橋下徹氏「絶対に間違っている」少子化対策めぐる医療保険料への上乗せ徴収政府案に強い疑問
日刊スポーツ 11/12(日) 10:29配信
大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏が12日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した。政府が、少子化対策の財源を確保するための「支援金制度」をめぐり、個人の支払い能力に応じた額を医療保険料に上乗せする案を示したことに対し「とんでもない」と怒りをあらわにした。
橋下氏は「税金を上げるということには国民が反対するからといって、社会保険料、特に医療保険料を上げに来た。でもね、医療保険は医療サービスのための保険料ですから」と指摘。「子育て支援にお金を充当しないといけないのは分かるし、国全体でしっかり支えなきゃいけないというのは分かるが、そこが医療保険かよと。上げやすいところ、国民になんとなく反発を受けないようなところに手を出すというのは、保険の仕組みを完全に逸脱している」と厳しく批判した。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/989693c16b54b86f06dac51d463dfae5542b84d1
橋下氏の発言には、政治家時代も辞めてからも疑問の場合がありますが、これには同意します。
以前、「社会保険料に余裕はない」でも触れましたが、
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/05/07/153246
「医療や年金はそれぞれの目的と負担との関係で(制度を)作っている。今が目一杯で、(負担と給付が)均衡する形でいただいている」
と当時の加藤厚労相も指摘しています。
「医療保険料」本体ではなく「個人の支払い能力に応じた額」を上乗せするのだからいいだろう、という政府の理屈かもしれませんが、これは成り立ちません。
保険料本体で、すでに払うのが苦しい、あるいは払えていない人々がいるのに、上乗せ分が負担できるでしょうか?
子育て中の人々には、ひょっとしたら世帯収入として増える場合があるかもしれません。
でも、たとえば結婚資金を溜めようとしている若い世代にとっては、逆に「子育て生活」に入ることを邪魔する効果になる可能性があります。
それに、「増税メガネ」(この表現自体は視力の弱い人に対する揶揄の要素もあり、私は好きではありませんが)と批判されたことが首相には響いているのかもしれませんが、仮に必要な金を集めるとすれば、それは累進性の弱い社会保険料ではなく、所得税など累進性(というか経済弱者への配慮)が機能している制度等で検討すべきです。
ちなみに、医療保険に上乗せすると、たとえば「国民健康保険税」として賦課徴収している自治体においては、立派な(?)増税となります。