生殖機能が危ないというデマ

新型コロナのワクチンに限ったことではないと思いますが、ワクチンが生殖機能に悪影響を及ぼすというデマが、いまだに流布されているようです。

 

2021年6月24日の当ブログでも、同日付けの河野太郎氏のブログを引用しました。

********************
中国やロシアが、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンの信頼性を傷つけるような情報発信をソーシャルメディアなどを使って複数の言語で行っています。
また、ワクチンに関する偽情報やデマを監視している団体によると、TwitterFacebookにあるワクチン関連のそういった誤った情報の65%はわずか12の個人と団体が引き起こしていることが確認されています。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/06/24/205019

 

河野太郎も信用できない」という人がいるかもしれませんが、これは同氏のオリジナルではなく、EUの対外行動庁の報告書から、河野氏が引用した情報です。
日本を含めた、いわゆる西側諸国の政府、政治家なども誤った情報を発信する可能性はゼロではないでしょう。


しかし、民主主義国、というより報道の自由のある国では、誤情報を撒き散らしていると批判を浴び、対応によっては票を失い、政治家生命すら失ってしまいます。
そういう仕組みにより、中露などよりは情報の信頼性が高いのは間違いないところです。
(これは、たとえばウクライナとロシア、どちらが発する情報が正しいか、という問題にも応用可能です。)

 

<2022/12/03 暫定で削除>

だいたい、何らかの異物が動物の中に入ったとしても、それが生殖機能に影響するという可能性は、通常は極めて低くなっています。
生殖機能というのは、生物にとって非常に重要なものですから。
(逆に、「頭がよくなる薬」みたいなものを飲んだとしても、それが精子卵子にプラスの影響を与えることも考えにくいです。)

 

だから、もし何らかの問題物質がワクチンの中に入っていたとしても、解毒を司る肝臓のような臓器に、先に影響が出るはずです。
ところが、肝臓、あるいは腎臓に障害が出た、という情報なしに、「不妊になった」「胎児に異常が出た」などという情報だけが出てくるのは、明らかに(おそらくは意図的な)誤情報と考えてよいでしょう。

<削除ここまで>

(削除の理由など https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/12/05/220726

 

 

それにしても、このような「生殖機能に悪影響」みたいなデマがよく出るのでしょうか?

 

個人的意見ですが、二つぐらい考えられます。

 

1)「生殖機能に悪影響」というのは衝撃的で、個人の冷静な判断力を奪いやすい。
2)「生殖機能に悪影響」というのは、他の有害事象に比べてウソがばれにくい。

 

1については、いいですね?

2について補足すれば、「生殖機能以外への有害事象」というのは、それが起きるかどうか、短時間でわかりやすい、ということです。
たとえば副反応で体温が上がる、接種部位が痛む。これらは、接種当日か翌日には発現し、普通は遅くとも数日で消失します。


ところが、「不妊になる」「子どもに悪影響が出る」というのは、少なくとも数か月か、年で数える単位でないと「ウソである」という結果が明らかになりません。
不安をかきたてておけば、そもそも「妊活」に入ることを躊躇する人すらあるかもしれません。

 

だから、中国なりロシアなりの工作員か、それに類する人間が流布するデマとしては、比較的有効ということになるのではないでしょうか。