前回は、チャトランガのインドから西への伝搬について触れましたが、今回は東、中国方面です。
たとえば、外形的には、
1)盤のマス目ではなく、直線の交点に駒が置かれること。
2)立体的な駒ではなく、丸い木片に文字を記載していること。
3)先手・後手で駒の名前が異なること。
駒の動きもけっこう違います。
将(師):王に相当しますが、縦横1個ずつしか動けません。また、自陣中央の斜め線が入った9箇所(九宮)からは出られません。さらに、将と帥が(他の駒が間に入らない状態で)直接向かい合うことはできません。
士(仕):斜めに1個ずつの動きですが、九宮からは出られません。
象(相):チャトランガなどの象と同様、斜めに2個動けますが、進路(斜めに1個先)に他の駒があれば、それを飛び越えて動くことはできません。また、中央の河を渡ることができません。
馬(片方が「にんべんに馬」の字体):八方桂ですが、前後左右に他の駒があれば、その方向には動けません。
車(片方が「にんべんに車」の字体):チャトランガなどの車(船)と同じです。
炮(砲):車と同じく前後左右の直線上を動きますが、敵駒を取るときは、間に他の駒ひとつ(敵味方を問わず)を飛び越える必要があります。
兵(卒):前に1個ずつ。ただし、河を越えると、横にも1個ずつ勧めるようになります。
ちなみに、韓国・朝鮮には、チャンギという似たゲームがあります。
シャンチーとの主な違いは、
1)駒が八角形
2)中央に河がない(なので、象は敵陣にも進める)。
3)将(帥)に相当する駒は楚(漢)で、楚・漢が直接向かい合う状態になり、相手側も解消しなかったら引き分け。なお、九宮に相当する部分から出られないのは同じだが、斜め線上も動くことができる(士も同じ)。
4)象は、前後左右に1個進んでから斜め2個進む。その進路上に他の駒があれば飛び越えられないのは同様。
5)包は炮(砲)と異なり、単なる移動(敵駒を取らない)の際も他の駒ひとつを飛び越える形でないと動けない。
3)将(帥)に相当する駒は楚(漢)で、楚・漢が直接向かい合う状態になり、相手側も解消しなかったら引き分け。なお、九宮に相当する部分から出られないのは同じだが、斜め線上も動くことができる(士も同じ)。
4)象は、前後左右に1個進んでから斜め2個進む。その進路上に他の駒があれば飛び越えられないのは同様。
5)包は炮(砲)と異なり、単なる移動(敵駒を取らない)の際も他の駒ひとつを飛び越える形でないと動けない。
6)兵は、最初から前と横に1個ずつ進める。
7)車や兵は、斜め線上を進むことができる。
などです。
同じ東アジアではありますが、日本将棋ともけっこう違いますね。
(つづく)