通所介護の新規申請を拒否

通所介護の事業者過剰」三重県に新規指定拒否要望

 三重県桑名市は26日、市内で通所介護(デイサービス)の事業者が増え過ぎているとして、介護保険法に基づき、事業者指定と更新に関する協議を県に求めた。

 県は協議結果に基づき、事業者の指定申請を拒否することができるため、市内で今後、従来型のデイサービス事業を新規で始めるのが困難となる可能性がある。市町村が事業者指定について協議を求めるのは、全国的にも珍しいという。

 介護保険法のサービス事業者のうち、デイサービス事業者の指定と更新の権限は都道府県にある。

 同市によると、デイサービスでは市内に69の指定事業者があり、サービス実績は介護保険事業計画での見込みを上回っている。同市の被保険者1人当たりのサービス給付月額も、全国や県と比べて高水準にあるという。

 市は、多様な在宅サービスによる地域包括ケアシステムの構築を目指しており、デイサービスに利用者が集中するのは好ましくないと判断。今後は原則、新規の事業者指定をしないよう県と協議していく。

 市内では今年4月、医療行為を含む多様なサービスを24時間提供する「複合型サービス」の事業所が県内で初めて開設されるなど、市が事業者を指定できる在宅サービスの整備が進んでいる。市はデイサービスを抑制することで、こうした在宅サービスの利用者が増えると見込んでいる。
(2014年6月27日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100921

この拒否に向けての協議は、制度化されたのは知っていましたが、
ついに出てきたか、という印象です。

桑名市サイトなどでは、もう少し詳しい資料が出ているようですが、
直近の「介護保険事業状況報告(暫定)平成26年2月分」も確認しておきます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m14/1402.html

このデータは、現物給付は平成25年12月分、償還給付は平成26年1月分となります。

1号被保険者数に対する75歳以上被保険者数の割合(後期高齢者数の割合の近似値)
全国:48.4%  桑名市:45.9%

1号被保険者数に対する要介護(支援)認定者総数(*2号被保険者を含む)の割合
全国:18.2%  桑名市:16.0%

1号被保険者1人あたり(予防+介護)通所介護費(*)
全国:3,532円  桑名市:5,266円

要介護(支援)認定者1人あたり(予防+介護)通所介護費(*)
全国:19,372円  桑名市:32,877円

(速報値、かつ、粗い計算ということで、あくまでイメージ程度に見ていただく方がよろしいかと。)

ちなみに、この2月報告分の時点では、桑名市は定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型の実績はありません。
ただし、複合型ではない小規模多機能型居宅介護については、1人あたり給付額としては、全国平均を少し上回っています。