震災支援の府職員の死亡、公務認定

府職員の死亡、公務認定=東日本大震災支援―大阪高

時事通信 12/26(火)18:52配信)

 東日本大震災の被災地に派遣中に死亡した大阪府職員の男性=当時(49)=の50代の妻が、地方公務員災害補償基金を相手に、公務外認定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(田中俊次裁判長)は26日、請求を棄却した一審大阪地裁判決を取り消し、公務災害と認めた。

 判決によると、男性は2011年5月、岩手県宮古市に派遣され、避難所などを回る乗用車の運転を担当。宿泊先のホテルでくも膜下出血を発症し、6日後に病院で死亡した。

 田中裁判長は、幹線道路以外ではがれきは除去されておらず、余震の危険性を認識しながら業務に当たり、精神的緊張が強かったと指摘。ホテルでもロビーの避難者に配慮が必要で、時間だけで業務を評価すべきではないと述べた。

 その上で、悲惨な現場を目の当たりにして「惨事ストレス」に遭い、負荷の高い業務で発症したと認めた。

 一審は業務が過酷とは言えないとし、高血圧と飲酒歴があることから業務との因果関係を否定した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171226-00000106-jij-soci


一審の地裁判決文を見ていませんが、この高裁の報道を読む限り、妥当な判決だろうと思います。

2011年3月に東日本大震災が起きて、そのわずか2カ月後の派遣です。
大阪から岩手というのは平常時でもかなりの移動時間が必要ですし、それでなくても被災地に派遣されるというのは(職員にいくらやる気があったとしても)通常よりも強い緊張があったのは間違いないと思います。

なお、(レベルがわからない)「飲酒歴」はともかくとして、
仮に「高血圧」が発症や死亡に影響を与える程度であったとしたら、そんな状態の49歳の職員を被災地に派遣した府の判断に問題がなかったか、ということも気になります。

いずれにせよ、この件で、公務に全く関係ない死亡、というのは、残された奥様ならずとも、納得しづらいところです。

上告なんかするなよ、地方公務員災害補償基金