特例に間違いは?

間違い探しです。
たとえば被災地の介護支援専門員が電話を架け回っている状況を(ヘタな)絵にしてみたとします。


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(A):正しい。
 避難所や避難先の家庭等で生活している要介護者及び要支援者に対して居宅サービスを提供した場合においても、介護報酬の算定は可能である。
 サービスの提供に当たっては、市町村、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業所等との連携を図り、できる限りケアプランに沿って、必要な介護サービスを確保するよう努めること。
(H30.7.11「平成30年7月豪雨に関する災害における介護報酬等の取扱いについて」)

(B):正しい。
 避難を要する市町村の要介護者又は要支援者が、やむを得ず別の市町村に所在する地域密着型(介護予防)サービス事業所に避難しサービスを利用する場合は、本来、事業所所在市町村長の同意と避難を要する市町村の事業所指定が必要となるところですが、今般の平成30年7月豪雨による被災地域が広範に及ぶとともに、緊急的な対応が必要であることから、関係市町村間での手続きについては事後的に行う等柔軟に取り扱うこととしても差し支えないこととします。(H30.7.10「平成30年7月豪雨に伴い避難先市町村の地域密着型(介護予防)サービスを利用する場合の手続について」

(C):正しい。
 被災等による避難者が介護保険施設等に入所した場合において、やむを得ない理由により、当該避難者を静養室や地域交流スペース等居室以外の場所で処遇を行ったときは、従来型多床室の介護報酬を請求することとして差し支えない。
 なお、本来処遇されるべき場所以外の場所におけるサービス提供が長期的に行われることは適切ではないため、適切なサービスを提供可能な受け入れ先等の確保に努めること。
(H30.7.11「平成30年7月豪雨に関する災害における介護報酬等の取扱いについて」)

(D):正しい。
 短期入所生活介護における長期利用者に対する減算(自費利用などを挟み実質連続30日を超える利用者について基本報酬を減算するもの)について、今般の被災により、在宅に戻れずやむを得ず短期入所生活介護を継続している場合には、適用しない取扱いが可能である。
(H30.7.11「平成30年7月豪雨に関する災害における介護報酬等の取扱いについて」)

(E):入浴介助加算の算定が可能。
 今般の被災等により、通所介護事業所等の浴槽等の入浴設備が損壊し、入浴サービスが提供できなくなった場合であっても、事業所が利用者のニーズを確認し、清拭・部分浴など入浴介助に準ずるサービスを提供していると認められるときは、入浴介助加算又は入浴介助体制加算の算定が可能である。
(H30.7.11「平成30年7月豪雨に関する災害における介護報酬等の取扱いについて」)

(F):正しい。
 介護サービスを利用している在宅の要援護高齢者等について、引き続き必要な介護サービスが確保できるよう介護サービス事業者等と連携を図るとともに、被災に伴い新たな課題やニーズを把握した場合には、居宅サービス計画(ケアプラン)等に新たなサービスを追加するなど必要なサービスの利用につなげること。
 なお、居宅サービス計画(ケアプラン)等の変更については、やむを得ずサービス変更後にケアプラン等を作成することやサービス担当者会議を電話や文書等の照会により行うことも可能であること。
 また、高齢者の家屋の状況や身体の状況等を踏まえ、必要に応じ、緊急的措置として社会福祉施設等(介護老人保健施設を含む)への受け入れを行って差し支えないこと。
(H30.7.10「平成30年7月豪雨により被災した要援護高齢者等への対応について」)

(G):正しい。
 [1] 介護支援専門員が担当する件数が40件を超えた場合
  被災地や被災地から避難者を受け入れた場合について、介護支援専門員が、やむを得ず一時的に40件を超える利用者を担当することになった場合においては、40件を超える部分について、居宅介護支援費の減額を行わないことが可能である。
 [2] 利用者の居宅を訪問できない場合
  被災による交通手段の寸断等により、利用者の居宅を訪問できない等、やむを得ず一時的に基準による運用が困難な場合は、居宅介護支援費の減額を行わないことが可能である。
 [3] 特定事業所集中減算
  被災地において、ケアプラン上のサービスを位置付ける上で、訪問介護事業所の閉鎖などにより、やむを得ず一時的に特定の事業所にサービスが集中せざるを得ない場合、減算を適用しない取扱いが可能である。

(H):間違い。
 災害の直後は一種の興奮状態で活力にあふれた状態に思えることがあるが、被災者支援は長期戦になることに留意が必要。

<参考>救援者自身のケア
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/29156943.html


・・・と書いてきて思うのですが、そもそも避難先で介護サービス(障害福祉サービスでも)利用するのは大変なことです。

福祉避難所ではなく、学校の体育館や公民館などの一般的な避難所で、人目を気にせずにオムツ交換できるようなスペースはなかなか確保できないし、入浴はもちろん清拭も難しい。
生活援助(家事援助)は、といえば台所も洗濯機も使えないような環境ですから。

だから、避難所に行かずに、被災した自宅の「なんとか寝られる程度の部屋」に残る人もいれば、狭い自家用車の中で過ごす人もいる。

そういう自家用車を居宅とみなしてサービスを提供することはできなくはないにしても、どこかもう少しマシな環境に移っていただくのが現実的ではないかと思います。
そういうマシな環境自体、被災地ではなかなか空きがなかったりしますが・・・

短期入所(生活介護・療養介護)の他、地域密着型(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護)の短期利用、それにいわゆるお泊まりデイなどが考えられます。

こういうサービスと、(B)の地域密着型サービス利用手続きの柔軟化を組み合わせると、最大2週間程度、被災地以外で生活できる時間が稼げるのではないかと思うのですが・・・