介護報酬の読み方

新しく自治体の介護保険の担当になった方、少しは慣れましたか?
報酬改定で、事業者からの質問も多いかもしれません。
一応、調べ方のヒントを書いてみます。

例:通所介護の中重度ケア体制加算

7 イからニまでについて、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定通所介護事業所が、中重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、指定通所介護を行った場合は、中重度者ケア体制加算として、1日につき45単位を所定単位数に加算する。

↑まず、報酬告示と呼ばれるものです。
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号)
これは、介護保険最新情報Vol.433(H27.3.19)に新旧対照表が載っています。

「別に厚生労働大臣が定める基準」とあるのは、こちらです。↓

<H27告示95>
十五 通所介護費における中重度者ケア体制加算の基準
 次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
 イ 指定居宅サービス等基準第九十三条第一項第二号又は第三号に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法(指定居宅サービス等基準第二条第七号に規定する常勤換算方法をいう。第十七号において同じ。)で二以上確保していること。
 ロ 指定通所介護事業所(指定居宅サービス等基準第九十三条第一項に規定する指定通所介護事業所をいう。以下同じ。)における前年度又は算定日が属する月の前三月間の利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護三、要介護四又は要介護五である者の占める割合が百分の三十以上であること。
 ハ 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を一名以上配置していること。

これは、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号により全部改正された平成24年厚生労働省告示第96号)で、介護保険最新情報Vol.434(H27.3.23)に載っています。

そして、これらの留意事項通知が、こちら。↓

<H12老企36>
(8)中重度者ケア体制加算について
 [1] 中重度者ケア体制加算は、暦月ごとに、指定居宅サービス等基準第93条第1項に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する必要がある。このため、常勤換算方法による職員数の算定方法は、暦月ごとの看護職員又は介護職員の勤務延時間数を、当該事業所において常勤の職員が勤務すべき時間数で除することによって算定し、暦月において常勤換算方法で2以上確保していれば加算の要件を満たすこととする。なお、常勤換算方法を計算する際の勤務延時間数については、サービス提供時間前後の延長加算を算定する際に配置する看護職員又は介護職員の勤務時間数は含めないこととし、常勤換算方法による員数については、小数点第2位以下を切り捨てるものとする。
 [2] 要介護3、要介護4又は要介護5である者の割合については、前年度(3月を除く。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定するものとし、要支援者に関しては人員数には含めない。
 [3] 利用実人員数又は利用延人員数の割合の計算方法は、次の取扱いによるものとする。
  イ 前年度の実績が6月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む。)については、前年度の実績による加算の届出はできないものとする。
  ロ 前3月の実績により届出を行った事業所については、届出を行った月以降においても、直近3月間の利用者の割合につき、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。また、その割合については、毎月ごとに記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに第一の5の届出を提出しなければならない。
 [4] 看護職員は、指定通所介護を行う時間帯を通じて1名以上配置する必要があり、他の職務との兼務は認められない。
 [5] 中重度者ケア体制加算については、事業所を利用する利用者全員に算定することができる。また、注9の認知症加算の算定要件も満たす場合は、中重度者ケア体制加算の算定とともに認知症加算も算定できる。
 [6] 中重度者ケア体制加算を算定している事業所にあっては、中重度の要介護者であっても社会性の維持を図り在宅生活の継続に資するケアを計画的に実施するプログラムを作成することとする。

平成12年3月1日付け老企第36号厚生省老人保健福祉局企画課長通知で、介護保険最新情報Vol.435(H27.3.27)に載っています。
「中重度者ケア体制加算については、事業所を利用する利用者全員に算定することができる。」という部分を太字にしたのは、どこかの自治体が「要介護3~5の利用者にしか算定できない」と言った、というネット上の情報があったからです。
通知をよく読んでいれば、こういう恥をかくことは減るでしょう。

さらに、Q&Aも出ることがあります。↓

<Q&A27.4.1>
認知症加算・中重度者ケア体制加算について
問25 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号。以下「指定居宅サービス等基準」という。)第93条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する必要があるが、具体的な計算方法如何。
(答)
 例えば、定員20人の通所介護、提供時間が7時間、常勤の勤務すべき時間数が週40時間の場合であって、営業日が月曜日から土曜日の場合には、常勤換算の計算方法は以下の通りとなる。(本来であれば、暦月で計算するが、単純化のために週で計算。)
(以下略)

介護保険最新情報vol.454・平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)です。

これらをとりまとめた図書(青本とか赤本とかいわれるもの)が出るまで、私はこれらをまとめた資料を作っていました。
一部ですが、こんな感じです。(間違いがあっても責任は持たないので、なるべく原典をご確認ください。)
http://www.jupiter.sannet.ne.jp/to403/15/ds.html#chuujuudo