社会福祉充実計画パブコメ結果2

控除対象財産の算定方法関係

4 社会福祉充実残額の算定に当たって、財産目録の記載など、法人の事務処理が煩雑になるのではないか。

 「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」において、社会福祉充実残額算定シートを組み込むこととしており、当該算定シートにおいて、自動計算ができるようにすること等により、可能な限り円滑に事務処理が行えるよう、配慮しているところです。
 今後とも、法人の事務処理の円滑化が図られるよう、制度の施行状況を注視してまいります。


5 人件費積立資産、修繕積立資産等の積立資産については、控除対象財産とすべき。

 社会福祉充実残額の算定ルールは、全法人にとって公平なものであることが必要であることから、法人の任意でその多寡を決定できる積立資産については、会計上当該積立資産が計上されていることのみをもって控除対象財産とすることは困難であると考えております。


6 従業員向けの駐車場の設置に係る土地は控除対象財産に位置付けて欲しい。

 「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」として、控除対象財産となります。


7 対応基本金の調整は、これを行うことにより、建物価額がゼロとなってしまうケースがあることから、行うべきではない。

 基本金については、法人が維持すべき財政基盤であることから、事業継続に必要な財産として、法人が保有する資産から差し引くこととしています。
 なお、減価償却が相当程度進んでいる場合、対応基本金等の調整により、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」の計算結果がマイナスとなることがあり得ますが、この場合、他の控除対象財産の計算に影響しないよう、ゼロとする取扱いとしています。


8 減価償却累計額は、固定資産の維持・更新のための費用であり、全額控除対象財産とすべき。

 「再取得に必要な財産」の算定方法については、社会福祉法人を含め、事業体が継続的に経営する際、借入金の活用を含む運営を行っていること、また、現状、社会福祉施設等の整備に当たって、補助制度や融資制度が活用されていることなどを考慮し、一般的な自己資金の比率の範囲内で控除対象財産とすることといたしました。


9 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、建物の減価償却累計額ではなく、総工費を基準とすべき。

 「再取得に必要な財産」の算定に当たって、総工費を基準とした場合、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」において貸借対照表価額を控除していることから、当該価額相当額が二重に控除されることとなるため、適当ではないと考えています。


10 「再取得に必要な財産」については、建物を基準とした場合、解体費用や整地費用、仮施設の設置、人件費増の補てん、災害などによる不測の支出などの費用を賄うことができず、事業継続に必要なリスクヘッジが困難であり、これらを含めた算定方法を考えるべき。

 「再取得に必要な財産」の算定方法については、全法人にとって公平なルールを設定する観点から、建物を基準として算定することとしたものであり、ご理解をいただきたいと考えます。
 今後とも、制度の施行状況を注視した上で、必要な検討を行ってまいります。

11 「再取得に必要な財産」については、平均的な自己資金比率ではなく、実際の自己資金比率で算定すべき。

 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、平均的な自己資金比率又は建物建設時の実際の自己資金比率のいずれか高い方を法人が選択できる仕組みとしています。


12 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、これまでの間、1人当たりの居室面積基準等が引き上げられてきたことを適切に勘案すべき。

 今回の制度改革においては、事務処理の簡便性などにも配慮しつつ、ご指摘のような点があることを踏まえ、建設時の㎡当たりの単価と、直近の平均的な㎡当たり単価である25万円を比較した乗率を勘案することができることとしているところです。
 当該平均的な㎡当たり単価については、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、引き続き検証・検討してまいります。


13 「再取得に必要な財産」の計算式については、建替等に当たって確実に国庫補助がなされることが前提となるべき。

 将来の建替等の際の動向は定かではありませんが、「再取得に必要な財産」の計算に当たって必要となる一般的な自己資金比率等については、直近の国庫補助水準の動向等を踏まえつつ、必要な見直しを行ってまいります。


14 1㎡当たりの建設等単価については、直近1年又は2年の状況を反映すべき。

 制度施行においては、一定のデータの母数を確保する観点から、直近5か年の実績を元に設定いたしました。
 今後、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、その在り方について引き続き検証・検討してまいります。


15 建設等単価については、地域差を考慮できるスキームとすべき。

 今回の制度改革においては、地域ごとの建設費に係る網羅的なデータを把握することが困難であったことから、全国的な平均額といたしましたが、今後、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、その在り方について引き続き検証・検討してまいります。


16 「大規模修繕に必要な費用」の算定に当たって、大規模修繕とは具体的にどのような内容を指すのか、その定義を明確にすべき。

 大規模修繕の定義については、今後、Q&A等でお示しをしたいと考えています。


17 社会福祉法人本部に係る経費については、他の拠点区分から繰り入れを行っているため、本部拠点区分に限って、運転資金として年間事業活動支出全額を控除対象とすべき。

 控除対象財産の算定は、法人単位で算定するものであり、本部会計の拠点・
施設会計の拠点等、いずれの拠点単位に属している運転資金かは考慮しないこととしています。


18「主として施設・事業所の経営を目的としていない法人等の特例」については、自治体からの公費の交付に係る運用や補助金を受けて設置された基金保有などの実態を踏まえ、より弾力的に見直しをして欲しい。

 ご意見を踏まえ、社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準の3の(7)の規定について、「再取得に必要な財産」と「必要な運転資金」との合計額が年間事業活動支出を下回る場合には、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」及び「年間事業活動支出」の合計額を控除する計算式に見直しを行うことといたしました。


(つづく)