中山間地域の介護サービス確保(1)

高知県「平成22年4月政策提言」の「中山間地域における介護サービスの確保」より、一部を紹介します。
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/111601/seifuteigen-2204.html



中山間地域における介護サービスの確保
政策提言先 厚生労働省

政策提言の要旨
 介護サービス事業の効率的な運営が困難な中山間地域においても、必要な介護サービスの提供がされるよう助成制度の創設を提言します

【政策提言の具体的内容】
 中山間地域に居住する要介護者に対し、訪問介護通所介護などの居宅サービスが十分に提供されるよう、利用者が少ない地域や遠距離へのサービス提供を行っても赤字とならないよう介護サービス事業者への助成制度を創設することが必要です。
 また、この際、利用者の自己負担や介護保険料のアップにつながらないような仕組みとすることが必要です。

【政策提言の理由】
 高齢者が、たとえ介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、どのような地域においても必要とする介護サービスの提供が求められるが、下記のような課題があります。

介護報酬に設けられている特別地域加算は、加算対象の地域内では一律15%となっているため、居住者が特に少ない地域や事業所から遠方の利用者など、効率や採算性の面で課題があるサービス提供にはインセンティブが働きません。

・当県の多くを占める中山間地域は、要介護者が広範囲に点在し、訪問や送迎に多くの時間を要することから介護事業者の参入が少なく、主に市町村社会福祉協議会が赤字を出しながら介護サービス事業を担っています。

・遠方の利用者にとっては、採算性から事業者が積極的なサービス提供を行わないため、利用回数の制限や希望する曜日に利用できないといった実態もあります。

当県の中山間地域の被保険者は、他の地域と比べ低所得者が多いにもかかわらず、現行の特別地域加算は介護報酬に加算する仕組みとなっているため、利用者の自己負担や介護保険料の増加を招いています。

高知県担当課室】地域福祉部高齢者福祉課
 
色文字強調は、引用者が行いました。
特に、最後の「特別地域加算の利用者負担増」の問題は、私が以前からパブリックコメント等で指摘していたことでもあります。
(が、厚生労働省は、全く無視してきました。)
 
なお、これらの問題は、離島等地域でも共通です。
 
高知県の提言には、資料(図)が添付されていますが、それは次の記事で紹介します。