7(2) 口腔衛生管理の強化
54 定期的な口腔衛生管理は歯科医療機関が行うことであり、居住系サービスで個々の入居者の口腔衛生状況を把握、管理するのは困難である。現状の口腔衛生管理を行うのであれば、定期的に歯科を受診する事を入居条件の一つとして国の方で指示を願いたい。
居住系サービスについては、口腔衛生管理における取組において更なる推進が必要と認識しております。このため、令和6年度介護報酬改定においては、入居者の状態に応じた適切な口腔衛生管理を求める観点から、3年の経過措置期間を設けた上で、特定施設入居者生活介護等における口腔衛生管理体制加算を廃止し、同加算の算定要件の取組を一定緩和した上で、基本サービスとして行うこととしています。なお、口腔管理に係る歯科専門職を含めた効果的な多職種連携の在り方について引き続き検討してまいります。
55 口腔衛生の確保は大変重要である。口腔衛生の管理を行うための歯科医院との連携について介護報酬で措置するとともに、連携する歯科医院に対する財政措置を行うべきである。
介護分野においても、歯科専門職種をはじめ、多職種連携のもと、口腔衛生管理等に取り組むことは重要と認識しております。
口腔管理に係る歯科専門職を含めた効果的な多職種連携の在り方について引き続き検討してまいります。
7(3)[1]、8(3)[2] 協力医療機関との連携体制の構築
56 協力医療機関との連携体制の構築について、24時間診療や入院の受け入れを行う医療機関というのは要求水準が高く、また、地域によってはそのような医療機関は限られており、対応は困難である。
協力医療機関との連携に係る見直しについては、3年の経過措置を設けるとともに、その間、連携体制に係る実態把握を行うとともに必要な対応について検討することとしています。
また、在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所の施設基準において、24時間連絡を受ける体制の確保、24時間の往診体制、緊急時の入院体制等の基準が設けられており、このような在宅医療を担う地域の医療機関等との連携を念頭に、協力医療機関の各要件を設けております。
57 協力医療機関との連携の構築について、救急搬送される場合は、救急車が対応する病院を探すことが多いが、それは病院で対応する医師が不在であることや、患者数が多すぎることが要因であり、協力医療機関においても同じ状況ではないか。
協力医療機関の連携に係る見直しについては、入所者の急変時等に夜間休日も含め対応可能な在宅療養支援病院などの医療機関と実効性のある連携体制を構築する必要がある等の同分科会での議論を踏まえて決定しております。
58 協力医療機関との連携体制の構築について、新たな報酬の上乗せや財政措置が必要ではないか。
今回の介護報酬改定では、協力医療機関との実効性のある連携体制を構築する観点から、協力医療機関と入所者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することを評価する加算を新設することとしています。
59 協力医療機関との連携体制の構築について、以下3点を確認したい。
1.「複数の医療機関を定めることにより要件を満たすことも差し支えない」とあるが、例えば、要件1と2を満たす医療機関Aと、要件3を満たす医療機関Bを協力医療機関として定めることも差し支えないか。
2.当該協力医療機関との間で契約等の締結が必要か。
3.「入所者の病状が急変した場合等において、医師又は看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。」とあるが、協力医療機関において夜間のオンコール体制が確保されていることが必要となるか。また、協力医療機関がオンコール体制を外部に委託している場合であっても、当該要件を満たすことになるのか。
1についてはご指摘のとおりです。
2については協力医療機関との契約等の締結が必要です。
3については、通知等でお示しすることを検討します。
60 協力医療機関との連携体制の構築について、介護老人保健施設や介護医療院のような医師の配置がある施設については、急変時等の対応は当該医師が行うのではないか。
また、施設から医療機関に入院した後に、退院が可能となった場合に「速やかに」入居させることができるよう努めるとあるが、速やかとはどの程度であるか。再入所のためにベッドを空けることや既存の入所者を退所させることは現実的でない。
介護老人保健施設や介護医療院などにおいて夜間休日も含め、施設の医師が対応する体制を確保している場合の取扱いについては、検討します。
また、医療機関に入院した方の退院時の受け入れについては、ベッドを常に空けておくという趣旨ではなく、退院後にできる限り早期に再入所できるよう努めていただくことを規定するものです。
61 協力医療機関との連携体制の構築については、現状、常時診療が行われておらず、救急にお願いするような実態があるため、努力義務ではなく義務化した方がよいのではないか。
協力医療機関との連携に係る見直しについて、今回の改定では努力義務とする方針の特定施設、認知症グループホームについても、義務化に向けて引き続き検討してまいります。
62 協力医療機関との連携体制の構築について、医師不足で立場の弱い施設が、常時診療を行う体制を確保している医療機関等と連携を行うことを原則とすれば、救急搬送に抑制がかかり、かえって危険ではないか。
入所者の急変時等に適切な対応が行われるよう、協力医療機関と実効性のある連携が必要と考えています。
そのため、今回の介護報酬改定では、協力医療機関と入所者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することを評価する加算を新設することとしており、協力医療機関との実効性のある連携体制の構築に取り組んでいただきたいと考えています。
63 協力医療機関との連携体制の構築について、入院を要すると認められた場合に、原則として受け入れる体制を確保している協力医療機関については、病院に限らず、有床診療所も対象とすべきである。
介護保険施設については、これまでも協力病院を定めることを義務づけており、入院を要すると認められた場合に、原則として受け入れる体制が確保された協力病院を定めることを新たに義務づけるものです。
64 年1回以上の協力医療機関との間での対応の確認や、新興感染症発生時の対応の協議は、その機会をつくることが双方にとって大きな負担であり、応じない医療機関が発生する可能性があるのではないか。
今回の介護報酬改定では、協力医療機関との実効性のある連携体制を構築する観点から、協力医療機関と入所者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することを評価する加算を新設することとしています。
そのような会議の中で、協力医療機関との連携内容についての確認等も併せて行っていただくことを想定しています。
(つづく)