新型インフル対策/個人防護具編

「消毒編」のついでに、これも介護保険最新情報Vol.101から。


(問4)個人防護具(マスク、手袋、ゴーグル等)はどのように扱えばよいか。

(答)
 新型インフルエンザの感染防止策として使用する、マスク、手袋、ゴーグル、フェイスマスクの取り扱いについては、以下に留意すること。

1.マスク
 ○症状のある人がマスクを着用することによって、咳やくしゃみによる飛沫の拡散を防ぎ、感染拡大を防止できる。ただし、健康な人が日常生活においてマスクを着用することによる効果は現時点では十分な科学的根拠が得られていない。そのため、マスクによる防御効果を過信せず、お互いに距離をとるなど他の感染防止策を重視することが必要となること。
 ○マスクの装着に当たっては説明書をよく読み、正しく着用すること。特に、顔の形に合っているかについて注意すること。
 ○マスクは表面に病原体が付着する可能性があるため、表面に触れないよう取り扱うとともに、原則使い捨てとし(1日1枚程度)、捨てる場所や捨て方にも注意して、他の人が触れないようにすること。
 ○なお、家庭用の不織布製マスクは、新型インフルエンザ流行時の日常生活における使用において、医療用の不織布製マスク(サージカルマスク)とほぼ同様の効果があると考えられること。

2.手袋
 ○新型インフルエンザウイルスは、手から直接感染するのではなく、手についたウイルスが口や鼻に触れることで感染する。つまり、手袋をしていても、手袋を着用した手で鼻や口を触っては感染対策にはならないこと。
 ○手袋着用の目的は、自分の手が汚れるのを防ぐためである。したがって、滅菌されている必要はなく、ゴム製の使い捨て手袋の使用が考えられる。手袋を外した後は、直ちに流水や消毒用アルコール製剤で手を洗うこと。
 ○手袋を介して感染が広がらないよう、少なくとも感染者、濃厚接触者及びその他の者に接する場合は、手袋を交換すること。

3.ゴーグル、フェイスマスク
 ○ゴーグルやフェイスマスクは、介護現場において直接に飛沫をあびるような処置が行われる場合に、眼の結膜からの感染を防ぐために着用が考えられる。ゴーグルは、直接的な感染だけでなく、不用意に眼を触ることを防ぐことで感染予防にもつながることが期待される。
 ○しかし、ゴーグルは、すぐに曇ったり、長時間着用すると不快である。購入にあたっては、試着して従業員の意見をよく聞きながら選択すること。

4.個人防護具(マスク、手袋、ゴーグル等)の廃棄
 ○個人防護具の着用時、廃棄や取り替えの時には、自らが感染したり、感染を拡大するおそれがあるため注意が必要であること。
 ○基本的に、個人防護具は使い捨てであり、できる限り1日に1~2回は交換し、使用済みのものはすぐにゴミ箱に捨てる。ウィルスの付着したゴミは密閉された容器に回収し、廃棄する際は、ゴミ袋に封をした上で、開封する危険性のないように留意すること。
 ○しかし、使い捨てはコストがかかる上、場合によっては個人防護具が不足する可能性もある。そのような状況では、使用時間を長くする、繰り返し使用することも検討すること。
 ○全ての個人防護具を外した後には、個人防護具にウイルスがついている可能性もあるのですぐに手洗いや消毒用アルコール製剤による消毒を行う。また、廃棄場所を定め、その処分をする人の感染防止策についても十分に検討しておく必要があること。