)居住用財産を譲渡した場合の3,000万円(最大)
(6)特定の土地(平成21年及び平成22年に取得した土地等であって所有期間が5年を超えるもの)を譲渡した場合の1,000万円(最大)
(7)上記の1~6のうち2つ以上の適用を受ける場合の最高限度額5,000万円(最大)

2 公的年金等に係る雑所得を控除する見直し
 合計所得金額について、例えば年金収入のみの場合は、年金収入から公的年金等控除額を控除した金額が合計所得金額となる。この公的年金等控除額は、1月1日時点で65歳以上の者は120万円であり、合計所得金額のみで年金収入120万円以下の者の負担能力の差を付けることはできないため、特定入所者介護(予防)サービス費の判定においては、「公的年金等の収入金額に合計所得金額を加えて得た額」を用いることで応能性を確保している。
 一方で、公的年金等控除額は、1月1日時点で64歳の者は70万円、65歳以上である者は120万円であるため、同じ年金収入であっても、1月1日時点で64歳の者と65歳以上である者で、特定入所者介護(予防)サービス費の判定の基準となる「公的年金等の収入金額に合計所得金額を加えて得た額」に差が生じる場合がある。
 これを踏まえ、1の見直しとあわせて、特定入所者介護(予防)サービス費の所得指標として、「公的年金等の収入金額に合計所得金額を加えて得た額」から、年金収入に係る所得(所得税法(昭和40年法律第33号)第35条第2項第1号に掲げる額)を控除した額を用いることとする。

第3 施行期日
 平成30年8月1日


上の第2の1は、珍しく(?)良い方向の変わる変更といえるでしょう。
用地買収に関わった人ならご存知と思いますが、公共事業に協力して土地を提供した人、建物を取り壊した人が、土地代金や補償費を得た場合には、所得税上は配慮されます。
ところが、介護保険などの社会制度では配慮されない異様な状態が続いていました。
これが改正されました。

2の方はわかりにくいと思いますが・・・

また、住宅改修についても通知が出ています。
もっとも、「複数の事業者から見積もりを取るように説明」したとしても、利用者の契約行為だから、利用者が1社からしか取らなかったとしたら、ケアマネにはどうしようもないと思いますが。


介護保険最新情報 Vol.664(平成30年7月13日)

○居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について(平成12年3月8日老発第42号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)

<改正前>
 また、第2号の「住宅改修に要する費用の見積もり」は、住宅改修費の支給対象となる費用の見積もりであって、その内訳がわかるよう、材料費、施工費、諸経費等を適切に区分したものとする。また、必要に応じて、この見積もりが適切に算出されたものであることがわかるよう、その算出方法を明示させることとする。

<改正後>
 また、第2号の「住宅改修に要する費用の見積もり」は、住宅改修費の支給対象となる費用の見積もりであって、その内訳がわかるよう、改修内容、材料費、施工費、諸経費等を適切に区分したもの、別紙2の様式を標準とする。また、居宅介護サービス計画又は介護予防サービス計画(以下「居宅サービス計画等」という。)を作成する介護支援専門員及び地域包括支援センターの担当職員(以下「介護支援専門員等」という。)は、複数の住宅改修の事業者から見積もりを取るよう、利用者に対して説明することとする。

イメージ 1