年収の壁、助成での解消は疑問

年収の壁、企業助成50万円 従業員の保険料穴埋め、年内にも
共同通信 6/28(水) 17:10配信

 配偶者に扶養されるパート従業員が、社会保険料負担の発生を避けるため働く時間を抑える「年収の壁」に関する政府の対策案が分かった。保険料を穴埋めする手当を払った企業に対し、従業員1人当たり最大50万円を助成。従業員の負担解消につなげ、労働時間を延長しやすくすることで人手不足緩和を狙う。関係者が28日明らかにした。

 飲食業や観光業を中心に、コロナ禍後も働き手が戻らず、営業に支障が出ている所もある。個人の収入確保とともに、経済を円滑に回す環境整備を進める。

 政府内の調整を経て最終決定し、年内にも対策を開始。時限措置とする。「年収の壁」見直しは人手不足に悩む企業側が求め、岸田文雄首相が2月に「対応策を検討する」と踏み込んだ。抜本的な対策は先送りし、2025年の法案提出を目指す年金制度改革の中で議論する。

 対策案では、所定労働時間の延長などで生じた保険料の全部または一部を、企業が手当として従業員に払うことができる仕組みをつくる。手当は賃金に含めない特別扱いとし、手当による保険料増は生じない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4a1e65cf8fa8cf5ba2c9a0977e98a9134e00df2

 


う~ん、これはどうでしょうか。

 

 

つまり、上の図のようなイメージですよね?

勤務先の庶務担当者の負担が非常に大きくなるような気がします。
(それに、勤務先側の保険料負担分は助成しないのなら、勤務先側もよけいに嫌になりますよね。)
しかも、時限措置の助成金ということは、いずれはなくなるということですね?
また、「手当は賃金に含めない特別扱い」というのは、税の制度上はおかしいように思います。

 

本件については、本来は社会保険料の賦課を緩やかにすべきではないでしょうか。
基準(従業員101人以上なら106万円、それ以外なら130万円)を超えてすぐの人は保険料額を少額に減額(減免でもいいです)し、少しずつ(事務的に面倒なら複数段階に分けて)本来の賦課額に近づけていくようにすれば、「切り立った壁」ではなく、なだらかなスロープになり、働く時間を増やしたらそれだけ手取りが増えるという実感が得られるのではないかと思います。

あくまでイメージですが、下図のような感じで。

 

 

なお、これで社会保険料収入が不足する分は、国費で補填しましょう。
財源? この措置でパートなどの労働者の勤務時間が増えれば、収入も増えて、所得税も住民税も増えるでしょう?
企業の人手不足が緩和されれば、法人税や消費税も増える効果が期待できますよね?

 

ついでに。
住民税や所得税などの「壁」も、もう少し引き上げる方向で改めてはいかがでしょうか。
物価高で、最低生活費も以前よりは上昇しているはずです。
その証拠に、消費税など税収額も過去最高になっているんでしょ、国税庁さん。