生活機能向上連携加算・予防訪問介護

ホ 生活機能向上連携加算 100単位

注 利用者に対して、指定介護予防訪問リハビリテーション事業所(指定介護予防サービス基準第79条第1項に規定する指定介護予防訪問リハビリテーション事業所をいう。以下同じ。)の理学療法士作業療法士又は言語聴覚士(以下この号において「理学療法士等」という。)が、指定介護予防訪問リハビリテーション(指定介護予防サービス基準第78条に規定する指定介護予防訪問リハビリテーションをいう。)を行った際にサービス提供責任者が同行し、当該理学療法士等と利用者の身体の状況等の評価を共同して行い、かつ、生活機能の向上を目的とした介護予防訪問介護計画を作成した場合であって、当該理学療法士等と連携し、当該介護予防訪問介護計画に基づく指定介護予防訪問介護を行ったときは、初回の当該指定介護予防訪問介護が行われた日の属する月以降3月の間、1月につき所定単位数を加算する。

<H18.3.17通知>

(7)生活機能向上連携加算の取扱い
 [1] 「生活機能の向上を目的とした介護予防訪問介護計画」とは、利用者の日常生活において介助等を必要とする行為について、単に訪問介護員等が介助等を行うのみならず、利用者本人が、日々の暮らしの中で当該行為を可能な限り自立して行うことができるよう、その有する能力及び改善可能性に応じた具体的目標を定めた上で、訪問介護員等が提供する介護予防訪問介護の内容を定めたものでなければならない。
 [2] [1]の介護予防訪問介護計画の作成に当たっては、介護予防訪問リハビリテーションを行う理学療法士作業療法士又は言語聴覚士(以下この号において「理学療法士等」という。)にサービス提供責任者が同行し、当該利用者のADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排せつ等)及びIADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する利用者の状況につき、理学療法士等とサービス提供責任者が共同して、現在の状況及びその改善可能性の評価(以下「生活機能アセスメント」という。)を行うものとする。
 [3] [1]の介護予防訪問介護計画には、生活機能アセスメントの結果のほか、次に掲げるその他の日々の暮らしの中で必要な機能の向上に資する内容を記載しなければならない。
  ア 利用者が日々の暮らしの中で可能な限り自立して行おうとする行為の内容
  イ 生活機能アセスメントの結果に基づき、アの内容について定めた三月を目途とする達成目標
  ウ イの目標を達成するために経過的に達成すべき各月の目標
  エ イ及びウの目標を達成するために訪問介護員等が行う介助等の内容
 [4] [3]のイ及びウの達成目標については、利用者の意向及び利用者を担当する介護支援専門員の意見も踏まえ策定するとともに、利用者自身がその達成度合いを客観視でき、当該利用者の意欲の向上につながるよう、例えば当該目標に係る生活行為の回数や当該生活行為を行うために必要となる基本的な動作(立位又は座位の保持等)の時間数といった数値を用いる等、可能な限り具体的かつ客観的な指標を用いて設定すること。
 [5] [1]の介護予防訪問介護計画及び当該計画に基づく訪問介護員等が行う介護予防訪問介護の具体的な内容は、例えば次のようなものが考えられること。
  転倒の不安から閉じこもりがちになり、次第に生活機能が低下し家事の遂行が困難となった利用者に対し、介護予防訪問介護において「浴室とトイレの掃除を週一回、自分で行うことができること」を達成目標に設定した場合。
 (一月目)利用者が、週に一回、浴室の床掃除とトイレの床掃除を行うことを目標にする。訪問介護員等は、利用者が安全に浴室とトイレの床掃除を行うことができるよう見守りを主体とした対応を行いつつ、利用者が一人で困難な部分について支援を行う。次に、掃除終了後に、床掃除に必要なしゃがみこむ動作や床からの立ち上がり動作を安定して行うことができるよう反復練習や体操の時間を設け、利用者と一緒に行う。
 (二月目)利用者が、浴室の床と浴槽をそれぞれ隔週で、かつトイレの床及び便器を週に一回行うことを目標にする。訪問介護員等は、見守りを主体とした対応を行いつつ、利用者が一人で困難な部分について支援を行う。併せて、前月に引き続き、掃除の動作に必要な体操を利用者と一緒に行う。
 (三月目)利用者が、週に1回、浴室の床及び浴槽、トイレの床及び便器の掃除を行うことを目標とする。訪問介護員等は、見守りを主体とした対応を行う。併せて、当初から実施している体操を引き続き利用者と一緒に行う。さらに、四月目以降から、見守りを必要とせずに安全に行うことを想定して、注意が必要な点や工夫等についてわかりやすく記載したものを壁に掲示する等の準備を行う。(例えば、手が届きにくくバランスを崩しやすい箇所やその際の動作上の注意点等)
 なお、利用者の動作の安定に伴い、見守りの度合いは低減するため、他の援助内容を並行して行うことも可能である。(例えば、二月目以降は、利用者が掃除を行っている間に、訪問介護員は動作の見守りと並行して調理等を行う等。)
 また、利用者の状況に応じて簡単な動作から複雑な動作へと適切な段階づけを行い、それぞれの動作を安全に行うために必要な体操等を行うことにより、利用者が確実に動作を行うことができるよう支援すること。(例えば、浴槽の縁をまたぐ動作を安全に行うために、片足立ちバランスや姿勢保持に必要な筋力強化の体操を取り入れる等。)
 また、期間を通じて、利用者が達成感を得られるよう、訪問介護員等と共に記録する日誌の作成や本人が毎日行う体操メニューを理学療法士等と共同して用意し、本人との会話や日誌を通じて把握するとともに、利用者の変化をフィードバックしながら、定着に向けて利用者の意欲が高まるようはたらきかけること。
 [6] 本加算は[2]の評価に基づき、[1]の介護予防訪問介護計画に基づき提供された初回の指定訪問介護の提供日が属する月以降三月を限度として算定されるものであり、三月を超えて本加算を算定しようとする場合は、再度の評価に基づき介護予防訪問介護計画を見直す必要があること。なお、当該三月の間に利用者に対する指定介護予防訪問リハビリテーションの提供が終了した場合であっても、三月間は本加算の算定が可能であること。
 [7] 本加算を算定する期間中は、各月における目標の達成度合いにつき、利用者及び介護予防訪問リハビリテーション理学療法士等に報告し、必要に応じて利用者の意向を確認し、当該理学療法士等から必要な助言を得た上で、利用者のADL及びIADLの改善状況及び[3]のイの達成目標を踏まえた適切な対応を行うこと。