追い詰められて一手パス?

おととい(9月4日)、カーリングアルゴグラフィックスカップは学生選抜の優勝で幕を閉じました。

が、今日は優勝チームには関係ないカードから、個人的に印象に残った場面を。

 

準決勝のフォルティウス対ロコ・ステラです。
ハンマー(第1エンドの有利な後攻の権利)はフォルティウスが取ったのですが、先攻のロコ・ステラがスチールに成功しました。
その次、引き続き後攻で迎えた第2エンドのフォルティウス(赤)の最終投。

 

 

No.1は赤ですが、No.2はそのすぐ上の黄(ロコ・ステラ)。
この黄を動かして赤に置き換えないと、フォルティウスの複数点取得はありません。
直接狙うのは無理として画面左上の黄色か、右上(ハウス外)の赤に当ててシューター(投げた石)をぶつけるというのは、赤のNo.1も動いてしまいそうです。
(ロコ・ステラの最終投で、画面右上の黄が右方向からのコースをさらに難しくしています。)

 

この前のフォルティウスのスキップ第1投のときには長い時間相談していましたが、この第2投(=最終投)の場面では、スキップの吉村紗也香選手はあっさりデリバリー側(このハウスの反対側)に行って、ストーンを投げました。

画面でいえば、思いっきり右端寄りのコースに。

ほどなく、スイーパーの小野寺佳歩選手が足で排除したように見えました。
ほぼ同時に、こちらのストーンが配置されているハウスでは、ロコ・ステラの本橋麻里選手たちが、ストーンを片づけ始めました。

 

声はよく聞こえませんが(別のシートのロコ・ソラーレの選手たちの声はよく聞こえますが)、両チームとも、このままフォルティウスが1点取って終わるしかない場面、という認識だったのでしょう。

フォルティウスが1対1の同点に追いつく形ではありますが、ここまではロコ・ステラの思い描くような進行のゲームでした。

 

この後も1点を取り合う(取らせ合う)接戦が続き、唯一、第6エンドに2点を挙げたフォルティウスがものにしました。
見方によったら、最終的に勝ち切る自信があるから、第2エンドで(事実上、一手パスをして)1点取らされることを甘受した、ということかもしれません。
もし最終エンドで2点リードされているような局面なら、吉村選手のこと、何か勝負手を打ってきたでしょう。

 

この場面に追い詰めたロコ・ステラのスキップ・佐々木穂香選手はすごい。
また、ここで自重して勝ち切ったフォルティウスはやはり強い。

(といいながら、優勝は学生選抜がさらっていきました。あのときの上野美優選手は、本当にすごかった。)

 

ところで、最近は、なるべく配信画面からの画像を使わないようにしたり、過去の画像も自作の図に置き換えたりするよう努めています。
ですが、今回はスポンサー等に配慮して、会場のアルゴグラフィックス北見カーリングホールの美しさがわかるようにしてみました。
3面だけの小さなホールですが、この青を基調にしたシートのほかに、赤基調、紫基調とあります。
どれも美しいですが、赤と黄のストーンを使うカーリング場としては、この青が一番見やすいかな、と思いました。

もちろん、オリンピックや世界選手権などでよく見かける、中心から赤、白、青(あるいは緑)というカラフルなシートも好きですが。