虐待と要介護(支援)度の関係

年明け早々なんですが、高齢者虐待と要介護(支援)度の関係についてのデータを見つけました。

平成26年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000111629.html

今のところ、この26年度が公表されている最新のようです。
施設従事者等による虐待のデータもありますが、ここでは養護者(家族等)による虐待のデータを見てみます。


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調査データとしては要介護1~4あたりが多いのですが、要支援者もあります。
傾向としては、
・身体的虐待、経済的虐待は、どの要介護(支援)度でも見られる。
・介護等放棄(ネグレクト)は重度者に、心理的虐待は軽度者に多く見られる。
というところでしょうか。

別に「深刻度」で見た調査もあります。


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深刻度というのはわかりにくいのですが、
5が「生命・身体・生活に関する重大な危険」
3が「生命・身体・生活に著しい影響」
1が「生命・身体・生活への影響や本人意思の無視等」
で、5が一番深刻、ということのようです。

要介護度が重度の方が「深刻度」も相対的に重度のケースが多いのですが、
要支援や要介護1などでも深刻度4~5のケースがあります。

要支援や要介護1だからといって家族が楽だとは限りません。
心理的虐待の多さからは、むしろストレスが多いのではないかとも考えられます。

介護保険のサービス(直接的な介護ではない居宅介護支援などを含む)だけで高齢者虐待を防ぐことはできないでしょうが、サービスが受けられなくなったり制限されたりすれば虐待が増えるのではないかということは容易に予想できます。

「重度者への重点化」などといって軽度者のサービスを減らすことは、非常に危険ではないかと思います。