歯科衛生士等・居宅療養管理指導

ホ 歯科衛生士等が行う場合
(1)同一建物居住者以外の者に対して行う場合 350単位
(2)同一建物居住者に対して行う場合 300単位

注 (1)については在宅の利用者(当該利用者と同一建物に居住する他の利用者に対して指定居宅療養管理指導事業所の歯科衛生士が同一日に指定居宅療養管理指導を行う場合の当該利用者(以下この注において「同一建物居住者」という。)を除く。)であって通院又は通所が困難なものに対して、(2)については在宅の利用者(同一建物居住者に限る。)であって通院又は通所が困難なものに対して、次に掲げるいずれの基準にも適合する当該指定居宅療養管理指導事業所の歯科衛生士、保健師又は看護職員が、当該利用者に対して訪問歯科診療を行った歯科医師の指示に基づき、当該利用者を訪問し、実地指導を行った場合に、1月に4回を限度として算定する。
 イ 居宅療養管理指導が必要であると歯科医師が判断した者(その実施に同意する者に限る。)に対して、歯科衛生士、保健師又は看護職員が、当該利用者を訪問し、歯科医師、歯科衛生士その他の職種の者が共同して、利用者ごとの口腔衛生状態及び摂食・嚥下機能に配慮した管理指導計画を作成していること。
 ロ 利用者ごとの管理指導計画に従い療養上必要な指導として当該利用者の口腔内の清掃、有床義歯の清掃又は摂食・嚥下機能に関する実地指導を行っているとともに、利用者又はその家族等に対して、実地指導に係る情報提供及び指導又は助言を行い、定期的に記録していること。
 ハ 利用者ごとの管理指導計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直していること。

<H12老企36>

(5)歯科衛生士等の居宅療養管理指導について
 [1] 歯科衛生士等の行う居宅療養管理指導については、訪問歯科診療を行った利用者又はその家族等に対して、当該訪問診療を行った歯科医師の指示に基づき、当該医療機関に勤務(常勤又は非常勤)する歯科衛生士等が、利用者の居宅を訪問して、利用者又はその家族の同意及び訪問診療の結果等に基づき作成した管理指導計画を利用者又はその家族等に対して交付するとともに、当該管理指導計画に従った療養上必要な実地指導を一人の利用者に対して歯科衛生士等が一対一で二十分以上行った場合について算定し、実地指導が単なる日常的な口腔清掃等であるなど療養上必要な指導に該当しないと判断される場合は算定できない。
  なお、請求明細書の摘要欄に当該居宅療養管理指導に係る指示を行った歯科医師が訪問診療を行った日と歯科衛生士等の訪問日を記入することとする。
 [2] 歯科衛生士等の行う居宅療養管理指導は、指示を行った歯科医師の訪問診療の日から起算して三月以内に行われた場合に算定する。
 [3] 歯科衛生士等が居宅療養管理指導を行った時間とは、実際に指導を行った時間をいうものであり、指導のための準備や利用者の移動に要した時間等は含まない。
 [4] 歯科衛生士等の行う居宅療養管理指導については、医療機関に勤務する歯科衛生士等が、当該医療機関歯科医師からの直接の指示、管理指導計画に係る助言等(以下「指示等」という。)を受け、居宅に訪問して実施した場合に算定する。なお、終了後は、指示等を行った歯科医師に直接報告するものとする。
 [5] 歯科衛生士等は実地指導に係る記録を作成し、交付した管理指導計画を当該記録に添付する等により保存するとともに、指導の対象となった利用者ごとに利用者氏名、訪問先、訪問日、指導の開始及び終了時刻、指導の要点、解決すべき課題の改善等に関する要点、歯科医師からの指示等、歯科医師の訪問診療に同行した場合には当該歯科医師の診療開始及び終了時刻及び担当者の署名を明記し、指示等を行った歯科医師に報告する。
 [6] 歯科衛生士等の行う居宅療養管理指導については、以下のアからキまでに掲げるプロセスを経ながら実施すること。
  ア 利用者の口腔機能(口腔衛生、摂食・嚥下機能等)のリスクを、把握すること(以下「口腔機能スクリーニング」という。)。
  イ 口腔機能スクリーニングを踏まえ、利用者の解決すべき課題を把握すること(以下「口腔機能アセスメント」という。)。
  ウ 口腔機能アセスメントを踏まえ、歯科医師、歯科衛生士その他の職種の者が共同して、利用者ごとに口腔衛生に関する事項(口腔内の清掃、有床義歯の清掃等)、摂食・嚥下機能に関する事項(摂食・嚥下機能の維持・向上に必要な実地指導、歯科保健のための食生活指導等)、解決すべき課題に対し関連職種が共同して取り組むべき事項等を記載し、利用者の疾病の状況及び療養上必要な実地指導内容や訪問頻度等の具体的な計画を含めた管理指導計画を作成すること。また、作成した管理指導計画については、居宅療養管理指導の対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。
  エ 管理指導計画に基づき、利用者に療養上必要な実地指導を実施するとともに、管理指導計画に実施上の問題(口腔清掃方法の変更の必要性、関連職種が共同して取り組むべき事項の見直しの必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。
  オ 利用者の口腔機能に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、口腔機能のモニタリングを行い、当該居宅療養管理指導に係る指示を行った歯科医師に対する報告を行うこと。なお、口腔機能のモニタリングにおいては、口腔衛生の評価、反復唾液嚥下テスト等から利用者の口腔機能の把握を行うこと。
  カ 利用者について、概ね三月を目途として、口腔機能のリスクについて、口腔機能スクリーニングを実施し、当該居宅療養管理指導に係る指示を行った歯科医師に報告し、歯科医師による指示に基づき、必要に応じて管理指導計画の見直しを行うこと。なお、管理指導計画の見直しに当たっては、歯科医師その他の職種と共同して行うこと。
  キ 指定居宅サービス基準第九十一条において準用する第十九条に規定するサービスの提供の記録において利用者ごとの管理指導計画に従い歯科衛生士等が利用者の状態を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に歯科衛生士等の居宅療養管理指導費の算定のために利用者の状態を定期的に記録する必要はないものとすること。
 [7] 当該居宅療養管理指導に係る指示を行った歯科医師は、訪問診療の結果等に基づき指示した内容の要点を記載し、共同で作成した管理指導計画を添付する等により保存する。また、管理指導計画に基づき、実際に実地指導を行う歯科衛生士等に対して指示等を行い、指示等の内容の要点を記載する。さらに、管理指導計画の見直しに当たっては、歯科衛生士等の報告をうけ、歯科医師の訪問診療の結果等に基づき、指示した内容(療養上必要な実地指導の継続の必要性等)の要点を記載し、共同で作成した管理指導計画を添付する等により保存する。なお、当該記載及び添付については、医療保険の診療録に記載及び添付することとしてもよいが、記載については、下線又は枠で囲う等により、他の記載と区別することとする。
 [8] 利用者の口腔機能の状態によっては、医療における対応が必要である場合も想定されることから、その疑いがある場合は、利用者又は家族等の同意を得て、指示を行った歯科医師歯科医師を通した指定居宅介護支援事業者等への情報提供等の適切な措置を講じることとする。

<Q&A24.3.16>

問53 歯科衛生士等が行う居宅療養管理指導において、月の途中から給付が医療保険から介護保険に変更した場合に、どのように取扱うのか。
(答)
 月の途中から医療保険から介護保険に変更した場合、1月当たりの算定回数については、同一医療機関において、両方の回数を合算する。

 ※ 平成15年Q&A(vol.1)(平成15年5月30日)居宅療養管理指導のQ4は削除する。