北杜夫さん

北杜夫さん死去=「楡家の人びと」「どくとるマンボウ

時事通信 10月26日(水)8時5分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111026-00000024-jij-soci

 大河小説「楡家の人びと」やユーモアあふれるエッセー「どくとるマンボウ」シリーズなどで知られる作家で元精神科医北杜夫(きた・もりお、本名斎藤宗吉=さいとう・そうきち)さんが26日までに死去した。84歳だった。
 アララギ派歌人精神科病院を経営する斎藤茂吉の次男として東京に生まれた。旧制松本高校時代にトーマス・マンの作品や父茂吉の歌集を読んで文学に心酔。東北大医学部在学中から小説を書き始め、卒業後は慶大病院に勤務の傍ら、同人誌「文芸首都」に参加した。
 1958年から59年にかけて水産庁調査船の船医としてアジアから欧州を航海。その体験を記した60年のエッセー「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになった。
 同年、ナチスドイツに抵抗して患者を救おうと苦悩する精神科医を描いた「夜と霧の隅で」で芥川賞受賞。斎藤家をモデルに精神科病院一族の歴史を描いた64年の「楡家の人びと」で毎日出版文化賞を受賞。純文学作品の一方で、「怪盗ジバコ」「さびしい王様」などのユーモア小説や「船乗りクプクプの冒険」などの児童文学作品も発表し、若い世代を中心に人気を集めた。
 自身のそううつ病双極性障害)の病状をエッセーで面白おかしくつづったほか、熱烈な阪神タイガースファンとしても知られた。兄は精神科医の故斎藤茂太さん。長女はエッセイストの斎藤由香さん。

少年時代の私の読書傾向に大きな影響を与えた方です。
昆虫好きだった私は、「どくとるマンボウ昆虫記」から入り、航海記、青春期などの「マンボウ」シリーズ、ついで「幽霊」などの純文学作品に進みました。

狐狸庵シリーズで有名な遠藤周作氏に関心を持ったのも、両氏の対談を読んだのがきっかけだったように思います。

躁鬱病などに対する世間のイメージを変え、そういう傾向を自覚する方が気軽に口に出せるようになったのも、北氏のエッセイなどの影響が大きいでしょう。

ご冥福をお祈りするとともに、感謝の言葉を捧げたいと思います。