介護基準改正パブコメ結果7

7(3)[2]、8(3)[3] 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携

65 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携体制の構築について、地域によっては第二種協定指定医療機関の数が限られ、地方の小規模な施設が単独で第二種協定締結医療機関と連携することは困難。行政において医療機関と高齢者施設等との連携を調整する必要があるのではないか。

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第10条の2の規定に基づき都道府県が設置する連携協議会において、高齢者施設等と医療機関との連携についても議論・協議の対象となっており、地域の実情に応じた医療提供体制の整備や連携体制の構築が進められていくものと承知しています。
 各地域における協定締結の状況や連携の状況を踏まえて引き続き必要な対応を検討してまいります。


66 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携体制の構築について、提案されている案ではなく、各都道府県に医療機関や高齢者施設等の関係者を含む委員会を設置し、新興感染症発生時の対応や留意点を協議することとしてはどうか。
 また、各施設においては、その内容を踏まえた上で、地域性も踏まえながら、新興感染症の対応を検討し、その対応方法をBCPに盛り込むこととしてはどうか。

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第10条の2の規定に基づき都道府県が設置する連携協議会において、高齢者施設等と医療機関との連携についても議論・協議の対象となっており、地域の実情に応じた医療提供体制の整備や連携体制の構築が進められていくものと承知しています。
 このほか、今回の介護報酬改定では、高齢者施設等における医療機関との連携を含む感染症対応力向上のための取組を評価する加算を新設することとしております。
 これらの取組を通して、高齢者施設等における感染症対応力の向上を推進してまいりたいと考えております。


67 新興感染症発生時等の対応を行う第二種協定指定医療機関との連携などは重要であり、これを進めるためには医療機関及び事業者に財政措置を行うべきではないか。

 今回の介護報酬改定では、高齢者施設等における医療機関との連携を含む感染症対応力向上のための取組を評価する加算を新設することとしております。

 

8(1) 小規模介護老人福祉施設の配置基準の緩和

68 小規模介護老人福祉施設の配置基準の緩和について、緩和されるのは、本体施設となる小規模介護老人福祉施設に対して併設しているサービスの配置基準となっている。例えば、指定短期入所生活介護の配置基準を確認する際に、その配置の緩和が本体施設となる指定介護老人福祉施設側の配置基準を確認しなければわからないような作りだと分かりづらい。そのため、配置基準の緩和は、緩和されるサービス側の方に示されるべきと考える。

 特定の介護老人福祉施設に他の介護サービス事業所が併設される場合における配置基準の緩和であることから、併設される介護サービス事業所の類型別にそれぞれ運営基準を改正するのではなく、介護老人福祉施設の運営基準を改正することとしており、これは現行の地域密着型介護老人福祉施設の運営基準と同様の考え方です。一方で、御意見を踏まえ、併設される介護サービス事業所にもこうした見直し内容が行き届くよう、丁寧に周知を行ってまいります。


10(1) 「書面掲示」規制の見直し

69 原則ウェブサイトへ掲載することとされているが、ホームページを持たない法人や事業所はどのように対応するのか。新しくウェブサイトを構築しなければならなのだとすると、費用や手間がかかる。掲示方法は選択できるようにすべき。

 今般の改正は、新たにウェブサイトの構築を求めるものではなく、既存の法人等のホームページへの掲載や介護サービス情報公表システムへの公表を手段として想定しており、その旨今後通知でお示しする予定です。


70 小規模事業者の負担にならないようにしてもらいたい。

 小規模な事業所への負担にも配慮した運用を検討いたします。


71 「経過措置1年」とあるが3年としてはどうか。

 当該経過措置は、介護サービス情報公表システムの改修期間等を考慮して設けるものであり、利用者の利便性に鑑みるとウェブサイトへの重要事項の掲載は速やかに行われることが望ましいため、期間は1年間が適切と考えております。


72 どの事業者も運営規程は同じなので、ホームページへの掲載は不要ではないか。

 運営規程は事業者ごとに定めていただくものであり、利用者が場所を問わずその内容を確認できるようにする上では、ホームページへの掲載が必要と考えております


73 重要事項の書面掲示は、利便性もなければ実効性もない基準であり、アナログ規制の典型である。そのため、書面掲示は不要とし、「ウェブサイトへの掲載」と「ファイルでの備え置き」に限定して義務付けるのが適当。

 現行でも備え付けによって書面掲示を代替することは可能です。


10(3)身体的拘束等の適正化の推進

74 緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う際の記録や身体的拘束等の適正化のための委員会の設置等について、事業所の負担となるため、介護報酬上加算で評価すべきではないか。
 また、家族等が身体的拘束等をしていた場合の連絡先等を検討して頂けないか。

 身体的拘束等は、緊急やむを得ない場合を除き禁止されており、この緊急やむを得ない場合の判断については、身体的拘束等を行う際の記録を含め、客観的で慎重かつ十分な手続き(委員会での協議等)のもとで行われる必要があります。そのため、当該取組に関しては、介護報酬上の加算で評価を行うのではなく、運営基準上で義務付けを行うこととしております。
 なお、小規模な事業所においても過剰な負担とならないよう、具体的な方法・配慮等を、解釈通知等により示してまいります。
 また、ご家族等による身体的虐待等が行われている場合は、自治体や地域包括支援センターにおける権利擁護の相談窓口にご相談ください。


75 身体的拘束等について、利用者からの暴力等によるサービス事業者の職員の安全に配慮する場合も、緊急やむを得ない場合に含めるべきではないか。

 身体的拘束等は、緊急やむを得ない場合を除き禁止されており、この緊急やむを得ない場合とは、入所者又は利用者の権利擁護の観点から、当該入所者又は利用者の生命又は身体を保護するために必要である場合などを要件として判断することとしております。
 一方で、サービスの提供に当たって職員の安全に配慮することは重要であり、例えば、入所者又はその家族等からのカスタマーハラスメント等に対して必要な措置を講じるに当たっては、身体的虐待等ではなく、「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」、「(管理職・職員向け)研修のための手引き」等を参考にした取組を行うことが望ましいと考えております。

 

※上記のほか、48件の今回の意見募集に関係ない御意見をいただきました。