統計で(国民や委員を)だます方法2

前記事の「区分支給限度基準額に関する調査結果の概要」という資料の中には、興味深いものもあります。
 
たとえば、
 
訪問介護については、看護師である評価者(市町村においてケアプランの点検・指導及び実務を行っている方)によると「提供量が多すぎる」、社会福祉士介護福祉士である評価者によると「提供量が不足している」とのこと。

それは、「ケアプラン指導者は看護師であるべき」とか「看護師ではない方がよい」というようなことではなく、
指導者級でも視点に違いが出るとすれば、それを実務にどう生かしていくか、ということを考える材料になる、
ということです。
 
ただ、調査結果を活用するためには、その調査自体を正確に、なるべくバイアスをつけずに分析する必要があります。
「支給限度額オーバーなど、介護保険の問題点の責任を生活援助に押しつける」
というような結論のために逆算してでっち上げる資料では意味はないのです。
 
前記事の資料を修正してみました。
 


イメージ 1

 
資料の下半分(元の資料の右側)を、資料の上半分(元の資料の左側)と同じ縮尺にしました。
これで、生活援助の不利な状況は解消された、といいたいところですが・・・
 
実は、これは(限度額オーバーの)ケアプランに位置づけられている回数の割合を比較したもので、
ケアプランに位置づけられている提供時間を比較したものではありません。
 
つまり、各サービスの所要時間は、必ずしも反映されていません。
 
 
(たぶん)つづく