介護保険最新情報Vol.881(4)

 

 (5)新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者等への適切な対応の実施

○ 濃厚接触者等については、保健所と相談の上、以下の対応を行う。
 なお、濃厚接触者については14日間にわたり健康状態を観察することとしており、以下の対応は感染者との最終接触から14日間行うことが基本となるが、詳細な期間や対応については保健所の指示に従うこと。
 [1] 職員の場合の対応
  保健所により濃厚接触者とされた職員については、自宅待機を行い、保健所の指示に従うこと。職場復帰時期については、発熱等の症状の有無等も踏まえ、保健所の指示に従う。
 【なお、濃厚接触が疑われる段階においては、発熱等の症状がある場合は、自宅待機を行い、保健所の指示に従う。また、発熱等の症状がない場合は、保健所と相談の上、疑われる職員数等の状況も踏まえ対応する。】

 [2] 利用者の場合の対応
  保健所により濃厚接触者とされた利用者については、以下の対応を行う。
  ・当該利用者については、原則として個室に移動する。
  ・有症状となった場合は、速やかに別室に移動する。
  ・個室が足りない場合は、症状のない濃厚接触者を同室とする。
  ・個室管理ができない場合は、濃厚接触者にマスクの着用を求めた上で、「ベッドの間隔を2m以上あける」または「ベッド間をカーテンで仕切る」等の対応を実施する。
  ・濃厚接触者が部屋を出る場合はマスクを着用し、手洗い、アルコール消毒による手指衛生を徹底する。
  ・当該利用者とその他の利用者の介護等に当たっては、可能な限り担当職員を分けて対応を行う。
  ・職員のうち、基礎疾患を有する者及び妊婦等は、感染した際に重篤化するおそれが高いため、勤務上の配慮を行うこと。
  ・当該利用者へのケアに当たっては、部屋の換気を1、2時間ごとに5~10分間行うこととする。また、共有スペースや他の部屋についても窓を開け、換気を実施する。
  ・職員は使い捨て手袋と{サージカルマスク}を着用する。咳込みなどがあり、飛沫感染のリスクが高い状況では、必要に応じてゴーグル{やフェイスシールド}、使い捨て{袖付き}エプロン、ガウン等を着用する。
  ・体温計等の器具は、可能な限り当該利用者専用とする。その他の利用者にも使用する場合は、消毒用エタノールで清拭を行う。
  ・ケアの開始時と終了時に、(液体)石けんと流水による手洗いまたは消毒用エタノールによる手指消毒を実施する。手指消毒の前に顔(目・鼻・口)を触らないように注意する。「1ケア1手洗い」、「ケア前後の手洗い」を基本とする。
  ・濃厚接触者のうち有症状者については、リハビリテーション等は実施しないこと。無症状者については、利用者は手洗い、アルコール消毒による手指消毒を徹底し、職員は適切な感染防護を行った上で個室又はベッドサイドにおいて、実施も可能であること。

<個別のケア等の実施に当たっての留意点>
 濃厚接触者に対する個別のケア等の実施に当たっては以下の点に留意する。
(i)食事の介助等
・食事介助は、原則として個室で行うものとする。
・食事前に利用者に対し、(液体)石けんと流水による手洗い等を実施する。
・食器は使い捨て容器を使用するか、または、濃厚接触者のものを分けた上で、熱水洗浄が可能な自動食器洗浄機を使用する。
・まな板、ふきんは、洗剤で十分洗い、熱水消毒するか、次亜塩素酸ナトリウム液に浸漬後、洗浄する。

(ii)排泄の介助等
・使用するトイレの空間は分ける。
・おむつ交換の際は、排泄物に直接触れない場合であっても、手袋に加え、{サージカルマスク}、使い捨て{袖付き}エプロンを着用する。
{使用済み}おむつ{等の}廃棄物{の}処理{に当たっては感染防止対策}{講じる(注)}
 ※ポータブルトイレを利用する場合の介助も同様とする。(使用後ポータブルトイレは洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム液等で処理を行う。)

(iii)清潔・入浴の介助等
・介助が必要な場合は、原則として清拭で対応する。清拭で使用したタオル等は熱水洗濯機(80℃10分間)で洗浄後、乾燥を行うか、または、次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行う。
・個人専用の浴室で介助なく入浴ができる場合は、入浴を行ってもよい。その際も、必要な清掃等を行う。

(iv)リネン・衣類の洗濯等
・当該利用者のリネンや衣類については、その他の利用者と必ずしも分ける必要はないが、熱水洗濯機(80℃10分間)で処理し、洗浄後乾燥させるか、または、次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行う。
・当該利用者が鼻をかんだティッシュ等の{ごみ}の処理は、ビニール袋に{入れるなどの感染防止対対策を講じる(注)}
 {(注)社会福祉施設等のうち介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設助産施設等廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)別表第1の4の項の中欄に掲げる施設に該当する施設において生じた使用済みおむつ及びティッシュ等については感染性廃棄物として処理を行うこと。
 それ以外の施設において生じた廃棄物は、感染性廃棄物には当たらないが、当該施設内や廃棄物処理業者の従業員への感染防止の観点から、ごみに直接触れない、ごみ袋等に入れて封をして排出する、捨てた後は手を洗う等の感染防止策を実施するなどして適切な処理を行うこと。
 詳細は、「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル1」(平成30年3月)及び「廃棄物に関する新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン2」(令和2年9月)を参照のこと。
1 http://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual1.pdf
2 http://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/infection/202009corona_guideline.pdf }

 

 

(つづく)